手塚治虫の収穫 陽だまりの樹〔全6巻〕 (4) (ビッグコミックススペシャル 手塚治虫の収穫)
- 小学館 (2008年10月30日発売)
- Amazon.co.jp ・マンガ (425ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091820730
作品紹介・あらすじ
▼第33章/コロリ参上▼第34章/その前夜▼第35章/投獄▼第36章/死出の旅路▼第37章/水戸路を行く▼第38章/炎上▼第39章/吹きすさぶ嵐▼第40章/咸臨丸出発▼第41章/万延元年三月
●主な登場人物/伊武谷万二郎(江戸・小石川に住む元・府中藩士。不器用な性格だが剣の腕は高い)、手塚良庵(江戸・小石川に住む府中藩藩医の息子。女好きだが、腕は確か)
●あらすじ/種痘所で忙しく働く良庵のもとに、夜鷹のお紺がやってきた。貯めた金で品川に女郎屋を持ったというお紺の誘いに乗って、女遊びに出かけていく良庵。その翌日、アメリカ船から長崎に上陸して猛威をふるっている恐ろしい病気の「コロリ」が、江戸まで伝わってくるのではと心配するお紺を、良庵は考えすぎだと笑い飛ばすが…(第33章)。
●本巻の特徴/江戸種痘所設立がようやく幕府から許可された。だがその矢先、コロリ(コレラ)が江戸にも蔓延し、手塚良庵の母をはじめ多数の死者を出す。一方、幕府内部での政権交替の巻き添えをくって、米国通商使節警護の任を解かれた伊武谷万二郎は…?
感想・レビュー・書評
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桜田門外の変秘話。
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1981年から5年半に渡って連載された歴史長編。幕末好きの僕にとってはそれだけでも愛すべき作品なのですが、見事すぎる物語の巧みな構成と登場人物それぞれの魅力(義理に生きる伊武谷万次郎と人情に生きる手塚良庵の対比をはじめとして)を通して、最も好きな手塚治虫作品のひとつです。
終盤、おせきさんに最期の別れを告げに行ったあとの万次郎の無言の2ページがいかに雄弁に万次郎の心境を物語っているか。これからも、この作品を読み返すたびに手塚治虫の偉大さを思うことでしょう。