娚の一生 2 (フラワーコミックスアルファ)

著者 :
  • 小学館
4.19
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本棚登録 : 3492
感想 : 175
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091326386

作品紹介・あらすじ

なりゆき同居から次第に惹かれあう2人に?

30代独身の堂薗(どうぞの)つぐみは、田舎の亡き祖母の家で、50代の大学教授・海江田醇(かいえだじゅん)と成り行きで同居している。海江田はつぐみとの“結婚”を望むが、つぐみは彼の気持ちを素直に受け止められずにいた。微妙な関係のふたりの前に、海江田を慕う人物が現れて…!?

感想・レビュー・書評

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  • 2巻に入って、ますます少女漫画らしさに拍車がかかったような気がする。
    不倫と失恋を経て愛されることに臆病になったアラサー女史と、彼女の祖母(!)に懸想していた50代男のちぐはぐな恋愛…と書けば、なんだかその設定に妙に生々しいものを感じるけれど、開けてみれば何のことはない、「こんなことがあったら良いな」という定番通りの乙女の夢に満ちた恋物語だった。
    それでも、作者の独特の台詞回しとリズム感がぐいぐい読ませてくれる。何よりキャラクターがいい。30も半ばを過ぎて、「愛されるのが怖い」だなんだとぬかすつぐみの「幸せウツ」病には苛々とさせられるが、お相手の教授とのやり取りを通じて、終いにはそんな彼女の弱さがどうしようもなく愛おしくなってくるのは不思議だ。
    海江田教授の柔らかい方言(京都弁?)も、物語全体にしっとりとした艶のようなものを添えている。哲学界の著名人で、女子大の教授で、見かけは品の良い紳士のくせに中身は押せ押せな中年と、かえって食傷気味になるほどの少女漫画的ステイタスの持ち主な彼だが、加えてこの2巻ではどうやら難しい生い立ちの持ち主らしいことまで明らかになった。大人のために描かれたラブストーリーという印象の強い作品ではあるが、この華々しい教授のキャラは、むしろ10代の若い読者にも受けるものかもしれない。
    ただ、2巻でもうお披露目・結婚にまでこぎつけたのは(まだ正式な手続きこそ取っていないものの)驚いた。ほのぼのとした田舎の日常生活を丁寧に描く一方、大事なエピソードで「ここもうちょっとページ割かなくて良いの!?」と思わせる、作者の絶妙なテンポ感がしかし逆に心地良くも感じられる。
    既にうっかり浮気沙汰に陥りかけた二人ではあるが、残された時間もあまりないことだし(…)教授には今後是非とも頑張ってつぐみを幸せにしてもらいたい。そして本人にも幸せになって欲しい。お互い報われない恋を経て、幸せは二人で作っていくものだと、ようやく見つけた伴侶と共に穏やかに時を重ねていって欲しい。

    関係ないが、タイトル「おとこの一生」こそが教授にとって最大の死亡フラグではないのかと指摘されて以来、教授の今後が気にかかって仕方ない。まさか作者は本当に彼の「一生」を描き切るつもりなのだろうか。次の巻辺りで、彼が「実はぼくはね…」と無慈悲な宣告を口にする展開が訪れないことを、今から切に祈っている。

  • まことくんの巻にはやられた。
    ちょっぴり泣ける。

    いつの間にかおっさんを“男”として受容してた。
    若者の恋愛とはまた違った、謎の甘酸っぱさ。

    このマンガの4コマ、かなり好き。

  • いろいろ疲れちゃったバリキャリ女性と哲学科大学教授の恋物語。2冊目。

    おばあさんの家に秘書さんが来て引っ掻き回し、
    捨てられた子供に引っ掻き回され、
    お母さんの来襲と教授の受賞により、整理はつかないまま夫婦として周囲に認知されていくところまで。

    つぐみさんは可愛い。
    その上理系でマネジメントもできる、かなり有能なお姉さんだ。
    なのだが、恋とか仕事とかに疲れてしまっていて、素直には明るい将来が見出せずにいる。
    対して、海江田氏は特別な男性だ。
    自由に、好きなことを言い、制約少なく思うように生きて、その上で文化人として地位を築くことまでできている。
    さらに、恋には一途でまっすぐだ。20年上の女性を30年想い続けた。孫娘に恋したら、全く躊躇うことなく、飾らず嘘の無い言葉で進み続ける。
    全くもってスペシャルだ。
    このあたり、読み手として意識されるのはやはり女性だなあ、という気はする。
    少し憧れを持たれるぐらいの、地に足の着いた傷ついた女性に、ちょっと変わっているけれども特別な王子から強引なアプローチという外形は、ある意味とてもわかりやすい。

    そうやって、お話の構成としてわかりやすい部分を持たせているから、王子様に海江田氏という冒険的なキャラクターを持ってこられるのだろうなあ、と思う。

    次巻はどうなるだろうか。
    人間国宝はやはりおばあさんの繋がりだろうか、
    つぐみさんには、おばあさんの代わりとして好かれている疑心が芽生えたりするのだろうか。
    不倫相手の登場などがあるのだろうか。

    人間国宝さんの話でも出てくると良いなあと思うが、さて。

    最後に。
    巻末の4コマが楽しい。
    嘘をつけといってつかれた嘘に傷つくつぐみさんが可愛いかった。

  • 西炯子さんの漫画を読むのは、「ローズメリーホテル空室あり」以来10年ぶりくらいなんですが見事にやられてしまった…。海江田先生の言葉は実にストレートだけれど、年齢を重ねたからこその深みがある。セリフだけでなく表情や構図で魅せるシーンも多い。(たまに何を表しているのかわからないカットがあるのはご愛敬)もうすぐ最終巻が発売されるらしく、この二人がどこに辿り着くのか楽しみ。

  • 教授がいろっぽすぎ。つぐみもかわいい。
    年取ったらはずみでしかできない。そうか〜。なるほど。
    花を飾るつぐみも、それをみる教授。きゅーんってなるやん。

  • 話題の作品、読みました。
    西 炯子さんの作品ものすごく久しぶり。そんなに好きな絵柄ではなかったんですが、絵がもっと丁寧になった感じですね。つぐみさん美人だなー。
    魅力たっぷりの大人の恋愛、でも初々しい。とても良かったです。

  • ある程度の社会的地位や経験を経た人々の恋愛事情。
    なのに、とてももどかしく「十代か!」と突っ込みたくなるようなやりとりの反面、大人でなければできない静かな欲求を湛えた交わりを見るに、やはりこれはつぐみさんと同じくらいの年齢の人が一番考えさせられる内容なのだな、と思ったり。

    それにしたってカイエダ氏の包容力ときたら、やはりそんじょそこらの若人が太刀打ちできるモノではないな。
    絵になる大人、ではないけれど、サマになる大人、なのだ。

  • 面白い!会社の子に借りて2巻一気読み。田舎で見知らぬ男女(年の差15歳!)が一緒に暮らし始める…。最初はとっつきづらいかなーって思ったけどどんどん面白くなってきて!続きが読みたい!ドキドキ☆☆10.01読了。

  • カイエダもつぐみも色気アップしてる気が。
    気持ちが近づいてきたから?

    「幸せにならない結婚ってなんなんですか!?」というつぐみに
    「知るか。幸福論は専門外や」とバッサリ(笑)

    なんでしょ、ここまで潔く言われたら、いっそ気持ちいいとすら思いましたね。

    ニヤつきながら読んでしまいました。
    キスのときの耳の愛撫とか、迫るときのアレコレとかいちいちいちち、あの歳の男だから嫌味なく色っぽい気がする(個人的に)
    同い年の男があんなんしたらイラッとするもんなぁ。

  • 2巻完結だと思ったら3巻だった。最終巻が待ち遠しい!

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著者プロフィール

鹿児島県出身。1988年『待っているよ』でデビュー。代表作は『娚の一生』『姉の結婚』。

「2018年 『キスする街角』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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