素晴らしい世界 (1) (サンデーGXC)

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  • 小学館 (2003年5月19日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ) / ISBN・EAN: 9784091572110

作品紹介・あらすじ

▼第1話/脱兎さん▼第2話/坂の多い街▼第3話/森のクマさん▼第4話/ワンダーフォーゲル▼第5話/白い星、黒い星▼第6話/サンデー・ピープル▼第7話/mini grammer▼第8話/Untitled▼第9話/シロップ●あらすじ/戸川ゆり子、23歳。大学の音楽サークルで、バンドのボーカルとギターを担当している。カラッとした性格の彼女は、後輩の男の子たちに慕われる人気者。だがその頼られまくりの状況がイヤになり、あっさり大学を辞めてしまった。かといって、その後の生活のあてはない。半年後、久しぶりに出掛けた商店街のライブハウスはつぶれており、そこで偶然再会した以前のバンド仲間・藤井も金髪・ツンツンのパンクヘアーを、ごく普通の髪形にして就職活動をしていた。さらにアパートに帰ると、なんと火事で丸焼け。24万円したギターもアンプも、通帳も印鑑も全部灰になってしまった。土手に寝ころがって呆然とするゆり子。そんな彼女の前に、ゆり子を心配して探しに来た藤井がやって来た…(第1話)。●本巻の特徴/あてもなく大学を中退してしまったバンドの女性ボーカリスト、ひどいいじめを受けている小学生の女の子とカラスの姿をした死に神、組の金に手をつけて逃走中の暴力団員と女子高生、バンドをやめて普通のサラリーマンになった青年、表と裏の顔を持つ歪んだ性格の生徒会長、35歳・妻子に逃げられた売れないマンガ家、恋人と別れたばかりのOL、倦怠期のカップル、勉強しない予備校生…。心のどこかに不安や不満を抱える様々な登場人物たちの日常のドラマをリアルに描く第1集。各回の登場人物が以降の話にほんの少しずつリンクしていく形で進んでいく、ちょっと変わった形式の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 2021/04/09

  •  日曜日に夜11時から毎日放送系列で放送されている「情熱大陸」が私の一週間に楽しみの一つだ。30分間で一人(たまに団体やコンビなども)を取り上げるドキュメンタリー番組だ。この番組で個人的に面白いなと思うことがある。芸能人や学者など様々な有名人が取材されるが、全く知らなかったり、名前だけかろうじて聞いたことがある人の放送の時の方が面白かったりする。

     浅野いにお、「素晴らしい世界」の著者、は自身の作品「ソラニン」が映画化されたことで光を浴びたのでかろうじて名前は聞いたことがある。まず初めになかなかのイケメンである。そんなことはどうでもよくて漫画家であるまえに、一人の人間としてしっかりとした意思があって魅力的に私の眼に映った。

     そんなことですぐ影響されて書店に走った番組放送翌日の私。番組で大きく取り上げられていた「おやすみプンプン」の1巻~3巻が売り切れていて影響されたのは私だけではないなと安心。デビュー作の「素晴らしい世界」を購入。全2巻の短編連作。各短編ごとに主人公が変わり、朝井リョウさんの「桐島、部活やめるってよ」のようだ。

     情熱大陸で著者が言っていたように、若い人の目線で社会に訴えていきたいことがあり、マンガにしては少し辛気臭いような台詞も多々あるが、それが最大の特徴だと思う。ワンピースのような王道ではない主流の一つかもしれない。

     小説でも映画でもいろんな評価の方法があるが、個人的にはストーリーそのもの、表面的な部分が良くて、かつその奥で訴えたいことがしっかりと根幹にある作品がいいと考えている。アメリカ映画の強い敵が現れて、みんなで協力して闘って倒してハッピーエンドの映画も好きだけど。ワンピースはストーリーが面白くて(面白くなかったらあんなに売れない)、友情だったりとか絆だとか根幹もNHKの「クローズアップ現代」でテーマとして扱われるほど評価されている。わかりやすい作品なので子供から大人まで評価されるのだろう。

     それに比べて「素晴らしい世界」は小説で言うところの純文学にあたるのではないか。セリフの無いコマ、景色、回りくどい表現。何の意味のなさそうな表現がしだいに深みを帯びてくる。好き嫌いが大きく分かれる作品だとは思うし、読んでいて楽しいかといったら楽しくは無い作品だが、私は好きだ。純文学が好きな人にぜひ読んで欲しいマンガ。

  • 『「はい」。
    自分の意志に関係なく、これが言えれば人間合格だ。
    決められたレールにそっているフリができれば、この社会では楽に生きていける。』

    『わかってんだ!わかってんだよ!!俺、こんなんでいいのかなんていつつも思ってんだよ!!
    でも考えれば考えるほど、自分がかなり終わってるヤツだってことに気付きそうななってさ。そんなん、気付きたくないじゃん!ゴマかしたっていいじゃん!いい加減でいさせてくれって!!俺の未来なんて・・・』

    『他人にスキを見せるヤツってのは、生きることを甘く考えてるヤツなんだよ。』

    なんて若者がいじれられたり、いじめたり、失恋したり、二浪したり、異性と思ってもらえなかったり、自殺しそこなったりする日常。深い絶望と少しの希望。
    文学的なタッチで若者のディテイルをリアルな描線で描く。いきなりトップ3に入ってきそう注目のマンガ家です。

  • いえ

  • 読後感は良かった。現実社会は、つまらないところも多いし、思い通りに行かないけど、この本に登場する若者たちは、ちゃんと自分で感じたことに向き合って生きている。ただイジメのシーンについては生理的に入り込めない部分があり、それでちょっとマイナスにしました。

  •  クマのおっちゃんええ人。

  • 良作ちゃん。

  • 前、読んだ漫画を
    もう一度、読み直してみる巻 Vol.20

    今月の17日に「素晴らしい世界 新装完全版」が発売さたので、この機会に『素晴らしい世界 1(2003) 』を読み直しました。 浅野いにお氏は、一昨年から10年振りに漫画を読むようになったきっかけとなった漫画家さんなんです!! この『素晴らしい世界 1(2003)』での好きなストーリーは・・・”板の多い街”と”森のクマさん”と”Untitled”です!!

  • 他の浅野にいおの作品と比較すると少し絵が荒い気がする

  • 脱兎さん 築25年、風呂無し。窓を開ければ小田急線…の安アパート。その日暮らしの自堕落な生活。スッポンのテポドンと共に宙ぶらりんの生活をしているわけです。 白馬の王子様を本気で待っているような少女漫画指向 五月蝿くて 必勝鉢巻 ステレオタイプの浪人生 ウィンウィンって僕の脳を揺さぶるんだ 水槽 あたしも何れああいうババアに 電気虫 取り立ての奴ら 甘酸っぱい ニョホホ 飄々と お母さんの匂いがする てゆーか、あの頃の堀田はもういないんだな… 名残惜しさにSGは貰ってく 心許ない 形振り構わず進むんだ 取り敢えず頭、金髪にしてこい‼︎ 坂の多い街 車に轢かれ破裂した猫の死体 唐突にあたしに語りはじめた ふと目の前を見ると、コンクリートを突き破って無理矢理にタンポポが咲いていた。幼少時代の虐めは一生のトラウマになるんだぜ!ガキの社会はまるで世の中の縮図だな 綿毛 鴉 森のクマさん 巨大な分譲マンション 現代のジャングル ありあとやしたー 隠遁生活 おいおい、もっと執着しようぜ。生きることに。 取り敢えず頑張って生きときな ワンダーフォーゲル バイトしながら下北沢でコツコツライブやったりしてね。 思うにだな。ネクタイってのは、首輪なワケだ。 DAT3 やっぱこーゆー日に休めるのが、教師の特権よねー… あるな、作詞も作曲も演奏もぜーんぶスタジオミュージシャンだってよ。 「夢なんて手に入れたら、ただの現実だった」夢は見ている時だけが夢。目が覚めれば、そこにあるのはただの現実。そんなことわかってたつもりだったのにさ。ちょっと油断して転寝しちゃだワケさ。 素晴らしい朝だ。かつ素晴らしい目覚めだ。生まれ変わった気分だね。 白い星、黒い星 俺が彼女とセックスしてる時、アメリカでビルが崩壊した。 「はい」。自分の意志に関係なく、これが言えれば人間合格だ。決められたレールにそっているフリができれば、この社会では楽に生きていける。つーか、ホヅミ天下もそろそろ下火っつー雰囲気だよなぁ。 ノダ、おまえ、いつまでそうやってるつもりなんだ? 一生その部屋でマンガ、アニメ、ゲーム、オナニーって生活続けんの?はは、気色悪ぃ。正気じゃないね、そんなの。 他人に隙を見せる奴ってのは、生きることを甘く考えてる奴なんだよ。ノダ。俺はお前を嫌いなワケじゃないさ。ただ…強い人間と、弱い人間の、区別をはっきりさせたかったんだよ、俺は。そうやって自分の居場所を自分で作ってんだ。 もういいよ。おまえ一生部屋でシコってればいいじゃん。ホント生きるのって辛いわ。それでもやっぱ生きたがるんだよなぁ。サンデー・ピープル 35歳になって、売れない漫画家やってます、なんて言えるかっつの。中堅になってバリバリ働いてる奴らによー 今日は子供と会う日 あの子はあの子で…頑張ってるんだな。偉いよな。 いやー、そうしないと同窓会に間に合わんのさ。つーことで、今日は修羅場なんでよろしくさん。MiniGrammer 今日、あたしの中のいろいろが終わった。終わりってもんは突然に、そして淡々と起こるもんなんだなぁ。などと思いつつ… ごめん。なんか一瞬トんでた。うはは。 もうちょっと安っちいドラマみたいなことが起こったら良かったのに。(めんどくさいけど)今、彼奴が泣きながら戻ってきたらちょっと嬉しいのに。(実際、困るけど) んじゃー湯冷めする前にあたしは寝るス。明日早起きしなきゃならんのさ。 バカヤロ。ぶっ。 Untitled でもあんたが焦ってるってことは…気付いちゃったんだな。幸せもいつか必ず終わるってことをさ。でもね…終わりがあるからこそ、一日一日をもっと大切にって… あー、ごめん説教くさい?てか、アタシ涙出てきた。 桜 シロップ 飛べないデブはただのデブだぜ⁉︎ 咳止めシロップを常飲している挙動不振な困った奴 飲んでる間は3倍のスピードで動ける。シャア・ザクじゃん! やっぱ、現実ってリアルでキビシーのな。もしもの為の学歴だろ?逃げかもしれないけど。 鳥 勉強しねえ予備校生ほどタチの悪いもんはねぇよな。 俺たち劣等生にとっちゃ大学なんて単なるステータス、ファッションだろ?お前が年中ぶら下げてるそのカメラみてぇに、格好だけの中身空っぽのファッションだよ。 真っ暗闇だ‼︎ シロップ飛んだ!

  • 主人公たちは伏し目がちに、世界と距離をとり、大切な自分を守っている。守り方が上手にできない(若いので)。自信がないのと、自分のことが大切であることがすべての主人公たちに共通していてそれがテーマかもしれないが、各々のキャラクター、性格、はもう少しバリエーションがあった方が良い。結局みな同じ人間に見える。
    個人を大事にしすぎていて、どう社会にかかわり、社会との衝突を発展してドラマにできると思うのだが、そこまで発展しないまままとめた自己完結した話がある。(何かがあったとして、衝突ではなく、自己暴走になってしまっている。)

  • 被り物と体型のギャップ。

  • 再読。ワンダーフォーゲルが好き。いにおの描くメガネが好き。生きていればきっといいことがある。そんな風に思える1冊。

  • ずっと、ずっと読みたかったのになかなか読む機会がなかった本。やっと読めた~!

    すごい内容が描かれているはずなのに、それをすんなりと読めちゃうように描ける浅野先生に感心する。登場人物などがやんわりつながっていくのも面白い。
    人生の挫折感とか、若い時のうぬぼれとか。自殺しようとしたり、事故で死んじゃったり。青臭くて恥ずかしい。そんなのが「素晴らしい世界」には詰め込まれていると思う。私の人生も「素晴らしい」だろうか。

    大人になって再読したら違う視点で読めそうな気がする。また読もうと思う。

  • お気に入りの話がふたつ。
    『坂の多い街』どんな状況でも動物がしゃべるのは可愛くて面白い。カラスと少女の関係好きだ…消えてしまったのかあ…。時たま出てくるといいなあ…というか出てくるだろうけどあんなのなら私は大歓迎だ。
    『森のクマさん』かぶりものに弱い自覚はある。この女の子がめちゃくちゃ可愛い…こりゃ連れてきたくもなるわ。そしてちょうどいいかんじのラストが好み。

    『ナイスな社会人になるには、ナイスな生活からですよ』
    『ガキの社会はまるで世の中の縮図だな』
    『強気ないじめられっこのお嬢ちゃん!俺がなんなのかはもうわかってんだろ!?』
    『はは、そうきたか。ミラクルだなこりゃ。』
    『だから、お前を生かすも殺すも俺の気分次第ってワケなのな。』
    『フツー誰だって欲しいわな、金なんて。』
    『ぐえ。』
    『なんとなーくわかった。大変だね、あんたも。』
    『―で、おまえはツナマヨネーズとしそわかめ、どっちが好き?』
    『ぶっちゃけ、俺はお前じゃねえから、おまえの人生なん知らねえのさ。でもな、生きときゃ悪いこともあるが、いいことも必ずあるんだぜ。とりあえずがんばって生きときな。』
    『がおー』
    『欲しけりゃ持ってけえ!!』
    『こういう終わり方もアリだよな。』
    『いい曲だった。好きな感じの曲だった。』
    『「夢なんて手に入れたら、ただの現実だった」』
    『でも、よーく考えてみ。今の俺ってすっごく幸せなんじゃないの?』
    『問題なのはどこで生きるじゃなく、そこでどう生きるかってことなのな。』
    『早く気付いてください。早く僕たちを止めてください。』
    『幸せもいつか必ず終わるってことをさ。』
    『無理すんな。』
    『大事なのは今!!』
    『シロップ笑いながら飛んでたよ。』
    『そうなったらそうなったでかまわないし。』
    『やっぱ、そういうことね』
    『出ていきます。そしてあんたとは別れます。ありがとう、さようなら。ほんでもっておまえは死ね!』
    『勉強ができても頭の使い方が悪いヤツがたくさんいるだろ?』
    『そんな大人に合わせてやるのが子供の甲斐性ってもんじゃない?』
    『帰ってくるわよ。あのコの家はココだもん。』
    『アタシたちには時間がないんだからさ。ウダウダ理屈こねないで、サクサクやろーよ。』
    『世の中なんて最後に笑ったもん勝ちなんだからさぁ。』
    『トホホだよ。』
    『あの人テンションあがるととまんないのね。』
    『俺が、自分自身に、納得できるかってコトが問題だろ?』
    『それで十分じゃないですか……』
    『60過ぎればみんな同じよーなもんなんだから、』
    『「ああなんて素晴らしい世界だ」』
    『俺、ちょっと寝るわ。』
    『ま。きっと俺はどーにかなりますよ。』

    テポドンの想像がかっこよい…。ナイスガメ。

  • 綺麗なものも汚いものも、すべて透明に見える

  • いつもそこには在ったんだ。
    ただ見えなかっただけで、気づかなかっただけで、
    確かにそこに在る。

    日常にはいくつもの、絶望と希望が転がっている。
    それらの1つ1つは、一般的な意味があるのではなくて、
    超個人的な普遍性なのだ。

  • 他人が抱えてる悩みなんで知ったこっちゃないけど、覗いてみるとこんなんかなー、ってちょっとしたワクワクを抱く、そんな私も人間で悩みはあるけど、世界は素晴らしいよ。

  • 面白い世界観。すき。みんななあ、いろんなこと考えても生きてるんだろうなあ。心の弱い人、心の強い人。夢、仕事、恋人。いろいろ。
    短編集なんだけど、それぞれの話がちょっとずーつオーバーラップしてるんさ。その感じが心地いい。ゆるーく、なめらかーに。この現実の世界とも繋がってるように思えてくる。

  • モラトリアムな若者の話が、やっぱり浅野いにお先生っぽいと思いました。現実味のある結末が多くて、劇的に救われるわけじゃないけど、まあこんなもんで前向きにやってくしかないよな、という気持ちになります。

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著者プロフィール

1980年生まれ、漫画家。1998年、デビュー。日本の青年誌漫画を牽引してきた作家のひとり。主な作品に、『ソラニン』『おやすみプンプン』『うみべの女の子』『零落』など多数。『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』を連載中。

「2019年 『漫画家入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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