櫻狩り (上) (フラワーコミックススペシャル)

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  • 小学館
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091790262

感想・レビュー・書評

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  • 時代は大正。人の業や欲が絡まり渦巻くドロドロ耽美な物語。
    人を狂わせる程の美しさって不幸だなあ、、はじめは蒼磨のことただの鬼畜な男だと思っていたけれど、、少年時代の彼が不憫すぎる、、
    そして健やかに見える正崇も実は暗い過去があり、ずっと心に影を抱えていた。

    最後の最後まで新たな真実、怒涛の展開。
    2人はどうなるのか?結婚は?そもそも生きてる???と色々気になる終わり方だし、必ずしも“ハッピーエンド”というかたちではないけれど、少なくとも2人の心が救われたことは、本当に良かった。
    特に最後の2人が抱き合うシーンは結構長く描かれているけれど、いやらしいという印象より、傷付いた魂が癒されていく様を見てるようで泣ける。
    今まで色々なことがあったけれど、まさかこんな2人が見られるとは、、

    全体的に重くて闇深い。なかなか濃厚かつ過激なシーンもあるけれど、どんどん引き込まれて、読み進めずにはいられない。一気読みしたし、読み返す度に、またそれぞれの心情が見えてきて構想10余年、というのも納得の緻密さ。

    余談だけどこれ「ふしぎ遊戯」描いた人と同じと知って驚き!幅が広い、すごいです、、

  • 「ふしぎ遊戯」の少女漫画を基本に描いている人がどんな風に描いているのか気になって手に取りました。
    読了後展開に衝撃を受けて、落ち着いて再読した事を覚えています。
    蒼磨と正嵩の始めは主従から始まった関係が段々と
    互いに想い合う様に2人共共に惹かれあっていきます。

  • 漫画を好きな人が漫画を描くのがうまいっておそろしいことだな

  • 「桜の下には死体が埋まっている」という言葉がとても似合う。

  • 蒼磨様が美しく、正嵩が可愛い!世界観に引き込まれます。

  • これは男色が世界観の中心にあるだけで、世間でBLと称されるものではありません。
    幼いころからその美しさゆえに周囲の貪欲な大人の欲望・執着の対象とされ、蝕まれてきた者が、自らが愛し求める者に出会えたとき、愛し方がわからずに歪んだ愛の形を押し付けることしかできない。
    そんな愛に詰め寄られ、恐れ傷ついた側は、自らも決して清浄ではないことを認め、歪んだ愛の裏に隠されている傷を理解し、許し、受け入れを学んでいく。

    心理学的には突っ込みどころはあるかもしれないし、そういう意味での現実感はないが、物語としての世界観は耽美な陶酔を読者に与えてくれる、稀なるすばらしい作品だと思います。

    また、絵柄も美しく、「静けさが聞こえてくる」かのよう。こういう雰囲気大好きです。

  • 男同士の同性愛は漫画で読むのはそんなに好きではないけれど
    この漫画のはそれが「必要不可欠」な要素に感じられる

    愛の行く末は全部悲劇になってしまうそんな感じが
    男同士だからこそで感じられる

    この先もこのまま悲劇のままなのかなにか希望が見いだせるのか

    最終巻まで全て読んで。
    あとがきでも描かれてあったけど、この時代、男性同士がそんなに
    珍しい(という描き方でいいのかわからないけど)ことでもなく
    男尊女卑の時代だからこそ、といういろんな時代背景まで考えられて作られたんだと。

    男同士だからこそ、受け入れがたかった。
    だけど、男同士でなければここまでわかり合えなかったのかもしれない。

    複雑な家族関係や時代、そして感情。
    無理なく、自然に泣いた。

    BLが無理な方でも読めるかも(嫌悪感がある方には無理かな?)
    BLはそんなに好んで読む方ではないけれど、この作品は大好き。

  • 渡瀬さんが描いてるというのに期待して読んだら、流石…こういうのも描けるんだな~凄い愛憎劇だった。ふしぎ遊戯の頃よりもまた一段と力付けてますね!
    いつか続き出るといいな。

    • みなみさん
      こういうドロドロしたの、まさかこの人の絵で見るとは思わなかったので、最初カルチャーショックが先に来たw まぁでも結局全員かわいそうな人ってい...
      こういうドロドロしたの、まさかこの人の絵で見るとは思わなかったので、最初カルチャーショックが先に来たw まぁでも結局全員かわいそうな人っていう図式。主人公が一番男前だた!^∀^
      2010/09/22
    • Sさん
      でもいつも描いてるのもどろどろしてないか? あやしのセレス(うろ)とか相当凄かった気が。BL描くのは確かにカルチャーショックだったけどもw ...
      でもいつも描いてるのもどろどろしてないか? あやしのセレス(うろ)とか相当凄かった気が。BL描くのは確かにカルチャーショックだったけどもw 男前主人公にすらかわいそうな過去あるもんね!
      2010/09/22
  • まさかの「ふしぎ遊戯」作者がボーイズラブ…!!??
    手に取るきっかけだった。

    いざ読み始めると、今まで読んだ中でも特に丁寧な描写が目をひいた。
    進めていくうちに、ああこれはボーイズラブではないなと思った。
    たまたま男に想いが芽生えただけの人間ドラマだと感じた。

  • 僕を殺して呉れないか________


    目新しい設定でもないのですが、物語のキャラ達が本当に
    自分自身の意思を持ち、迷い悔やみ絶望し、翻弄されながらも
    必死に生きているという気がとてもする。
    最後は手放しのハッピーエンドでもなく、バッドエンドでもなく、
    お互いの人生の中で、道が交わり出逢い、関係を紡ぎ心に遺した
    まま、また互いに違う道を歩むというのも確固とした意思を持つ
    キャラクターだからこそだと思う。
    続編・解説本を切実に希望。

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