MONSTER完全版 volume.9 (ビッグコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
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レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・マンガ (444ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091818096

感想・レビュー・書評

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  • 本当の闇も本当の恐怖も、人間の中に生まれ
    人間の中で育ち、人から人へと際限なく膨らみ、広がる。

    本当の終わりの景色と夢から醒めるかいぶつ。
    最後の瞬間に魂の救済が訪れるグリマー。

    幸せと悲しみは表裏一体で感情は思うよりも
    単純で、複雑で、混沌とした世界を象るのはいつも
    形のないものだけに迷いは消えず、
    脆く愚かな人類はいつの時も間違えてしまう。

    すべてのことは1つの環であるがために
    常に表と裏があり、美しく循環することは難しい。
    赦すこと。赦されること。
    愛情ゆえに苦しみ、愛情ゆえに満たされる。

    人間の喜びと悲しみ、光と影、愛しさと憎しみ。
    すべては同じ感情に辿り着き、すべての人に等しく
    愛も罪も存在する。

    怪物は特異なものでなく、誰もがなりうる
    悲しい結末だということを忘れずに光を見つめたい。

  • 人は何を信じ、信じようとするのか?人は何ものにもなれる。悪魔にも天使にも。
    東西冷戦時代、ベルリン崩壊と歴史背景の闇を汲みながらも行われた人体実験に翻弄された双子に絡まる複雑怪奇に錯綜する思惑、人の善悪、交差する憎悪と愛情を交え炙り出す人間の本性を傑出したサスペンス仕立てにしながら多層的に連なり重なる多様なドラマが人間性を抉り出し、問う一本筋の通った一大スペクタクルな物語は今後も色褪せる事のない作品であろうと感じさせる。
    終わりのワンシーンは示唆に富んでおり様々な解釈がある。その答えは読者に委ねられ、託される。投げ掛けられる問いにあなたはどちらを信じますか?っと…。憎いね〜

  • 久しぶりに読み返した。サスペンスの名作。犯罪者をたくみに操り、過去を知る人を次々と殺害する青年ヨハン。話術で追い込んで自殺させたり、殺し合いをさせたり、こんな人間居たらホントに「怪物」。そんなストーリーもいいけどやっぱり浦沢直樹は読み手を引き込む演出が上手。当時は飽食気味だった終盤も、通して読んだら割りとすんなり。サスペンス映画好きは読んでおきましょう。56

  • エンジニアであれば、劣悪なコードに出会った時にリファクタリングかフルスクラッチで書き直すか悩んだことが1度はあるだろう。

    本書は、一度はリファクタリングでプロジェクトを死の淵から救った若きエンジニアが、実は既存のコードを捨ててしまうべきだったと気づき、もがき苦しむ様を、若き医者というメタファーを用いて表現した物語である。

    本書に度々出てくる "名前のない怪物" とは、 匿名クラス/無名関数のことである。その強力さに魅了されたエンジニアは、ついついそれを乱用してしまい、結果としてテストのしづらいスパゲッティコードが生成されてしまう。
    「僕の中の怪物がこんなに大きくなったよ!」とは、よく表現したものである。

    なお、印象的な最終ページは、スパゲッティコードとなってしまった怪物が、"空飛ぶスパゲッティモンスター神" として新世界を創造されたことを示唆している。それは「何にだってなれるんだよ。...だから、怪物なんかになっちゃいけない...」という言葉からも明らかである。

  • プラハ、チェコなどを舞台とした作品です。

  •  天才脳外科医テンマが助けた少年は「悪魔」だった・・・。予測できないストーリー展開で、佳作揃いの浦沢作品の中でもベスト3に入るでしょう(一番好きなのはマスター・キートンですが)。完全版で少しずつ通して読んでみました。途中で亡くなってしまう人と、最後まで生き残る人と、明暗がくっきりと分かれて何とも言えない思いがしましたが、決して後味の悪い読後感ではありませんでした。なお、第9回手塚治虫文化賞(マンガ大賞)を受賞した『PLUTO』がつい先日完結しましたが、この『MONSTER』も第3回手塚治虫文化賞(マンガ大賞)を受賞しています。

  • ※漫画は最終巻のみup。

  • 意外と少ない巻数で完結しました。

  • 病院内での白い巨塔(権力闘争)、猟奇殺人、医療倫理、幼児虐待、東西冷戦構造…。重いテーマと重いミステリーを絡めに絡めた、深い深い物語。これぞまさに大人の知的好奇心をくすぐる漫画と言えるのではないでしょうか。緻密な構成と格好良すぎの一話一話の終わりかたに、改めて全18巻を読み返すたびに唸らされます。

    物語に直接は関係ないけれども、グリマーさんの一言「夜のプラハの街って、まるで、おとぎの国みたいだ」が、やたらと印象的です。

  • ヨハンの行方が気になる

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