- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091791276
作品紹介・あらすじ
浜田廣介の「泣いた赤鬼」に浦沢直樹が挑む
いつの時代かどこの場所か、村人たちとどうしても仲良くなりたい気のいい赤鬼。だが村人は赤鬼のやさしさがわからず、怖がって逃げまわるばかり。孤独と寂しさに耐えきれなくなった赤鬼は、悩みに悩んだ末、親友の青鬼に相談する。かしこい青鬼は赤鬼のために起死回生の策を授け、計略はまんまと成功。赤鬼は村人たちを自宅に招待し、みんなと心を通わせる。だがその幸せも束の間、赤鬼に思わぬ、そしてあまりにもほろ苦い結末が訪れる……。誰もが知っている浜田廣介の不朽の名作「泣いた赤鬼」に、浦沢直樹が40数点のカラ―挿絵をていねいに描き下ろした。漫画家ならではの、登場人物たちの喜怒哀楽の表情やユーモラスな動き、情感あふれる美しい風景、既存の絵本にはない奇抜であっと驚く世界観――特に、物語の最後に登場する青鬼のさわやかな笑顔、赤鬼の涙する表情は必見! 目頭が熱くなること必至! 子どもたちのみならず、誰にでも手に取ってほしい新しい絵本が誕生した。なお、2011年冬公開の注目映画「friends もののけ島のナキ」は、この「泣いた赤鬼」が原案本。こんなご時世だからこそ、赤鬼の涙に涙するブーム到来か……!?
【編集担当からのおすすめ情報】
「泣いた赤鬼」は小さい頃から読んでいて、とてもよく知っているはずなのに、浦沢直樹さんの描いた挿絵を見ていて、なぜか新しい絵本を読んだような感覚におそわれました。斬新な世界観や、鬼や村人の豊かな表情、雄大な風景画に、これまでの赤鬼にない発見や感動が必ずあるはず。ぜひぜひ親子で読んでいただきたい一冊です。
感想・レビュー・書評
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Eテレかなにかて見たことはあったものの、絵本では見た事がなかったようだ。大人になってから読むと、赤鬼も青鬼も優しすぎて。
偏見が人を弱くするという側面。文字も大切だけど行動や振る舞いも大切。本当の優しさは目に見えない場合が多い。複雑な内面の動きが、自分の周りには溢れているなと感じた。本当なら赤鬼も青鬼も一緒にみんなと仲良く出来たら1番いい。今の世界情勢にも関わってくることだと感じた。みんな一緒に仲良くできる世の中にしたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
昨年の雑誌を見ていたら2月号に泣いた赤鬼 の記事が載っていた
ふと思い立ち 本を借りて読んでみる
子供の頃から何度となく読んだ本である内容もよく覚えている
改めて読んでみて自分の記憶と違わないようであった
初めて読んだのは小学生の頃
もう少し大きくなってから読んだ時に結末で涙をながした
なぜかなしかったのだろう
友達がいなくなってしまった悲しみなのか
そのときの記憶は もはやない
今思うことは
自分を助けてくれた 青鬼の信頼に応えることができなかった
それが悲しいのだ
青鬼の行為は友達を助けるというほどこしの愛だった
赤おにの 自分を信頼してくれた友に答えられなかったという無常感が悲しいのだ
日本人の愛のかたちだと思う -
素晴らしい!ラストのページ割りが最高
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切ない。結果として赤鬼は青鬼と疎遠になる(失う、は言い過ぎな気がする)が、赤鬼のとった行動が間違っていたわけではない、という点が難しい。つまり、赤鬼が青鬼と疎遠になったのは自業自得だね、と言い切れないということだ。赤鬼の「人間と仲良くなりたい」という気持ちは素敵だし、それを実現するために青鬼を退治する演技をしたことに対して、「もっと上手くやればよかった」「(青鬼と疎遠になるという)後先のことを考えず、青鬼の策略に乗ったのが愚かだ」と赤鬼を責めることはできない。赤鬼はひとつも悪いことをしていないのだ。
赤鬼は最後なぜ泣いたのか。親友の青鬼に会えなくなったことに泣いたのか。いや、違う。親友の青鬼が、「仲良くしていると赤鬼自身がまた人間から疑いの目をかけられる」と考え、自分から距離を置き、赤鬼が人間と幸せに暮らせるような状態にした。そこまで自分のことを思ってくれる親友の青鬼に、赤鬼は涙したのだと思う。
何かを手に入れるには、何かを失わないといけない。作中で青鬼が発言した次の言葉が、まさに本作が伝えたかったことのように思えてならない。「なにか、ひとつの、めぼしいことをやりとげるには、きっと、どこかで、いたい思いか、損をしなくちゃならないさ。だれかが、ぎせいに、身がわりに、なるのでなくちゃ、できないさ。」 -
どく
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泣いた赤鬼を子供に読ませたくなり、絵が浦沢直樹とのことで期待しこちらをえらんだ。古いためか文章(日本語)がいまいち読みづらく子供(幼児)向きではない気もする。絵本にしては長めで細かな描写も多く、挿絵も派手なので読みごたえある。絵が現代風で言葉は古いのでややちぐはぐに感じてしまう。泣いた赤鬼のストーリー自体はやはり名作でアニメなどで見てもぐっとくる切なさ。考えさせられる。ふつうに浦沢直樹が漫画で描いたらよさそう。
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読み聞かせ。18分。人間と仲良くなりたい赤鬼のために、人間を襲う芝居を打つ青鬼。作戦は成功するが、青鬼は赤鬼のために姿を消し、赤鬼は泣く。
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「怖い鬼」とはかけ離れた目頭が熱くなる作品です。<16k029>