ポーの一族 ~春の夢~ (フラワーコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
4.09
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本棚登録 : 916
感想 : 65
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091395603

感想・レビュー・書評

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  • 永劫の時を生きるエドガーとアラン。第二次大戦中ふとしたことで出会った少女ブランカとの交流。絵が綺麗で本当に春の夢のような作品。

  •  昨年の『月刊フラワーズ』での連載開始から大反響を呼んだ、伝説的名作の40年ぶりの新作。

     私は近年の萩尾作品にはあまり馴染めないのだが、1980年代前半までの作品は夢中になって読んだ。もちろん『ポーの一族』も。
     
     絵柄が昔とは(微妙に)変わってしまったことは致し方ないが、ストーリーと雰囲気は昔のままである。かつての『ポーの一族』が好きだった人なら、間違いなく楽しめる作品に仕上がっている。

     難点は、今回の作品ではアランが“ただのお荷物”になってしまっていて、キャラとしての魅力がほとんど発揮されていないこと。
     次作では、ぜひもっとアランに光を当ててもらいたい。

  • 美しい装丁
    40年ぶりの新刊

    数年前に宝塚歌劇が初めて舞台化したことで
    売ってしまった全作品をふたたび買いなおし
    読み直していたのでブランクを感じることなく…

    とはいえ舞台化されるまでも時折読み返したくなる
    作品でしたけれど

    続きがあるなんて思いもしなかったからお得な気分でした

    この作品全体が時系列にそって書かれていないので
    いったいどの巻のどの話の続きなのか
    旧作を読み返しながら考えるのも楽しみのひとつ
    (年表を作って公開してくださってるファンも!)

    題名の「春の夢」はシューベルトの歌曲「冬の旅」から

    「美しい愛の歌だ」とエドガーが言う

    ウィルスの影響で遠出は控えていますが
    身近で季節が動く様子を日々目にしながら
    この曲を聴くと(ドイツ語で意味はわからないなりに)
    今世界中で起こっていることを忘れてしまいそうに…

    April 2020

  • ポーの一族の続編が出るなんて…!
    もしかして、アランは生きてたのか、とかあの結末の続きが??とかの期待も若干あったけど、元々まぁ時系列が順番ではない物語だったので、新作が読めただけでも満足です。

    物語は第二次世界大戦も終わりかけのイギリス・ウェールズのアングルシー島。赤い家に越してきた二人。
    島には親戚の家にナチの迫害から逃れてきたドイツ系ユダヤ人の姉弟がいて、周囲からの阻害に人一倍過敏になり厳しく弟を守ることに使命感漂わせる姉、無邪気な弟とやがてエドガーは親しくなる。
    血が薄く体調を崩しているアランはいつものちょっと焼きもち。
    そこにポーとは違うヴァンピールの一族の昔馴染みファルカを呼びアランの治療をしてもらったり、ポーの村のシステムが少し判明したり、姉弟が不幸な結末を迎えたりのお話。

    ここで新たに明かされる別のヴァンパイアの一族が複数存在していたり、新しい能力を得たり、キングポーが生きてたり、不思議の数々の一端が明かされて嬉しい限り。

    次のお話ユニコーンもとても楽しみ。

  • 望都さん大好き。
    エドガーの孤独が切々と伝わってくる。

  • 絵柄はずいぶん変わったように思う。
    これについては変わらないほうがいいのか、変わったほうがいいのか私にはわからない。絵にも流行り廃りがあり、プロの方は日々努力をされていると思うので。
    自分にとって萩尾先生は一流のミステリー作家なので、切ない心理描写、耽美な世界観に垣間見える伏線の巧妙な張り方、物語の作り方に驚愕した。全く衰えてない!某漫画家も『吸血鬼』と称されているけれど、萩尾先生も実はそうなのでは…?(笑)
    本編のオマケやスピンオフではなく地続きの物語であるというところがすごいです。先生の中にエドガーやアランやメリーベルは生きて存在しているのでしょうね。

  • 連載でも読んでいたけど、改めて単行本でもじっくりと再読。40年ぶりでも着想が新鮮、そして新たな謎が増えた展開にさすが、と唸るばかり。

  • つい買ってしまった、ポーの新シリーズ。
    今まで、あの村が、ポーの村だと思ってたのが、違うみたいだし、キングポーは、生きてるの?とか、まだまだ謎が多くて、悶えてしまう。
    続きが、みたい

  • 『ポーの一族』40年ぶりの新作。
    単なるファンへのアンコールに留まらず、新たな物語と人物とを創造する志の高さに圧倒される。
    緻密で重々しいとも、繊細で瑞々しいとも言える、幼くて年老いた吸血鬼たちの物語。
    あらためてまた、本編の方も読み直したくなる。

  • 通りがかった駅中の本屋さんが手書きの大きな紙を貼りだしていました。事件のような扱い。
    40年ぶりの新作だから、当然か。
    しかも、字があまりきれいじゃなかった。。。

    もちろん、すぐに買いました。私にとっても大事件だったから。
    ポーの一族の新作を再び読むことになるとは。
    スターウォーズの新作を映画館で見たときよりも、感慨深い。

    そして、40年間マンガ描き続けてきた作者、すごすぎる。

    正直、この春の夢の表紙の絵はあまり好きではないなあと思った。
    でも、中の絵は好き。
    連載開始した最初の回と次の回は雑誌買って読んで、わりと普通に戦争と平和かなって思ってたら、
    ファルカやクロエがでてきて、にわかに空気が変わった。
    あ、萩尾望都だ、って感じ。
    結構怖い話でもあるんだけど、さらっと描いてたりする。
    どんどん話が流れていって、最初の方の設定の始末をつけていってる。
    その辺はベテランの安定感ですね。

    40年前の作品より切なくないのは、私が年を取ったせいか。
    グレンスミスの日記は今読んでもため息が出るのだろうか。

著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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