萩尾望都作品集 (〔第2期〕-17) AーA′ (プチコミックス)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091780379

感想・レビュー・書評

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  • 名作読み直し週間。
    昔、小学館から出た著者の《第Ⅱ期作品集》より。
    タイトルの読みは「エー・エーダッシュ」。
    収録作は、

     ①A-A´
     ②4/4~カトルカース
     ③X+Y

    で、惑星探査・開発のコンピュータ技師となるべく
    人工的に生み出された、感情を持たない、
    故にミスを犯さないとされる「一角獣種」の物語。
    ①は最前線でエンジニアAが事故死すると地球でクローン体、
    すなわちAのパーソナルデータ収録時の年齢・記憶状態の
    A´が目覚めさせられ、現場に派遣されることによって起こる
    軋轢、感情の摩擦を描く。
    ②は一角獣種の個体数が激減した時代の木星衛星での
    ボーイ・ミーツ・ガール物語なのだが、
    これは悲恋に終わる。
    ③は②の数年後、
    少年だった主人公モリが大学生になってからの火星での話。
    XとYは性染色体のこと。
    惑星開発研究室のメンバーで一角獣種の血を引くタクトが
    モリと出逢い、共鳴を起こすのだが、
    今、読み返すと、
    性別の自己決定権の話をしているようにも受け取れる。

    ともあれ、感情は無駄ではない。
    非合理的でも非生産的でも、
    喜怒哀楽がなければ人生に彩りはないのだ。

  • この前、萩尾望都SF展に行って、素敵だなぁと思ったので借りてきました。一言で感想を言うと
    美しい。美しすぎます。
    まず画がステキ。なんですか、ノルスタジックな感じがもうたまらない。
    お話もロマンチックで、全体的に、一角獣という感情を持たない人間の変異種がテーマになっていますが、この一角獣たちの柳に風感(っていうのかな?)がお話の良さを引き出して。
    お話に見惚れちゃって、読んだあとは暫く余韻で立ち直れませんでした、、、笑

  • 「A -A′」「4/4カルトカース」「X +Y 」を収録。やっぱりSFがいいな~と思いました。「4/4」と「X +Y 」が続いているのが素敵でした。

  • 萩尾望都が漫画で行った業績というのはもっともっと評価されてしかるべきだと思う。少女マンガがチープなラブロマンスばかりだったころから、スケールの大きい、深い物語を描いている。
    本書も愛し合う心やすれ違う心をSFだからこそできる設定で描く。
    独特の詩情はだれにもまねできない。
    一角獣種を描く3作、とれも素晴らしい。
    雑誌に発表されたとき読んだ興奮がよみがえってきた。

  • A-A’ / 4/4カトルカース / X+Y 前編 / X+Y 後編

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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