海街diary 9 行ってくる (フラワーコミックス)

著者 :
  • 小学館
4.45
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本棚登録 : 1087
感想 : 102
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091670885

作品紹介・あらすじ

大ヒット☆鎌倉での四姉妹物語…ついに完結

春夏秋冬、いつもこの街にいた。いつも一緒だった。
そして―――すず、旅立ちの時…

浜田は千佳(ちか)と入籍し、エベレスト登山のために旅立った。
幸(さち)と佳乃(よしの)もそれぞれの恋が進展。
すずは中学生最後の夏が終わろうとしていることを実感する…。

すずが中学1年の夏、蝉時雨のやむ頃から始まった家族の物語、ついに完結!
すず、そして弟・和樹の“その後”を描いた番外編「通り雨のあとに」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 完結したけれど、良い意味で完結という感じがしない。それは多分描写がここまででも、四姉妹をはじめこの物語に出てくる人達が海街で生き続けているだろうなあという確信があるから(最後の番外編で時間を進めていたけど)。
    吉田さんの作品は名作バナナフィッシュみたいな現実から離れたような設定でも、その世界がきちんと成立している所、人と人との関係の恐いくらいのリアリティを感じされてくれる所がある。海街ダイアリーは多分日常に近い世界で、それだからか、それだけでもないけれど人と人との繋がりの温かさと同時にちょっとした歯車のズレでどうとでも狂っていってしまう怖さ、人生というものを感じられる漫画だった。

  • あ~読んでしまった。終わってしまった。連載スタートから12年もたったなんて、しみじみその間のことを思い返してみたりする。物語の中でも時間は流れ、四姉妹をはじめどの人もそれぞれに、引き返せない人生を生きてきたんだと感慨深い。

    お姉ちゃんたちともお別れかあ。長女体質のシャチ姉、肉食のよっちゃん、意外性のチカちゃん、みんな好きだった。脇役陣も味わい深かった。そそっかしいすずの叔母さん、にらみをきかせる大船の大叔母さん、元ヤンのテルヨシ、海猫食堂のおばさん、山猫亭の福田さん…、あげていけばキリがない。

    いいことばっかりあるわけではないように、いい人ばっかりいるわけでもない。三姉妹のお母さんとか陽子さんとか、この人たちはどこまでいっても大人になれないんだなあと思う。「ダメだったかもしれないけれど 幸せになろうと一生けんめいな人たちだった」と言える幸はエライ! すずに「夫婦の間のことは子どもにはどうすることもできない」と言い聞かせたこともあったなあ。やっぱり幸が作者の分身なのかも。

    長らくご無沙汰だったナースのアライさんが最後の最後に登場して、相変わらず怒られてるのには笑った。結局顔を見せてはくれなかったけど、この人も忘れがたい。顔を見せないと言えば、番外篇のすずちゃん。どんな大人になっているんだろう。三部作の最後となる作品にも登場するんだろうか。次作が楽しみだ。

  •  これが最終巻です。第1巻から楽しみに買っていました。映画化されると聞いたときは、やめてくれと思いました。でも、監督するなら是枝裕和監督ならいいかなと思っていたら、そうなりました。そして海街の世界を壊さず、是枝監督らしい映画になっていました。広瀬すずという女優を発見しただけでもすばらしい映画。梅酒のエピソードもしっかり入っていて良かった。コロナも落ち着いたので、初夏には鎌倉にロケ地巡りしたいですね。

  • 「細雪」みたいに、長く長く続く四姉妹の話かと思っていた。そう思った途端に終わってしまった。永遠に続く物語というのは無いんですね。

    「人の幸不幸は、本人にしかわからへん」(73p)

    「あーウマ。腹がへって、めしが食えるって、すげーことだ。幸せって、コレでいいんだよな。生きてるって、それだけで超ラッキーだ」(113p)

    「お姉ちゃんも、もうどこにも行けるでしょ」
    「は?」
    「『うちでいっしょに暮らさない?』あの時すずにそう言った時から、責任があるって、思ってたんでしょ?もうすずは大丈夫よ。子育て終了!婚活上等よ」(156p)

    あゝもう一度、広瀬すずが浅野すずになって、スクリーンに帰って来て欲しい。

  • 万感胸に迫る最終巻だった。この作品から受け取った、静かで温かな感動を、的確に表せる言葉がなかなか見つからない。
    どのキャラクターも本当に魅力的で、こんなにもそれぞれの人物に愛着がわき、皆の幸せを願いたくなることなんてなかなかない。私の中で、本当に大切な作品となった。
    スピンオフ「通り雨のあとに」も素晴らしい出来。容赦なくシビアな現実を描きながらも、その後のあれこれをこんな風に表現するとは…ある程度は読者の想像に任せてくれるところがニクいなぁと思った。
    またいつかどこかで会えますように。その日を心待ちにしながら、じっくり再読したいと思います。鎌倉にも行きたいなぁ。

  • 「行ってきます」はいつか「逝ってきます」になるんだけど、それは悲しいばかりじゃないよね。〈大人の仕事〉をしていれば、別れはネガティブなばかりではないんだってことを教わりました。
    4姉妹の人生は続く。続くかぎり人は大人になって行くんだ。小さなコミュニティ内で完成されているような人間関係にご都合よさはあるものの、すずの元継母や姉たちの母という大人になれない大人を登場させ最後まで改心させず、厳しさをしっかり描いたのがすごいことだと思うのですよ。

  • 終わってしまわれた…

  • あ~ 帯に「完結!」と書いてあるので、なんだかすぐに読み始められなかった。大好きな小説は、早く先を読みたいけれど、物語が終わってしまうのが嫌でぐずぐずと先延ばしにしてしまうこともある。この海街diaryも、私にとっては終わってほしくない物語の一つでした。
    いつかまた1巻から読み直すまで、しばしのお別れかな。

  • 母と父が出て行ってしまった、ある三姉妹と異母妹のお話。(主人公は異母妹っぽい。)
    吉田秋生先生は「BANANA FISH」とか「吉祥天女」とかのイメージしかなかったので最初は戸惑ったんだけど、読み進めていくと世の中綺麗ごとだけじゃないって言うのがところどころ詰まっていてそこまでドロドロしてないのに吉田先生っぽいなって妙に納得してあっという間に読み進めてしまいました。鎌倉3部作の第二部との事なので近いうちに他のも読んでみようかと思います。

  • 詩歌川百景がこの本の番外編からの続きだと知って、読み直した。やっぱりいい。

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著者プロフィール

同姓同名あり。

1. 吉田秋生 (よしだ あきみ)
1956年、東京都渋谷区生まれの女性漫画家。武蔵野美術大学卒業。1977年「ちょっと不思議な下宿人」でデビュー。1983年、「河よりも長くゆるやかに」及び「吉祥天女」で第29回小学館漫画賞を、2001年に「YASHA-夜叉-」で第47回小学館漫画賞をそれぞれ受賞。その他代表作に、「BANANA FISH」。
代表作のメディア化が多く、「吉祥天女」は2006年TVドラマ化、2007年に映画化された。「海街diary」は2015年に映画化されている。2018年には「BANANA FISH」がTVアニメ化された。

2.吉田 秋生(よしだ あきお)
1951年生まれのテレビドラマ演出家。学習院大学法学部卒業。

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