手塚治虫の収穫 陽だまりの樹〔全6巻〕 (2) (ビッグコミックススペシャル 手塚治虫の収穫)
- 小学館 (2008年9月30日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (419ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091820693
作品紹介・あらすじ
▼第12章/抜擢▼第13章/除痘館▼第14章/男子の本懐▼第15章/下田の夏▼第16章/薄芒野(すすきの)の決闘▼第17章/唐人お吉▼第18章/韮山(にらやま)紀行▼第19章/千鳥ヶ淵の対決▼第20章/万二郎よろめく
●主な登場人物/伊武谷万二郎(江戸・小石川に住む26歳の府中藩士。不器用な性格だが剣の腕は高い)、手塚良庵(江戸・小石川に住む府中藩藩医の息子。29歳にして大坂の緒方洪庵のもとで蘭方医をめざす。女好きだが、腕は確か)
●あらすじ/老中・阿部正弘への拝謁中、奥医師を殴ってしまったかどで投獄された万二郎。その後自宅謹慎を命じられるも、突如謹慎を解かれた上、老中から差し回しの馬に乗せられて呼び出されることに。そして阿部、さらに老中首座・堀田正睦と面会し、創設されたばかりの幕府陸軍に力を尽くすよう声をかけられて…(第12章)。
●本巻の特徴/安政の大地震のさい、被災した群衆を誘導して多くの人命を救った伊武谷万二郎は、幕閣に見込まれ、伊豆下田のアメリカ通商使節の警護役を申しつかる。一方の手塚良庵は、緒方洪庵のもとで蘭学を学び、疱瘡撲滅のための種痘の普及に努めていたが…?
感想・レビュー・書評
-
ヒュースケン氏が肉欲の塊の如く描写されている。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。
終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。