泣いた赤鬼 (絵本)

著者 :
  • 小学館
4.39
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本棚登録 : 290
感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091791276

作品紹介・あらすじ

浜田廣介の「泣いた赤鬼」に浦沢直樹が挑む

いつの時代かどこの場所か、村人たちとどうしても仲良くなりたい気のいい赤鬼。だが村人は赤鬼のやさしさがわからず、怖がって逃げまわるばかり。孤独と寂しさに耐えきれなくなった赤鬼は、悩みに悩んだ末、親友の青鬼に相談する。かしこい青鬼は赤鬼のために起死回生の策を授け、計略はまんまと成功。赤鬼は村人たちを自宅に招待し、みんなと心を通わせる。だがその幸せも束の間、赤鬼に思わぬ、そしてあまりにもほろ苦い結末が訪れる……。誰もが知っている浜田廣介の不朽の名作「泣いた赤鬼」に、浦沢直樹が40数点のカラ―挿絵をていねいに描き下ろした。漫画家ならではの、登場人物たちの喜怒哀楽の表情やユーモラスな動き、情感あふれる美しい風景、既存の絵本にはない奇抜であっと驚く世界観――特に、物語の最後に登場する青鬼のさわやかな笑顔、赤鬼の涙する表情は必見! 目頭が熱くなること必至! 子どもたちのみならず、誰にでも手に取ってほしい新しい絵本が誕生した。なお、2011年冬公開の注目映画「friends もののけ島のナキ」は、この「泣いた赤鬼」が原案本。こんなご時世だからこそ、赤鬼の涙に涙するブーム到来か……!?

【編集担当からのおすすめ情報】
「泣いた赤鬼」は小さい頃から読んでいて、とてもよく知っているはずなのに、浦沢直樹さんの描いた挿絵を見ていて、なぜか新しい絵本を読んだような感覚におそわれました。斬新な世界観や、鬼や村人の豊かな表情、雄大な風景画に、これまでの赤鬼にない発見や感動が必ずあるはず。ぜひぜひ親子で読んでいただきたい一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • Eテレかなにかて見たことはあったものの、絵本では見た事がなかったようだ。大人になってから読むと、赤鬼も青鬼も優しすぎて。
    偏見が人を弱くするという側面。文字も大切だけど行動や振る舞いも大切。本当の優しさは目に見えない場合が多い。複雑な内面の動きが、自分の周りには溢れているなと感じた。本当なら赤鬼も青鬼も一緒にみんなと仲良く出来たら1番いい。今の世界情勢にも関わってくることだと感じた。みんな一緒に仲良くできる世の中にしたい。

  • 昨年の雑誌を見ていたら2月号に泣いた赤鬼 の記事が載っていた
    ふと思い立ち 本を借りて読んでみる
    子供の頃から何度となく読んだ本である内容もよく覚えている
    改めて読んでみて自分の記憶と違わないようであった

    初めて読んだのは小学生の頃
    もう少し大きくなってから読んだ時に結末で涙をながした
    なぜかなしかったのだろう
    友達がいなくなってしまった悲しみなのか
    そのときの記憶は もはやない

    今思うことは
    自分を助けてくれた 青鬼の信頼に応えることができなかった
    それが悲しいのだ
    青鬼の行為は友達を助けるというほどこしの愛だった
    赤おにの 自分を信頼してくれた友に答えられなかったという無常感が悲しいのだ
    日本人の愛のかたちだと思う

  • 浜田廣介の不朽の名作「泣いた赤鬼」
    表紙の赤鬼の顔で、
    すぐにマンガ家の浦沢直樹の絵だとわかったので手に取った。

    「泣いた赤鬼」は、
    今までも何度も読んで泣いたことのある友情のお話。

    今回も立ち読みで泣いた。

    赤鬼は自分はやさしい鬼だとわかってもらって、
    村人たちと仲良くなりたい。
    でもなかなかわかってもらえなかった。
    青鬼の考えで、
    悪者青鬼を赤鬼がやっつけるという芝居をうつ。
    村人たちは赤鬼がいい鬼だと信じて、赤鬼の家を訪れるようになる。

    浦沢直樹の絵で、新しく感じたことがある。
    赤鬼はやさしくて気がいい鬼だと思うのだけど、
    短気なところがあったりするし、
    赤鬼の家の様子やおもてなしの仕方をみていると、
    機嫌がいい時はいいけれど、怒ったらこわいだろうなと思った。
    人間に対していいイメージを持ちすぎている感じがするのが気になった。

    表紙の赤鬼の顔を見てもらってもわかると思う。
    ぜったいに怒らないやさしい面持ちはしていない。
    怒った顔が想像できる。

    それにくらべて、青鬼が怒る顔は想像できない。
    こんなやさしい人(鬼)はいないんじゃないのかと思うくらいだ。
    青鬼の顔を見ているとあたたかいものを感じる。
    ぜったいに腹を立てても冷静さを保てる大人にちがいない。

    自分と一緒にいるところを見られたら、
    村人が不審がるからと赤鬼の前から姿を消した青鬼。

    人間が簡単に行けそうにない地に青鬼は住んでいる。
    旅立たなくてもいい気はするのに、旅立った。
    青鬼はいろんな思いを抱えて、旅に出たかったのではないだろうか。

    泣いた。
    赤鬼と一緒に泣いた。

    赤鬼はやっと一番大事な友だちは青鬼と気付いた。
    自分のことで精一杯で、大切な人を大切にできなかった。
    この悲しみを知って、赤鬼は成長するだろう。

    それでも赤鬼と村人が、ずっとなかよくしていけるのか心配が残った。
    短気はなかなかなおらないから。

  • 素晴らしい!ラストのページ割りが最高

  • 切ない。結果として赤鬼は青鬼と疎遠になる(失う、は言い過ぎな気がする)が、赤鬼のとった行動が間違っていたわけではない、という点が難しい。つまり、赤鬼が青鬼と疎遠になったのは自業自得だね、と言い切れないということだ。赤鬼の「人間と仲良くなりたい」という気持ちは素敵だし、それを実現するために青鬼を退治する演技をしたことに対して、「もっと上手くやればよかった」「(青鬼と疎遠になるという)後先のことを考えず、青鬼の策略に乗ったのが愚かだ」と赤鬼を責めることはできない。赤鬼はひとつも悪いことをしていないのだ。
    赤鬼は最後なぜ泣いたのか。親友の青鬼に会えなくなったことに泣いたのか。いや、違う。親友の青鬼が、「仲良くしていると赤鬼自身がまた人間から疑いの目をかけられる」と考え、自分から距離を置き、赤鬼が人間と幸せに暮らせるような状態にした。そこまで自分のことを思ってくれる親友の青鬼に、赤鬼は涙したのだと思う。
    何かを手に入れるには、何かを失わないといけない。作中で青鬼が発言した次の言葉が、まさに本作が伝えたかったことのように思えてならない。「なにか、ひとつの、めぼしいことをやりとげるには、きっと、どこかで、いたい思いか、損をしなくちゃならないさ。だれかが、ぎせいに、身がわりに、なるのでなくちゃ、できないさ。」

  • どく

  • 泣いた赤鬼を子供に読ませたくなり、絵が浦沢直樹とのことで期待しこちらをえらんだ。古いためか文章(日本語)がいまいち読みづらく子供(幼児)向きではない気もする。絵本にしては長めで細かな描写も多く、挿絵も派手なので読みごたえある。絵が現代風で言葉は古いのでややちぐはぐに感じてしまう。泣いた赤鬼のストーリー自体はやはり名作でアニメなどで見てもぐっとくる切なさ。考えさせられる。ふつうに浦沢直樹が漫画で描いたらよさそう。

  • 読み聞かせ。18分。人間と仲良くなりたい赤鬼のために、人間を襲う芝居を打つ青鬼。作戦は成功するが、青鬼は赤鬼のために姿を消し、赤鬼は泣く。

  • 「怖い鬼」とはかけ離れた目頭が熱くなる作品です。<16k029>

  • 浦沢直樹さんが好きなのでチョイス。絵本というか漫画です。
    久しぶりに読みましたが,最後泣けました。

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著者プロフィール

1983年、山形県高畑町に生まれる。童話作家として50余年の間に、約1000編もの童話や童謡を世に残し、「日本のアンデルセン」とも呼ばれている。代表的な作品に『りゅうの目のなみだ』『よぶこどり』『むく鳥のゆめ』などがある。1973年、80歳でなくなる。

「2013年 『講談社の名作絵本 ないたあかおに』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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