- Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091395603
作品紹介・あらすじ
名作「ポーの一族」40年ぶりの新作続編!
不朽の名作「ポーの一族」から40年。ついに新作の続編がコミックスに!!
永遠の時を生きるバンパネラ(吸血鬼)であるエドガーとアランは、
1940年代戦火のヨーロッパ、イギリス郊外でナチスドイツから逃れてきたドイツ人姉弟と出逢う・・・
そしてその出逢いが新たな運命の歯車をまわすーーー
【編集担当からのおすすめ情報】
2016年月刊フラワーズ7月号に第1話が掲載されてから、伝説の復活に大反響を呼んだこの作品は、エピソードとエピソードの間の小さなお話ではなく、物語の根幹に関わるドラマティックで今現在の萩尾望都さんの想いがつまった作品です。かつてファンだった方も初見の方もともに夢中になる渾身の物語です。お読みください!
感想・レビュー・書評
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40年ぶりのポーの一族
「月刊フラワーズ」2016〜2017
このマンガがすごい!2018オンナ編第2位
2024ポーの一族展描き下ろしポスターも麗しかったですが、こちらの春の夢も美麗
第二次世界大戦中のイギリス
1944年一月ウェールズ地方アングルシー島
40年前の「エディス」での火災は1976年だったので、エドガーとアラン共揃って登場
タイトルは、シューベルト「冬の旅」の「春の夢」
ナチスドイツから逃れて叔父の家で弟と暮らす少女と出会う
少女との触れ合いが「春の夢」から
この少女と身を寄せる家の主人がこれからの連載に重要となってくる
そして ポー以外の吸血族の存在
ポーの村とエドガーと悲しい契約
第二次世界大戦下のヨーロッパを隠れて生きるバンパネラ
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本誌のflowersで全話読んでいたにもかかわらず、今回のコミックス発売が楽しみでしょうがなかった。そして、改めてまとまった一冊を読んでみて、クォリティの高さとストーリーの重厚さをひしひしと感じたのだった。
雑誌で1話目を読んだときは、「ポー」新作というより「萩尾望都」作品の新作という印象が強かったのだけど、新キャラが何人も登場して話がどんどん広がっていく一方で、エドガーやアランに昔の面影を感じられるようになっていき、場面によってはエドガーの横顔の美しさに「あ、懐かしい、この感じ…!」と一瞬ドキリとすることもあった。
第二次世界大戦下というシビアな現実や登場人物の不気味な行動…骨太なストーリー展開はさすが、萩尾先生のこれまでの軌跡を彷彿とさせる。「エッグ・スタンド」をちょっと思い出した。
大老ポーなど懐かしいキャラクターが登場する一方で、ちょっと中性的な紅ルーシ出身の吸血鬼(ヴァンピール)ファルカの登場、レイ(妖精の鎖)ラインなど、ヨーロッパの歴史についても詳しく調べて作品に反映させているのだなということが窺える。
70年代ポーの儚さも好きだけど、今回のポーのずっしりとした感じも読みごたえがあって、決して別物ではなく地続きだということが今回よくわかって嬉しかった。今後の展開が本当に楽しみだ。 -
萩尾望都さんと大島弓子さんが、漫画家の中では、一番?好きです。私のりまのという名は、萩尾作品、ユニコーンの夢 、の中の、リマノという花の名前から付けさせていただきました。 ポーの一族の続きが読めるなんて!とても嬉しかった。
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コメントを読む限り、りまのさんの「大のお気に入り」の感を受けました。
今のところ、「ぞうさん」しか知らない僕ですが、まどさんの世界をゆっく...コメントを読む限り、りまのさんの「大のお気に入り」の感を受けました。
今のところ、「ぞうさん」しか知らない僕ですが、まどさんの世界をゆっくり味わってみたいと思っています。2022/03/02 -
とても好きな詩集です。
こうしてお話していると、また読み返したくなってきました。
今からちょっと、読み返します。
ありがとうございました♪とても好きな詩集です。
こうしてお話していると、また読み返したくなってきました。
今からちょっと、読み返します。
ありがとうございました♪2022/03/02 -
りまのさんも10数編、まどさんの詩を載せてくれているものの、僕にとってはどれも初対面です。
読み終わったら、僕なりの感想書きますね。
お...りまのさんも10数編、まどさんの詩を載せてくれているものの、僕にとってはどれも初対面です。
読み終わったら、僕なりの感想書きますね。
おやすみなさい。
購入報告、ありがとうございました。2022/03/03
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まさかまさかの続刊とは!
ありがとう…です。
エドガーはナチスをどう感じてみてたのか…興味あります。人間の残酷さ、弱さ、傲慢さを知る。人間よりもなにかの存在をみつけようとしているのか、今後の展開が楽しみです!
生きていると思いがけない読書体験ができるのも本読みにはたまらなく幸せですね。
これからも素敵な読書体験ができますように…
ぜひ〜 -
大人になってから本屋さんで漫画を買ってこんなにウキウキした気持ちになったのは久しぶり。あやうくスキップして帰るところだった(笑)40年ぶりのポーの一族新作!!
最初はやっぱりちょっと絵柄の変化に違和感を覚えましたが、読み進めているうちにすぐに慣れます。とくにアランのほうが絵柄の変化が大きいのだけど、喋ると相変わらず、ヤキモチ焼きで子供っぽい駄々をこねてはエドガーを困らせてるあのアランのままだった。そして相変わらず皮肉屋のくせにアランには過保護なエドガー。
終盤ちかくでエドガーが「アランがいないと自分は幽霊になってしまう」というようなセリフを言う、そのコマの感じが一番昔と変わらないエドガーだった気がする。
時期的には1944年、戦争中。前のコミックスをひっぱりだし「ランプトンは語る」の最後のページの年表で調べてみたら、「小鳥の巣」のギムナジウムにエドガーとアランが現れたのが1959年。つまり今回のシリーズはそれよりは少し前の話。「エディス」は1976年だったんだなあ、なぜか感覚的にもっと昔の話のような気がしていたので、今回初めて戦争というワードが出てきて、これまで吸血鬼ということは別にしてもファンタジーのようだった彼らの生きた世界に、ちゃんと現在と地続きの歴史があることに不思議な気持ちがした。
新キャラのファルカ、ああいうパワフルなタイプは好き。吸血鬼にもいろいろ系列があるらしい。
クロエとその仲間たちのようなタイプのパンパネラがいるのはちょっとショックというか残念。仲間に加えるには基本的には厳しい承認審査がある=美しく賢いものしか仲間にするべきではないのだと思っていたので、ああいう下品で欲望まみれのタイプがいるのは嫌だなあ。
挟み込みの月刊フラワー予告では2018年春くらいにまたこの続きが連載されるようなので、また1年以上続きを待たなくてはならなそうだけど、楽しみに待ってます。 -
表紙のエドガー、宝塚のスターさんを彷彿とさせる美しさで思わずため息が…。
宝塚舞台のポーも素晴らしかった〜。
正直今回は物語そのものよりも(笑)、美麗なカラーイラストの数々に感動した。
時代を超えて生き続ける途方もない孤独感と喪失、人間的な感情の振り子の揺れ幅が小さいエドガーと、それが大きいアラン。
ああ、愛しいこの世界、この二人。
また読むことができるなんて。
ありがとう萩尾先生! -
驚愕。まさかの驚愕。エピソードとエピソードを繋ぐ物語ではなかった。
ここに来て、まさか「ポーの一族とは何か」つまり、エドガーとは何者なのか?つまり、あゝもうそれ以上は怖くて言えない。そんな話になってくるとは。
もちろん、次回作はあるだろう。なくてはいけない(来年の春らしい)。怖いけど。
昨年驚きの連載開始を経て、7ヶ月間のインターバルを置いて5ヶ月間連載された物語は、一話とは全く違った話になっていた。もはや歴史的事実は背景に落とし遣られ、大老ポーまで、2度も登場して、物語を動かした。
今の私は??マークでいっぱいだ。もっとも、重要なネタバレになるので、ここでそのひとつひとつを検証する野暮なことはしない。ともかく、青春時代にポーの一族に殺られた人は、必読作品である。
2017年7月17日読了 -
40年ぶりのポーの一族の新刊。
もーさまは、絵柄が色々と変わっている。
エディスの時で、正直ちょっとなってなっていた。なので、まぁ自分の幻想をぶち壊すこともあるまいと、傍観をきめこんでいたのだが…。
もーさまが生きてるこの時代に生まれてよかったよ。
ポーの新作読めて、本当によかったよお。
やっぱり、もーさまは偉大なのである。
第二次世界大戦中のイギリスの島で、エドガーとアランは、ドイツから来た姉弟と出会う。
エドガーたちも、ただ二人だけで生きているわけではない。
ヴァンパイアのコニュミティが存在し、その中で利用したりされたりしている。
なんというか、年を経たからこそ、人は一人では生きていけないということが、その意味がわかる。
そういうことが、強くでていると思う。
と、同時に哀れも感じる。
過去作品では、それこそ幻想の中でだけ生きていたエドガーたちが、そこのままにはいられないこと、時代が幻想をそのままにはさせてくれていないことを実感するのである。
ビアンカのような少女を描かせたら、本当に上手いなと思います。
下着のシーンで赤面するところとか、暴力と恐怖で落ちていく表情とか、胸が痛かった。
…昔は、いらっとしたアランの我儘っぷりが、今じゃむしろ安堵の対象であるって、自分が年食ったのを実感したよぉ。 -
永劫の時を生きるエドガーとアラン。第二次大戦中ふとしたことで出会った少女ブランカとの交流。絵が綺麗で本当に春の夢のような作品。
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作者が袖にて言う通り、「絵も顔も変わ」っている。
やたらエドガーが分別臭そうな顔をしていたり、中年女性の業が戯画化されていたり。
しかし作品の根底を流れる優しさは変わらず。
p.38「泣いていいのに」
エドガーはブランカに言うと同時に自分にも(、つまりは生きとし生けるものすべてに)言っている。
これは他の作者、他の作品ではあり得ない優しさだと思う。(従来の非情さよりも優しさが前面に出てきたか)
さらには、
p.177「アランがいないと、ぼくは幽霊になってしまう」
これはもはや愛であり恋であり執着であるという意味で、人類すべての尊くもあり醜くもある感情すべての吐露だ。
萩尾先生の創作における真面目さ・律義さ・厳密さは大変に好もしい、そして心強い、と思った。
(浦沢直樹の漫勉で、媚びへつらいネームバリュー関係なく、見てよかったとしみじみ感じ入ったのは、萩尾先生の回。)