バルバラ異界 (3) (フラワーコミックス)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091670434

作品紹介・あらすじ

渡会(わたらい)の夢調査によると、青羽(あおば)の夢の中の島“バルバラ”は、100年後の地球で、火星と戦争が起きた後の世界であるらしいことがわかってきた。彼は、“バルバラ”の謎を解く鍵が火星にあると考え、キリヤと菜々実(ななみ)たちとともに遠軽へと向かう。その地で、ヨハネによく似た老人に遭遇するがーー。

感想・レビュー・書評

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  • ああ……ますます複雑になってきた。
    とりあえず、世羅ヨハネ=エズラってことでいいのかな。

  • 時夫があんまりにも子どもなので、もやもやもやもやしていましたが、今巻、もう流石にここまでやられると、まあ、もう、これはこれで、いいか……という気に。
    エズラはヨハネは青博士は一体何者なのか。キリオは果たして。

  • 読んでいて気付いたが、どの登場人物にも背景があり、主人公近辺の人物は他の人物に比べて情報量や付加価値は無論多めなのだが、主人公だけを追っていても物語全体の一部しか掴めない、と言う意味でも、これはSFでありながらも上質なミステリなんだな、と。1冊の情報量が多くて、1冊読むだけで脳みそが心地よい疲労に包まれるんだよ…

  • 2005年1月20日初版第1刷発行
    2006年1月25日第2刷発行
    7年間眠り続け、2052年に2150年の未来の夢を見る青羽、夢に入り込むプロの夢先案内人の渡会、結晶化した心臓を食べることにより記憶を引き継ぐ家系のエズラ。一族が持つ老化の病を治そうとエズラは若返りの薬を作る…
    久しぶりに読んでも興味深い内容だ。

  •  2052年、両親が殺されるという惨殺事件のあと、9年にわたって眠り続ける少女と、彼女の夢のなかにはいっていく男、そしてその息子の物語。

     「残酷な神が支配する」の後に描かれた作品で、「ああ、あれはやっぱり萩尾望都にとってターニングポイントになった作品だったんだな」と感じる。もっとも、それを具体的に説明しろといわれると困るんだがww
     ただ、きっと今までの萩尾望都なら、夢に入っていく男、トキオの息子、キリヤを主人公にしただろう。そして、ずっと彼の視点で描いていただろう。「スター・レッド」のように。
     が、これは絶対的に、トキオの物語なのだ。
     眠り続ける少女、青羽の物語だけれど(彼女の夢の中の世界、バルバラは彼女を中心に世界はなりたっている)やはり、夫として、父親として、不完全なトキオが、その不完全さをそのままに世界を愛する物語であるように感じた。

     うん、そうだ。
     キーワードは、親であり、不完全な世界、なのだ。

     それにしても、説明不足で訳わかりません、っていうギリギリのラインで保持されている世界の美しさよ。
     萩尾望都の世界が美しいのは、このあやうい中で美しいバランスを保っているからなんだと思う。

     萩尾望都が読める、今に生きてて、本当に幸せ。

  • どうも、エズラに端を発しているみたいですが、まだまだ、全体像は、見えてこない。
    本当に、次の4巻目で完結するのだろうか?

    SFは、かなりきっちりまとめてくるとは思うのですが、けっこう、投げ出して終わっちゃうかも。

    火星が、どうからんでくるのかが、1番、わからん……。

  • (2005.01.29読了)
    だいぶ謎が解けてきたようです。
    主人公は、北方キリヤと十条青羽なのでしょう。
    十条青羽は、父母が殺害されて以来ずっと眠り続けています。十条青羽は、北方キリヤの夢に現れ、火星の生命体だったころの記憶を呼び覚ます。
    「火星の生命体は、ひとつで同時に全体だった。火星の生命体はお互いに食べあうことによって相手の記憶コードを自分の中に取り入れることができ、共通の意識持つことができた。火星に海がなくなったとき、火星の生命体は、ちりとなって地球に降り注ぎ、地球の生命体に食べられ、その遺伝子の中に組み込まれていった。」
    (この話は、萩尾望都のほかの話にもあったような気がするけど、・・・)
    キリヤの母、北方明美に生きる気力を与えていた世羅ヨハネは行方不明。
    老化が進み、北海道の鶴亀センターで再生治療中の老人がヨハネらしい。
    十条青羽の祖母の十条菜々実の元夫エズラ・ストラディが世羅ヨハネと同一人物らしい。彼は、若返りの薬や火星の研究をしていたということなので、いろんな点で世羅ヨハネと符合する。
    十条菜々実も若返りの薬で、マリエンバートと名乗って、北方キリヤの父である渡会時夫と恋に落ちたこともある。
    十条菜々実や世羅ヨハネの面倒を見ているのがカーラー博士である。
    ほとんどの関係者が、北海道の十条青羽の近辺に集まった。
    再生治療により若返った世羅ヨハネが鶴亀センターからどこかへ出てゆく。
    十条青羽に集約された火星の生命体の力が、よみがえり、北方キリヤを巻き込み、周りの人たちに影響を及ぼし、火星の生命体の再生が実現するのでしょうか?
    (2007年7月9日・記)

  • 時生がかわいい。親子になりたい…普通親子ってなろうと言うよりはならざるを得ないと思うけど、ああそうか自分の意思は動かってことかな…時生はキリヤのこのキリヤの親になりたかったんだよな。

  • だんだん面白くなってきたバラバラだった駒が急速にまとまりつつある

  • 萩尾望都さんにしては、どうも画面の説明が下手というか、散漫な印象を受ける『バルバラ異界』。キーワードは面白いんだけど。この散漫さは、どちらかというと、『ゴールデンライラック』に近い雰囲気。菜々実さんの恋心とか、明美のムカツクぶっ壊れ具合とか、青羽の怖さとか、エズラの気持ち悪さ、キリヤの絶望感とかは好きなんだけど。あと、モモタロウも。

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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