金の国 水の国 (フラワーコミックスアルファスペシャル)

著者 :
  • 小学館
4.25
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本棚登録 : 1707
感想 : 173
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091386687

作品紹介・あらすじ

岩本ナオが贈る、おとぎ嫁婿ものがたり

昔々、隣り合う仲の悪い国がありました。

毎日毎日、つまらないことでいがみ合い、
とうとう犬のうんこの片づけの件で戦争になってしまい
慌てて仲裁に入った神様は2つの国の族長に言いました。

A国は国で一番美しい娘をB国に嫁にやり
B国は国で一番賢い若者をA国に婿にやりなさい―――

そんな中、A国の姫・サーラはB国の青年と偶然出会い…!?


「町でうわさの天狗の子」の岩本ナオが292Pのボリュームで贈る、おとぎ嫁婿ものがたり。

【編集担当からのおすすめ情報】
ときめきが止まらない小学館漫画賞受賞作「町でうわさの天狗の子」から2年半。
岩本ナオ先生の待望の新作がついに登場です!

舞台はどこかにある二つの国。
敵対するA国とB国のお姫様と青年が偶然出会い――!?

通常コミックの1.5倍、292ページのボリュームで、岩本ワールドをぜひお楽しみください!

感想・レビュー・書評

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  • お伽噺のような2つの国の男女の話。

    2人の愛が2つの国を結ぶ。
    ダイナミックな話なのか、こじんまりとした話なのか、少しどっちつかずの印象。

    このボリューム感であれば、もっと密室的な感じでもよかったかも知れません。

    絵、世界観は、やはりオリジナリティ高し。

  • 岩本ナオさん初読み。敵対する隣国、A国とB国。その縁談騒ぎに巻き込まれた、A国の姫サーラとB国の若者ナランバヤル。第一印象は、王道のファンタジー?と思わせといて、キャラ設定、ストーリー展開など、細かいところで捻りをきかせてくる。ほっこりさせられる一方、なかなかにスリリングで、読みごたえありました!
    ぽっちゃりさんなヒロインのサーラ。姫とはいえ母は妾で、王族の末端。外見に自信もなく、密かにコンプレックスを抱えているけれど、おっとりしていて気品もあり、とにかく健気。そんな彼女の清らかさに惹かれていくナランバヤル。貧しいB国の技術者で、一見お調子者だけど意外に野心家。2人が出会ったことをきっかけに、互いを思い合うことで殻を破り、どんどん変わっていくところがいいんです!あまり喜怒哀楽を顕わにすることのなかったサーラが、B国での嫁披露騒動の奮闘の末、ナランバヤルの前で涙するシーンには、もらい泣き。ナランバヤルもイケメンではないものの、時々ハッとするような男前な表情をしたりと、心掴まれっぱなしです。
    他、一筋縄じゃいかないキャラ、多数。個人的に好きなのは、ガテン系な知識階級の学者達。荒くれ者なのにインテリなのが意外性あって好き~。そして、第一王女の男妾で俳優の、お飾り左大臣ムーンライト。イケメン優男と思わせといて、実はやり手。ナランバヤルに触発されてどんどん左大臣らしくなっていく過程もカッッコいい~!です。
    国交回復の為、動き始めるナランバヤルとムーンライト。様々な思惑が絡み合う後半はドラマチックで、ドキドキもの。ストーリーの面白さは勿論、丁寧に描き込まれた背景も素晴らしい!衣装や建築など、オリエンタルな雰囲気が存分に味わえた。こりゃ、アシスタントさん大変だったことでしょう(笑)だからこそ、何度読んでも飽きないです。
    犬猿の仲の割に、国境は簡単に越えられちゃうのかとちょっと気になったけど、それ以外はよく練られた素敵なファンタジーだなぁと思いました。個性的なキャラ達と、ここでお別れしちゃうのはちょっと寂しい。番外編を是非お願いしたいです!

  • 岩本ナオ先生のおとぎ嫁婿ものがたり。
    すごくよかったぁ。じんわりきて、ほろほろと涙でましたよ。
    サーラのあったかい心とナランバヤルの心意気。
    いがみあい戦争を起こす国(国王と族長)のなかであっても、やっぱり自分の愛する国が戦争をするのがいやだ、どうにかしてじぶんの国を守りたい、お互いの国の国交を開きたいと思う人たちはいっぱいいるわけで。
    ふたりの出会いがそんな周囲の人々を巻き込んで、やがては笑顔いっぱいの世の中になっていきます。
    やっぱりハッピーエンドは大好きです。
    サラディーンかっこいいです♡

  • 敵対するA国とB国が、友好のために、(神様の言いつけということで)、国で1番美しい娘と、国で1番賢い若者を送りあって縁組をすることになった。しかし、実際に贈られたのは犬と猫だった。一方、贈られたA国の姫サーラは、B国の賢い若者と偶然出会い、結果的に、交易で富んでいるが水が枯れそうなA国と、貧しいが自然豊富なB国の友好の架け橋になるという、「おとぎ話」である。

    今年の漫画大賞第二位、一巻だけの本ということもあり本屋に益が多いというわけではない。それでも本屋さんたちに選ばれたのは、作品的にこれが1番まとまっていたからに他ならないからだったのだろう。

    インド、イラク等々を彷彿させる絵作り、細かい所まで妥協しない画力、キャラ立ちの確かさ、テーマの健全さで、確かに他を圧倒していると私も思う。

    しかし、話はあまり突飛なものではない。この作者の他の作品もみて見ないと、評価はなんとも言えないと思った。

    2017年7月21日読了

  • かわいらしいお話
    かわいらしい登場人物たち
    対立する2国間のファンタジーでした。

  • 敵対する二国が友好のために、国で一番美しい娘と一番賢い若者を送りあって縁組をすることに。そんな中、A国の姫サーラはB国のナランバヤルと偶然出会い、物語が動き始める。
    幸せなファンタジーの世界観とドラマがこの一冊の中に広がっている素敵な短編マンガ。

    ファンタジーのワクワク感もさることながら、人間ドラマの丁寧さが素晴らしい。二人が出会い、その行動が知り合った人々の心を動かし、その積み重ねで国を動かしていく。この流れがとても心地よく描かれていた。どのキャラにも見せ場が用意してあってそれもいいよね。

    ナランバヤルの父の言葉が好き。
    「結婚して他人と家族になるということは夢物語ではない
    我慢することや悲しいことは波みたいに押しよせて
    最初に感じた愛や恋は月日と共にどんどんすりへって違う何かに変わっていく
    だから君はそのときの美しさよりも一瞬の楽しさよりも
    自分の親兄弟と同じかそれ以上に自分を大切にしてくれる人を探しなさい」
    この言葉のようなあたたかさに満ちている物語だと思う。

    「いつでも難しい方の道を選んで下さい あとで良かったと思えますわ」
    サーラのこの言葉も心強い。

    ナランバヤルが王都へ来た時の「金の国だ」と目を輝かせた表情もお気に入り。
    ムーンライトの「あなたの覚悟が足りないと大事な人も守れませんよ」もカッコよかった。
    それぞれの立場や役割を果たすキャラたちのひたむきな思いが心に響く。読後感も爽やかでかなりお薦めしたい作品。

  • ぽっちゃりヒロインに、もさもさヒーロー。
    美男美女もすぐそばに登場する中で、ふたりがこんなに生き生きと魅力をたたえて見えるというのが、いい。

    このお話のように、目的を達成する一歩手前で幕引きになる形が以前は少し苦手だった。
    ゴールには行かないの?!というモヤモヤ感が残ってしまうので。
    でも最近、「達成することはほぼ確実、ということが分かった瞬間が一番盛り上がる」というのもアリなんだな〜と思い始めている。ゴール=物語のクライマックス、とは限らないんだな〜と。

    その点でも魅力あるストーリー運びで良かった。

  • 恋仲の2人だけで世界が閉じてなくて、周囲の人々も物語の中で生きていて、完全な悪人もいなくて、すごくいいなぁと思った。

  • 2018年1月7日、二回め読了。

    対立し合い、戦争秒読みの二つの国でちょっとぽっちゃりで心優しい王女と仕事はないけど誠実で頭の回転の早い青年が出会い、お互いの背後にある結びつきを知らずに恋に落ち、両国の運命をも変えていく。

    主人公二人ともに、男女という枠を超えた人としての誠実さがあって読んでいてとても癒されました。
    相手のために最後のクッキーを譲り、相手のために町中の酒を飲み干す(笑)
    私の1番好きな二つのシーンです(o´ω`o)

  • 『このマンガがすごい!』で知って手に取った一冊。
    何とも優しい雰囲気に満ちたファンタジーです。
    自分の持っている力を人の幸せ・喜びのために使うこと、
    人を優しく誠意を持って受け止めること、
    そんな「簡単だけど難しいこと」の大事さがふわふわと伝わります(^^)。

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