とりかえ・ばや (4) (フラワーコミックスアルファ)

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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091361080

作品紹介・あらすじ

男なのか? 女なのか?

親友であったはずの石蕗に"女"ではないかと疑いを持たれる沙羅。
そして石蕗は、真実を確かめたい気持ちを抑えきれず…!?

話題騒然のトランス・セクシャルストーリー、衝撃の第4巻!「VSルパン」1巻と2冊同時発売!

【編集担当からのおすすめ情報】
「とりかへばや物語」でも最も重要な転換点になる第4巻。
衝撃につぐ衝撃の展開に、ますます目が離せなくなること間違いなしです。

男として生きることを選んだ沙羅に降りかかる
数々の苦難に、彼女は立ち向かうことができるのか…!?
是非ご自分の目でお確かめください!

感想・レビュー・書評

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  • 全13巻通して、この巻が一番ショッキングだろうなと思う。
    何を考えているか分からない悪魔的な式部卿の宮のサポートもあり、石蕗は体調不良の沙羅をわが物にしてしまう。
    この二人の関係はどう描かれるのだろうと読む前に思っていたのだけど、予想外だった。沙羅は惑乱し、今後は男女の仲にならないと宣言しつつも、友としては石蕗を好きなままなんだね!??
    仕事に打ち込むことで、悩みを忘れようと努力する沙羅の姿は凛々しい。
    そして、ついに帝と沙羅・睡蓮との間で、恋愛の兆しが・・・。
    最後には、四の姫と沙羅の二人が石蕗の子を身ごもっていることが分かり、次の展開が待ち遠しくなった。

  • 【デザイナーメモ】第4巻。ストーリーから抽出したコンセプトは「束縛と自由」で、ラフスケッチ5パターンを提案、それをもとにさいとう先生に描いていただいたイラストラフ3点のなかから決定、という流れ。

    さいとう先生がセレクトしたのはいずれも「ダンス」のモチーフをとった案で、「白拍子」「迦陵頻」「青海波」の3点。ダンスはもともとさいとう先生がおりに触れ描いてきたモチーフでもあり、勝算があった。

    迦陵頻と青海波はいずれも鳥を主題にした雅楽で、バレエ「火の鳥」のイメージをマッシュアップしたら面白いのではという提案。一方白拍子は物語にも登場した桜の枝を小道具にエロティックに見せる案。結果的に4月売りという季節感もあり、白拍子に決まった。

    白拍子はもともと「男装束の女舞」なので女の格好なのだけれども、装束は男ものなわけで、それをさらに男として生きている沙羅が着るという二重三重の反転がある。さいとう先生が仕上げたイラストはばさら好みに妖しい微笑がマッチして、見事なファム・ファタールぶりとなった。

    レイアウトは1巻以来の縦一行ロゴ。1巻では主人公2人の対称性を強調するためだったが、今回は沙羅の見返る動きの回転軸として機能している。(カバー、帯、表紙、扉その他を担当)


    (付記 「男舞を舞う女」という白拍子の概念が確立したのは作品の舞台よりももっと後の院政期のことなので、ここで描かれているのは「後代でいう白拍子のような男装束を身につけた人物」ということになる。つまり「女の格好をした人物」ではなく「男の格好をした人物」ともいえる)

  • 原作をほぼ忠実に守りながら、作者なりの味付けも楽しめて非情に満足です。原作は作者不詳だけれど、今読んでもこれ程ハラハラドキドキときめく斬新な物語を綴ったのはどんな人だったのでしょう。宰の中将はこらえ性が無いなァと呆れつつも、悪気の無い風情で心のままに移ろっていく、やはり当時の男性はこれで普通だったのでしょうかね。今まであまり表舞台に登場してこなかった「尚侍」側の物語もこれからどんどん動き出しそうなので、楽しみです。

  • あーあ、ついに知られてしまったよりによって石蕗に。典型的平安男子の彼は、苦悩しつつも、二人とも自分の女にしておくつもりですよね。

  • 式部の卿の宮様が直々に沙羅にお呼びをかける。
    和歌の会にて沙羅は読み上げの時に倒れる。
    人払いをして、助けたのは石蕗。
    采配したのは式部の卿の宮。

    石蕗に、全てを知られて手を出された沙羅。
    思い悩む。
    めのと「あぐり」の元へ身を寄せる沙羅。
    その間、鴨川が反乱を起こし、東宮が神に祈りを捧げて。

    出仕した沙羅に待ち受けていたのは
    「暴れ川をどうしたら良いか」と、「睡蓮に会いたい」という主上の言葉。
    病という体でお見舞いの品を頂いてしまう睡蓮。
    そんな時主上は睡蓮を訪れ、睡蓮が残した上着を被り沙羅が睡蓮と入れ替わり…
    主上と目が合う。

    四の姫の元へ石蕗を連れて参上する沙羅。
    自分が何かを悩む。
    そして、沙羅は二人を残して一人で生きてゆく道を選ぶ。

    離縁を覚悟して右大臣家に行ったが、もてなしを受ける。
    四の姫に二人目懐妊。
    つわりの四の姫と一緒に沙羅も・・・??

    さて、混乱してまいりました!
    私はこの後の展開が大好きです♡

  • 平安文学のコミック化、平安王朝で男女入れ違った双子のたどる人生。今回は沙羅と中将が結ばれてしまうの巻。結末を知っててもハラハラする。

  • ツワブキってなんでこんなにアレなんだろうか・・・。 女の敵なんだけどどこかでまだ情状酌量というか 「まだ許せる、だって沙羅のこと好きだから」 「まだ大丈夫、これは一時の迷いだろうから」 って思って読んでて妊娠させちゃう愚かさよ。 そして別れもせず沙羅双樹が好きなのかとか迷ってるうちに 子供は生まれおいおいどうすんだっていう・・・。 っていうか普通のマンガだったら ゲスの極みなんだろうけど、こいつは まだ大丈夫、まだいけるって思っちゃうあたり さいとうキャラクターなんだろうな (円舞曲のサジットがいい例)

  • なかなか今の感覚では共感できない所が多くて、一歩引いて読んでる。
    石蕗にしても、式部卿にしても、この時代の貴族はみんな色ボケしてたのかと思う。理性がなさ過ぎて呆れてしまう。
    とにかく、沙羅が幸せになって欲しいな。

  • ベースは平安時代の作者不明「とりかえばや物語」。
    姉は男装、弟は女装をして宮中に仕える姉弟。
    平安時代も同性愛(BLのみ?)には理解があったようだし、二人の恋愛観がどういうものか気になる。
    石蕗は、お前な・・・と思うところもあるが憎めない(一夫多妻の平安男子だしな)。

  • 親友であったはずの石蕗に“女”ではないかと疑いを持たれる沙羅。
    そして石蕗は、真実を確かめたい気持ちを抑えきれず…。

    ついにバレた。おまけに石蕗にという面倒さ。
    しかも女だとわかったとたんに手を出すとかもう石蕗いい加減にしてほしいね。この変に情熱的というか勢い任せな感じが平安男子なのだろうか。
    夫婦両方に手を出すとか本当に罪しかないよ石蕗。四の姫もかわいそう。
    一方で睡蓮の方もついに帝が本腰上げ始めてハラハラする。かいま見たのは沙羅の方だけど、本当にこれどうすればいいんだ。
    おまけに最後の最後にさらに面倒な展開になった。偽って生きてるとはいえ、運命厳しすぎないだろうか。

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