式の前日 (フラワーコミックス)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091345851

作品紹介・あらすじ

“ふたりきり”の情景を紡いだ感動短編6篇

双子の兄弟、ワケありの親子、結婚をひかえた男と女…。“ふたりきり”という情景を温かく、鮮やかに切り取った珠玉の短編よみきり集。新進気鋭の著者・穂積のデビューコミックスにて最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館で目に留まったから借りてみた。
    久しぶりに読んだなぁ漫画。
    一気に読んでしまったからうまく感想書けないけど、なんか良かったな。

  • 2012年発表。


    ネットからの口コミで話題となり、
    発売後3日で増刷、
    3ヶ月で初版部数の20倍を突破、
    「このマンガがすごい!2013オンナ編」にて第2位に選ばれた、
    新人作家による
    泣ける読み切り短編漫画。


    友達からの薦めで読んでみたけど
    噂に違わぬ面白さ。


    絶妙な間を効果的に使った
    映画的なカット割りと、
    すべての作品に
    ちょっとしたドンデン返しが用意されてるのが上手いですよね。

    また一話の後日談を
    さり気にラストに持ってくる構成も心憎い。



    感慨に耽る女と
    クールを装う男。
    結婚式の前日を共に過ごす
    二人の絆を描いた表題作
    「式の前日」


    7歳の少女と家を去った父親の
    一年に一度の
    秘密の触れ合いを描いた
    「あずさ2号で再会」


    学生時代お互いに同じ人を好きになった双子の兄弟が
    10年ぶりに再会し、
    当時の彼女への想いをさぐり合うが…
    「モノクロ兄弟」


    母親に捨てられ
    励まし合い生きてきた
    ジャック&ベティ兄妹に
    農場のかかしが起こした奇跡とは…
    「夢見るかかし」


    親戚の女子中学生を預かることになった孤独な小説家は、
    その頃から
    死んだカラスの夢にうなされるようになる…
    「10月の箱庭」


    姉が病院に運ばれたことをなんとか伝えようと試みる
    拾われ猫だったが、
    弟は相変わらずなマイペースで…
    「それから」



    などほとんどの作品が死者や家族や身近なものとの
    目には見えない絆を描いていて
    じんわり沁み入ります。


    中でもお気に入りは
    ベテラン小説家のショートショートの如き切れ味の
    ドンデン返しにやられた
    「式の前日」と

    切ない真実が
    いつまでも余韻を残す
    「あずさ2号で再会」

    そして猫の視点が妙にツボだった
    ラストの
    「それから」かな。



    例えこの世で生を全うしても
    誰の魂も、どんな想いも
    消えてなくなるわけじゃない。

    中でも唯一家族だけは
    儚さのない繋がりで、
    いい意味でも
    悪い意味でも
    決して断ち切ることのできない鎖のようなものなのかな。



    老若男女問わず受け入れられるであろう
    懐の深い作品です。
    (思わず手にとってしまう表紙や裏表紙のカバーデザインも秀逸)

    • kwosaさん
      円軌道の外さん!

      またまたおじゃまします。

      >また一話の後日談を
      さり気にラストに持ってくる構成も心憎い。

      先日読み終えたのですが、こ...
      円軌道の外さん!

      またまたおじゃまします。

      >また一話の後日談を
      さり気にラストに持ってくる構成も心憎い。

      先日読み終えたのですが、ここ全く気付いていなくて、あわてて確認して「おおっ」とのけぞりました。
      なんだか自分の読みの浅さに恥ずかしくなりながらも、円軌道の外さんのおかげで得をした気分です。
      2013/04/22
    • 円軌道の外さん

      kwosaさん、
      連チャンコメントありがとうございます!

      うわぁ〜
      読んでくれたんスね(^O^)


      ここ何年かは
      ...

      kwosaさん、
      連チャンコメントありがとうございます!

      うわぁ〜
      読んでくれたんスね(^O^)


      ここ何年かは
      漫画から離れていたので(笑)
      4月は漫画強化月間ということで
      意識的に漫画を読むようにしています♪

      表紙買いしたものも多いので
      ハッキリ言ってハズレもあったけど(笑)
      人に薦めたくなる良作も沢山見つけたので
      また少しずつ紹介していくつもりです。

      つか、仕事が忙し過ぎて
      映画がまったく見に行けてないのが
      悔しいです(>_<)
      (DVDプレイヤーがまた故障中なのです泣)

      2013/04/22
  • あちこちで泣けると話題の本だったので手に取ってみた。
    泣けるって前評判の高い本て外すこととが多いんだけど。
    ・・・、いや~やられた。
    表題作、2回読んで2回とも泣いた。
    狙ってる感はありありなんだけど、漫画だしね許されるよね。
    この短さで起承転結があってオチも外さない。

    内容はどれもこれも死者と何らかの絡みがあるけど、けっして暗いわけじゃない。
    どちらかと言うと前向きな短編ばかりだ。
    サクッと読めて嫌みもなく誰かにお勧めしたくなる本。
    いいね、こういうの。

    個人的には「モノクロ兄弟」が結構好きかな。

  • ラーメン屋で手に取っていたら、どんぶり引っくり返しそうになって、どこかの角に足をぶつけていたかもしれない。
    喫茶店で読んでいたら、むせて珈琲が鼻にはいって痛い思いをしたかもしれない。

    『あずさ2号で再会』がお気に入り。
    タイトルのつけ方に始まり、細かいところすべてがうまい。

    『式の前日』がデビュー作であることに驚き。

    新人とは思えないクオリティの高い短編集。
    日常のぬくもり、人生のおかしさ、心の機微が丁寧に描かれる中に不意打ちでおとずれるセンス・オブ・ワンダー。

    ブクログのタイムラインに頻繁に現れるので気になっていた。
    さりげなく偶然を装って誰かに手渡したいマンガ。

    『10月の箱庭』も奇妙な味わいで、じわじわ沁みてくる。

    • 円軌道の外さん

      こんばんは!
      いつもあったかいコメント
      感謝感激です(^O^)


      最近の漫画なら
      『外天楼』と『ちいさこべえ』が
      断然...

      こんばんは!
      いつもあったかいコメント
      感謝感激です(^O^)


      最近の漫画なら
      『外天楼』と『ちいさこべえ』が
      断然オススメです! (『外天楼』は全1巻、『ちいさこべえ』は1巻が出たばかりです)


      特にミステリー的にも
      なかなか読ませる『外天楼』の
      kwosaさんの感想が聞きたいなぁ〜(笑)


      2013/04/22
    • kwosaさん
      円軌道の外さん!

      コメントありがとうございます。

      円軌道の外さんの影響を受け、漫画強化月間に突入開始です。
      実は『外天楼』のレビューの冒...
      円軌道の外さん!

      コメントありがとうございます。

      円軌道の外さんの影響を受け、漫画強化月間に突入開始です。
      実は『外天楼』のレビューの冒頭をちょっと読ませて頂いて「おおっ、これは」と中断し、速攻でAmazonにて注文しました(中古ですけど)。
      もう、いまからわくわくしています。
      2013/04/23
  • あずさ2号が好き。ショートムービーのように余韻のある作品群。

  • 話の構成の巧い人だな。「起」「承」で、こんな感じの話なのかなと決めつけてしまうと、「転」「結」でその予想が見事にひっくり返される。6つの短編の半分はきょうだいがテーマに描かれているけど、個人的にはあまり入り込めなかった。好みは分かれるな~。読む前に期待しすぎちゃったなというところはあります。そんな中でも一番好きなのは「あずさ2号で再会」。予想の覆され方があまりに鮮やかで…!父と娘の関係の描き方にじわっときますね。
    この後に描かれた「さよならソルシエ」の原型のようなものがそこかしこに感じられました。

  • 良かった。
    文学でした。
    絵で見せるから想像範囲が限定される、
    と言われがちな漫画の概念が、覆されました。

    どれも好きだけど
    案山子の話が一番染みました。
    叔父叔母の描き方。
    そう来たかと。
    よくある妹思いの兄の話に
    時の流れや老いが重なって
    重みを感じる読みごたえでした。

    泣けるだけじゃない、
    優しく背中を押されるような作品でした。

  • 絶望的につまらなかった。朝日新聞の書評にまで載っていて、期待して読んだだけに「こんなにつまらなくていいの?」という突き抜けた失望感があった。
    もう「このマンガがすごい(売りたい)!」はいい加減にしろよ!まともなマンガが入っている確率が低すぎるだろ!打率2割も行ってないぞ!

    冗長で目が滑る会話、作為の跡が見え透いたミスリードが非常に鬱陶しい。オチを描きたいだけ、タネあかしをしたいだけというのが上滑りしており、描くべき心理描写そのものは欠落している。
    超常現象(幽霊)が常にオチになっているのもワンパターンで先が読める。幽霊を出して落とせば切ないというのもデウス・エクス・マキナ的な説得力のない、都合のいいやっつけ感を感じてしまう。それがこの作品の最も気にくわないところで、幽霊の出し方がいかんともしがたく雑すぎる。
    死者と会話したいというのは人間の悲願だ。だからこそ幽霊を易々と、「感動」「切なさ」「良い話」という記号的結末に収斂させるための舞台装置として出すのはすごくダメだ。「死者と会話などできない現実を覆してまで創作上で会話させる意味」という死への配慮や畏怖の線引きが感じられない。幽霊がただの狂言まわしなのだ。現実の人間と何ら変わりない、隔たっていない。作者が言いたいことを言わせてフッと消すことができる、便利な使い捨ての道具のような扱いになっている。作者が大事な人を亡くしたことがないことがよく分かってしまう。

    この辺りの雑さのせいで死や結婚に対する現実味(アクチュアリティ)が全くない。切なさをてらっているだけで、体験者ならではの見識に基づく作劇というものの匂いが一切漂ってこない。「モノクロ兄弟」での壮年の双子も、どう見ても20代の若者だ。それが話の設定のためだけにオッサンのメイクをした格好である。

    漫画文法も全くできていない。コマ割と視線誘導がとにかく下手で「喋っている人物の顔の正面と、会話相手の人物の後ろ姿を交互に描く」場面が非常に多い。結果、登場人物の顔を分断的に行き来するだけの「顔マンガ(バストアップしか作画されないマンガ)」になってしまっている。

    会話もありきたりの少女漫画以前のレベルでどちらかというと同人の臭いが濃く、現実感(アクチュアリティ)や実在感(リアリティ)に著しく欠ける。一体どうしてこんな作品が評価されているのか疑問を抱かずにいられない。
    漫画ばかり読んでいるような書評員の感性がズレているのが仕方ないことだが、それに流されて「絶賛の雰囲気」を作っている層が厚すぎて唖然としたというか、呆然としたというか、愕然としたというか。

  • ふーしぎーな
    いーきもーの
    だーからー!



    はい。
    不思議なものです、女の子は!

    多くの感動の書評を読み
    日頃あまりコミックを読まない私も
    思わず本屋さんで
    手にとっちゃいました。

    『綺麗すぎるだろー!!』

    ってのが初回読みでの感想。

    逆に自分の汚れに落ち込んだり。

    だけど
    やっぱり
    何かを求めてる。

    “家族愛”
    “姉弟・兄弟・兄妹愛”
    “かかし?カラス?猫?愛”

    そう!
    愛だ!!

    2度目は
    卑屈な自分から
    素直な自分で読み終え
    …涙が溢れた。

    きっとこうして
    何度も何度も読み続けるんだろうな。

    そして
    コミックならでは
    絵の作風も素敵だし
    話話毎のイラストが
    ペアになっていたりと
    随所随所で
    思わずほっこり♪
    させられちゃいます。

    素敵な作品に出会えて良かった♪

  • 友達から、これ好きだと思うよと貸してくれたので読んだ。少女漫画なジャンルはあまり読んだことがなかった。というか少女漫画だからやめておこうかなーといって、そもそも自分からは読まなかったのだけれど、食わず嫌いはよくないなアという気持ちになった1冊だった。色んなくくりに囚われて目をつぶってしまうのはもったいない。
    どの短編も、登場人物たちの空気感がとてもよかった。描画がとても素敵に表現されていて、優しい世界が広がっていたなあ。特によかったのは、式の前日。たくさんいいことも辛いこともあって、その先のお話なんだっていうのが伝わってとてもよかった。

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