- Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088917375
作品紹介・あらすじ
「天から役目なしに降ろされたモノはひとつもない」 金塊の手掛かり、刺青人皮も残す所、あと僅か…。己の役目とは何か? 命と命が交差するッ! 土方一味、第七師団、凶悪囚人、札幌大集結!! VS海賊房太郎、水中戦!!! 怒濤の波濤に、息継ぎ禁止の第24巻!!!!!!!
感想・レビュー・書評
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これまで9巻、12巻、18巻と感想を書いてきて、今年遂に31巻で完結した。一挙に終わりまで読み通そうと思ったら、そんな薄っぺらい話ではなかった。話はロシア革命の皇帝暗殺グループも関わってくるやら、単なる悪役軍人グループと思っていた鶴見中尉たちの過去の経緯が詳細に描かれるわ、と主要登場人物の背景まで全部描かこうという勢いである。そんなことすると、そいつらに感情移入してしまうじゃないか、と困ったことになっている。
特に鶴見中尉は、ウラジオストックで青年将校としてロシア女性と家族までもうけてスパイ活動をしていたかと思えば、鹿児島で鯉登少尉をたらしこみ、新潟で宇佐美をたらし込み、同胞のためには人を殺すことを逡巡しない人材を見つけている。金塊を見つけて独立国家を作る夢も怪しくなってきて、なんか物凄く複雑な人間に変貌してきている。
単純に比較できないことを前提としていえば、白土三平の「カムイ伝」が、60年代北海道での独立国家を目指した「夢と破綻」の大河物語を志向して挫折したのだとしたら、21世紀の半世紀が過ぎた日本で、同じく1910年代の北海道を舞台に、新しい「夢と破綻」の大河物語を志向しているのかもしれない。と思うようになってきた。
21世紀の作家は、もはや半世紀前のように、人民の蜂起による革命などは、頭の隅にも擦りはしない。24人の脱獄囚たちの群像は、失われた20年を生きてきた現代の若者を象徴しているのかもしれない。抑圧され、愛を奪われた若者たちの群像である。それでも、生を輝かせるとしたら、何が必要なのか。
まだわからない。
21巻でアシリパは、当時最新の活動写真でアイヌ昔話を記録させてもダメだと悟り次のように言う。
「(活動写真は)いまを生きる私たちの全てを残すにはまだ十分なものじゃなかった。(略)やっぱり自分たちで大切にする気持ちがなければ残っていかない。キロランケニシパからいろんな民族の生活を見せてもらった。樺太の旅はそれを知るためのものだった。キロランケニシパやアチャ(アリシパの父親)の言う通り、守るためには戦わなければならないのか」
それはいざとなったら、アシリパが人を殺すということでもある。杉元はそれに反対する。
「それはアシリパさんじゃなくてもいいんじゃないか」
「杉元お前は‥‥!!私のためじゃなくて、私の中に(平和な時の)干し柿を食べていた頃の自分を見ているだけじゃないのか?」
「確かにそれもある。(略)(父親やキロランケは)自分の命と引き換えに、戦って守るしかないのだという選択肢にアシリパさんを追い込んでしまった。俺はそれが許せない。(戦って人を殺して地獄に落ちる苦しみを俺は知っているから)俺はアシリパさんにこの金塊争奪戦から下りてほしい。知ってからでは、もう遅いから」
そして21巻の最終でアシリパは杉元に宣言する。
「コタンに帰ってチタタプして暮らすか、アイヌを守るために戦争するか、選ぶ道はひとつじゃない!杉元!相棒なら、これからは「するな」と言うな!何かを「一緒にしよう!」って前向きな言葉が俺は聞きたいんだ!」
杉元をスッキリ頭を切り替える。
「よし!俺たちだけで金塊を見つけよう!」
もちろん、それは困難な道である。
あと7巻。杉元の役割は、いったい何処に見つかるのだろうか。アシリパの夢はハッキリしてきた。それは実現するのか?破綻するのか? -
海賊房太郎、登場。海に強い!
時々動物の脳みそを食べるシーンがあるけど、どんな味なんだろ。
動物の脳みそと言えば、、、インディージョーンズを思い出す。 -
月島軍曹と鯉登少尉が谷垣を見送るところから始まる本巻は海賊棒太郎と石狩川で相まみえることになるのですが、生まれてから約35年転々と暮らしていた馴染みの地名が続々と出てくるもんだから、また1人で胸熱くなってしまいました。
どうやら、違う種類の殺人鬼が2人も札幌に来るらしい。やめてよ。どこにも来てほしくないけど。
特に子育てで過ごした江別の地名の由来の話に驚いた。当時の石狩川はチョウザメが群れで遡上していたため、アイヌ語のユペ・オッ(チョウザメ)が沢山いるから来ている説。
何にも知らずに石狩川の大きさに閉口していたあの頃の私を振り返る。
今回のほっこりは石狩川で沈みそうになる杉元に空気を届けようとしてあっさり拒否られる白石とか、第240話の扉絵が好き。
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最後の尾形wwwwww
なんなの彼は。笑
無表情で誰よりもノリいいじゃんよー
でもお父さんにそっくりで真意がわからんこわい。 -
刊行スピードの速さも相俟って、物語のテンポの良さが圧巻。ゴール目前という感じもするんだけど、でもなかなか辿り着けない焦らせ方も秀逸。イカす。
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海賊房太郎に切り裂きジャックの模倣事件が並列している上に、さらに子供の連続誘拐事件まで。シベリアから戻ってきてからは忙しない展開が続く。
精子探偵vs切り裂きジャック模倣犯の対決は最高だけど、これテレビアニメでは放送できないだろうなぁ。(しかし、こんな変態漫画が1500万部も売れてるなんて) -
やっぱり金カム面白い!
どういうことなの…?と 何回突っ込んだかわからない、置いてけぼり感ある疾走感が癖になる。
想像していたのと違う展開を見せてくれるので続きがもっと楽しみ!
この先の怒涛の展開のレビューも楽しみにしてますよ!アニメも始まりました!...
この先の怒涛の展開のレビューも楽しみにしてますよ!アニメも始まりました!
オープニングとエンディングも素敵です♪
ちなみにわたくしは土方歳三推しです(〃ω〃)
全巻読まれたんですね。
私も、レンタルなので急いで読みました。
明日一気に最終回まで書きます。
ホントは深掘り...
全巻読まれたんですね。
私も、レンタルなので急いで読みました。
明日一気に最終回まで書きます。
ホントは深掘りするべき人物はたくさんいるのでしょうが、何しろ時間がなかった。最後の3巻すごかった!
土方歳三か‥‥。
ご存知のように、私は滅多に「推し」で読書しません(時々やってる。葉村晶、三歩。今回も私の法則から言えばアシリパになるんだけど、封印しています)。というか、それをしたらこんな大河物語だと大変なことになる。
土方歳三は最初は怪しさマックスだったのに、だんだん信頼できる人物になっていった。良い漢(おとこ)ですよね。でもお爺ちゃんですよ!