P.A.(プライベートアクトレス) (5) (フラワーコミックス)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091342058

感想・レビュー・書評

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  • 【ヨハネの消えた街】
     依頼:占い師ヨハネのふり(知臣)

    【Queenで終わる夏】
     依頼:HIVに感染した少年の恋人のふり

    【ジャック・ザ・リパーへの伝言】
     依頼:殺された娘の生まれ変わりのふり

    【グレース・ケリー発見記録】
     依頼:お嬢様のふり


    演技派俳優と美人女優の隠し子である小早川志緒。彼女のアルバイトは、その天才的演技力で個人的に依頼された人間を演じるプライベートアクトレスだった、というお話……の5巻目。
    最初の2話はそんなでもないけど、ジャック・サ・リパーの話は好き。
    こういうのに肩入れするところが志緒のいいとこだと思います、うん。

  • 「ヨハネの消えた街」
    最後の仕事に出かけたまま戻らない知臣の行方を追う志緒。前回のことがあって仕事を辞めることにし、志緒に指輪を贈った知臣、幸せそうでいいですね。
    P.A.辞めるなら女優になれと繰り返し言うのは、彼が1番才能をわかっているからでしょう。知らないところもいっぱいあることを知りつつも突っ込まないから上手くいっているんでしょうね。志緒は占いなんて信じそうにありませんが。
    意味深な言葉を残して消えてしまったらそりゃ心配しますよね。でも、知臣の事務所に掃除婦として乗りこむなんて…。
    “羽村知臣には婚約者がいるのよ、あたしがほっとかない”というセリフはかっこいいですね。知臣に聞かせたいや。
    予言者だから予知できたはずって誰でもそりゃ思いますよね。イヤな予感がしたからって知臣に押しつけるなんてひどい奴だ。志緒、結ばれないって言われたのかなり根にもってるな(笑)。本当に志緒に触れるまで詳しいことはわからなかったのかな? キスはセクハラだわな、それとこれとは別です。
    でも、喝采を浴びるところが見えたなんて言われちゃうと女優になれない志緒としてはやっぱり嬉しいんだろうな。
    ヨハネの企みに気付いた志緒ちゃんさすがです。感情をコントロールして挑むなんて。さすがのヨハネも本当に驚いたのでしょうね。
    経験豊富な女がこんなに簡単に落ちるわけないだろうと思うのですけど…(笑)。写真も同情をひくためにわざと置いていたのでしょうね。
    秀臣が死んだのもバラバラになったのも知臣のせいではないでしょう、それは逆恨みというものです。
    知臣が傷ついていないとでも思ったのかな? 確かにかわいげがないように見えるけど…何かあるとわかっていても仕事をうけたのだから誠意はあると思うんだけどな。
    指輪が知臣の手にいった瞬間、志緒はちょっと焦ったかな? いくら信じていても人から中傷を聞くとムカっときますよね。知臣はわかってて指輪をはずした理由を聞いたのかな? くれてやるよと言った時はほんとうに焦りましたけど…泣いてヨハネのもとを去るシーンはまさに名演技ですね。照れた知臣かわいい…でも、本当に絶妙の呼吸でしたね。


    「Queenで終わる夏」
    HIVに感染した男の子のGF役を引きうけた志緒の最初のP.A.の話。
    中学生のまだ少しグレつつある頃に出会った小柴直哉に出会ったのはきっと、偶然ではないでしょう。同じ年頃なのに大変な病気を抱えている彼に出会った志緒は初めて自分が恵まれていること、ちっぽけな悩みに立ち止まっていることに気付いたのですね。それがきっかけで日青プロに入るわけですが、グレていながらもお母さんのことを考える事が出来るなんてやっぱりいい子だな。
    直哉君とのことがあったからこれ以上は望んではいけないと思ったのでしょうか? でも、血友病という病気と戦っていたのにさらにHIVにも感染しちゃうなんて神様も意地悪ですね。それにしても昔から設定を考えるのは得意なのね。
    あんなに生き生きとしていた直哉君に、どうせ死ぬんだからなんて言われてしまうと切ないよね。あの時勇気をもらったから、いてもたってもいられなかったんでしょうね。怖くないよと答える志緒はかっこいいです。
    人間いつかみんな死んじゃうんだから、今をどう生きるかが大事なんですよね。同情なんかじゃなく本当に自然に接するから直哉君も嬉しかったんだろうな。志緒にとっては演技じゃなくすべて素直な気持ちなのでしょう。もっと前に会っていればよかった…という言葉も。
    ガキというけれど、子供だから偏見ナシに接することができるんだと思います。
    ウソと言われるのは辛いですね。相手から見ればそう思うのも当然だろうし。でも、志緒の精一杯の想いが伝わってよかったです。
    思い出って悲しいものもあるけど、その思い出があるからこそ前向きになれる場合もあると思います。強いな、志緒。でも、その話を聞いて黙って頭をなでてくれる知臣いいですね。


    「ジャック・ザ・リッパーへの伝言」
    殺された娘を探す父親のために、娘の生まれかわりの役をすることになった志緒。引きうけたのはその父親を見ちゃったせいでしょうか? 父親がいないから娘を思う親心を大切にしたかったのですね、きっと。
    幸せな日記が突然変化してしまった日記を読んだら、それはいたたまれないと思います。今回は地味な登場の仕方ですが、インパクトはすごくありますね。まさかあの場で倒れるとは…。
    不幸な死に方をしたので次は幸せであってほしいとずっと思っていたのでしょう。戸惑ってみせたりと、信じこませるのが上手ですね。女優のカンというやつでとっさに水原医師を避けたのか…すごいな。
    でも、本当にいいお父さんですね。本当に娘の生まれ変わりなら手放したくないでしょう。これで解決だと思ったのに、志緒は相変わらず危ない橋を渡っていますね。
    志緒が水原に言った言葉は心にジンときます。犯人つかまってよかったです。


    「グレース・ケリー発見記録」
    囮としてお嬢様・冷泉院碧子を演じていた志緒。その仕事でライターの松前弘樹と出会う。
    今時ロールスロイスなんて乗っている人いるんでしょうかね? それにしても志緒なら本当のお嬢様と間違えられてもおかしくはないですね。これも何かの縁かな? P.A.やってるのがバレちゃうなんて。
    相変わらず危険な仕事をやっているんですね。大人の男が気圧されるなんて、やっぱり志緒ってすごい!
    松前さんも志緒を助けるためだからあんなに無茶ができたのかな? 風俗のライターなのに洞察力あるな〜。
    こればかりは志緒もごまかしきれないでしょう。
    志緒はいいライターになれないよと言ったけど、書いた方が安っぽいライターにしかなれないんじゃないかな? まあ、志緒も信用したから本当のことを教えたんだと思うけど…。

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