阿房列車 1号 (IKKI COMIX)

  • 小学館
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感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091790361

作品紹介・あらすじ

「なんにも用事がないけれど、汽車に乗って大阪へ行ってこようと思う」鉄道紀行文の古典であり、何よりも「列車に乗る」ことを第一とした点では最高の作品とも云われる内田百〓(けん)の名作を漫画化。当時の列車、駅、景色、百〓(けん)先生とヒマラヤ山系君を、一條裕子が活き活きと描き出す。

感想・レビュー・書評

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  •  細かいところまで、原作を忠実に再現してあります。それでいて、私が原作ではよく分からなかったシーン、例えば、売り切れの一等車が電話一本で2枚とれる、阿房記念に硬券を持って帰る、のところは図で書いてあるので理解できました。
     ヒマラヤ山系さんは、実物は知りませんが、マンガでは私のイメージ通りの人でした。

  • 乗ってそして帰ってくるのが目的の電車旅行記。
    旅行というか移動というか、、、。そのためにお金を借りて、従者を付けたりしてる。
    妙な顔つきの主人公も文章に合っていてとてもときめく。
    私が電車を好きな理由は、乗るだけで勝手にどこかしらに連れて行ってくれることと、窓が大きくて外が見えて、そしてその風景がどんどん変わるのを見見られるところ。
    最強なのは、ガラガラの電車にゆったり座って外を見続けることですよなあ
    なんと楽しいことか、、、、!!!
    いつの間にか寝るのもよい。
    電車に乗りたくなりますなー

  • 『阿房列車』はひねくれ者百閒先生のかわいらしさが豪華絢爛な文章で綴られているギャップに魅力があるのですけれど、それは例えば内村プロデュースを映画館の大画面で観るようなもので、若干の気疲れがあるのも否めません。次々に繰り出される博学能文の屁理屈から一度目を離してしまうと、
    今までどこを読んでいたのか見失ってしまうこともしばしば。そこでコミカライズです。絵がつけば場面の移り変わりがわかりいい。場面さえ分かれば、あとはどのような屁理屈をこねているかを思う存分楽しめる。なるほど、これは適切な手段だ、と思ったのですが、中身を読んで想像以上の出来にびっくりしました。一條裕子さんの絵が、本当にぴったりなのです。これはすごい。細部に光るコマ割りや繰り返しを用いた小ネタの数々。愛読書になりそうです。

  • 一條裕子に絵を描かせるって思いついた時点でこの本、勝ち、だと思う。
    がんこだけどおちゃめなおっさん描かせたらすごい。
    ヒマラヤ山系の茫洋ぶりと、掛け合いの変な間が絶妙に上手い。

  •  内田百閒の『阿房列車』を一條裕子が(かなり忠実に!)漫画化。「絵にするとこういうことになるのか」と笑ったり、しんみりしたり。百閒先生が可愛らしいおじいちゃんになっています。『ノラや』も一條さんに描いて欲しいなぁ。

  • うわ!そうそうこれこれ!原作読んでる時の私の頭の中を完全再現!まさにこれが阿房列車!という、説得力があります。小説だけを読んでいたときのことはもうあんまり思い出せません。この漫画を読んでしまった今、これこそが私の中の阿房列車です。もういっそ、コミカライズされたものという印象も薄いほどに。

    間違いなく内田百閒の阿房列車でありながら、確実に一條裕子の漫画なのがたのしい。化学反応してる!

  • 内田百閒の「阿房列車」をご紹介しましたが、その「まんが版」がありました。
    漫画家は一條裕子さん。
    現在、1号と2号があるようです。
    百閒先生とヒマラヤ山系君の列車旅を、原作に忠実に漫画化してあります。
    とは言え、漫画ですから、独特の間があって、また面白いです。
    例によって「なんにも用はないけれど汽車に乗って大阪へ行って来ようと・・」特急「はと」で出かける「特別阿房列車」から始まります。

  • チョイヒネクレオヤジな百閒先生とつかみどころのない山系君、その他登場人物たちがとにかくかわいい!

    オール手書きな絵柄に風情がある。

    漫画化が成功した作品だと思う。

  • 内田百間の紀行文『阿房列車』のシリーズをマンガにしたもの。
    つまりは列車での旅の描写なのですが、これが面白いのです。

    「用事がないと云う、そのいい境涯は、向こうへ着いたら着きっぱなしと云うわけには行かないので、必ず帰ってこなければならないから、片道しか味わえない。」とかいうわけの分からない理屈に妙に納得しつつ、その列車の旅が進んでいきます。

    珍しい大謀網という漁法を見せると云われて、「今さら見聞を広めたりしては阿房列車の標識に背くことになるので、まあやめておこう」などという具合に、気ままかつへんてこりんな旅です。

    これを読めば、すっかり拍子抜けして、気負った毎日がばからしくなること請け合いです。

  • まだ、テツが一般的ではなかった、戦後間もない時代のテツである、内田百?の随筆を元にコミック化。
    百?先生の旅は、ひねくれてはいるもの、排他的ではなく、ヒューマニズムに溢れていてあたたかい。
    鉄道ファンであろうが、鉄道ファンでなかろうが、おもしろく読める。

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