蠢太郎 (ビッグコミックススペシャル)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 35
レビュー : 6
  • Amazon.co.jp ・マンガ (262ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091838773

作品紹介・あらすじ

激動の明治を生きる天性の女形・蠢太郎。

激動の明治。歌舞伎役者を父に持つ、天性の女形・中村蠢太郎。
蠢太郎親子の命を狙う者達、護る者達…謎に包まれた蠢太郎の出生。
宿命を背負いつつ、蠢太郎は今日も華麗に舞台で舞う。
『蠢太郎』は、『龍-RON-』『JIN―仁―』などの大ヒット作を持つ村上もとか氏が日本が激しく揺れ動いた明治という時代を天才・女形役者の目からとらえ、
掲載当初より読者の反響も非常に大きい作品です。村上氏の緻密な構成力と華麗な絵柄が生み出すその独自の世界観は、ビッグコミックオリジナルの
誌面において圧倒的な存在感を示しております。
また本書では村上氏の華麗な絵柄を読者に存分に味わって頂くために、
4色原稿はすべて4色製版とし、判型も通常のビッグコミックスより大きい
A5判で出版致します。

【編集担当からのおすすめ情報】
村上もとか氏の緻密な構成力、華麗な筆致による歌舞伎シーンと
激しく揺れ動く明治の空気感を存分に味わってください。

感想・レビュー・書評

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  •  蠢動の蠢(しゅん)は「じゅん」とも読むのだね。初めて知った。
     明治初期を舞台に、歌舞伎の世界に材を取った絢爛たる物語。
     
     主人公は、歌舞伎役者を父に持つ天性の女形・中村蠢太郎。
     じつは蠢太郎は、父と皇族の女性の道ならぬ恋から生まれた「宿命の子」であった、というドラマティックな設定がなされている。

     歌舞伎役者として並外れた才能を持ちながら、その出生ゆえに命を狙われる(天皇の血筋を下賤の歌舞伎役者が継ぐなど、当時としてはあってはならぬことだったから)蠢太郎。果たして、彼は苦難を乗り越え役者として大成できるのか……という物語。

     村上もとかの2大代表作――『龍-RON-』と『JIN-仁-』の間をつなぐ作品という印象を受けた。もっとも、その2作とストーリー上の関連があるわけではなく(※)、時代設定からそう感じたのだが(『龍-RON-』は昭和初期~前半が舞台で、『JIN-仁-』は幕末が舞台)。

    ※ただし、本作には1ヶ所だけ、『JIN-仁-』の作品世界との接点がさりげなく用意されている。

     おそらく村上にとっても、『龍-RON-』と『JIN-仁-』の2長編を描きつづける間に「次はこんなのを描いてみたいなあ」と派生してきた物語なのではないか。

     歌舞伎の世界を描く絢爛にして緻密な絵が、まことに素晴らしい。とくに、このビッグコミックススペシャル版では、雑誌掲載時に四色刷りだったページはすべて(計16ページ)四色で製版されており、その部分はうっとりするような美しさだ。
     井上雄彦などとは違い、村上もとかの作品は絵の魅力から語られることが少ないが、細部もゆるがせにしないていねいな作画には、いつも感心させられる。

     ただ、本作のストーリーはいま一つ。
     けっしてつまらなくはないが、単行本全1巻の枠内に壮大なドラマがぎゅうぎゅうに詰め込まれていて、ものすごく駆け足な印象を受けてしまうのだ。まるでテレビドラマの総集編を見ているよう。

     たとえば、蠢太郎の父親は第3話であっけなく死んでしまうし、その第3話で初登場した彼の想い人・朝子も、同じ第3話の終わりには死んでしまう(!)という具合。読者が感情移入するヒマさえないあわただしさである。

     これは本来なら、単行本5巻くらいを費やしてじっくり描くべき物語だったと思う。
     そんなわけで、「傑作になりそこねた失敗作」という感じだが、手抜きをしない誠実なアルチザンである村上のことだから、値段分はきっちり読者を楽しませる。伊藤博文・明治天皇・川上貞奴など、実在の人物が続々と登場する点も楽しい。

  • オリジナルで不定期連載されていた作品なのですが、
    「仁」と平行してのこのクオリティは凄いです。
    女形ということで男に女の色気を持たせた描き方が上手いなあと思いました。
    貞奴や伊藤博文など、歴史上の人物と主人公が出会うと
    漫画とはいえ歴史が動く音がするような気がしてわくわくしてしまいます。
    歌舞伎という当時では俗な文化で生きる主人公が
    歴史の影で国家に巻き込まれていくストーリーは読み応えがありました!

    まだまだお話が広がっていくと思ったらあっという間に終わってしまったのが悔やまれます。
    やはり天皇をお話に絡ませると難しいのかな・・・。
    ひそかに「仁」とのコラボがあるのも心憎いです。
    村上もとかの力量を思い知らされる一作!

  • 明治時代、女形として、波乱の運命をたどる蠢太郎。
    伊藤博文やのちの貞奴も登場します。
    カラーページを復元収録。

  • 933円とちょっと高目の値段設定ですが、買って損はないと思います。表紙もさることながら中にも雑誌掲載時のカラーページを再現。
    正直、JINの時は話を追うのに必死で絵は「細かく描いてるなあ」くらいにしか思ってなかったんですが…
    カラー絵の美麗さに目を奪われました。

    後色事の描写にドキリと。
    主人公は女形とあって、優男タイプのイケメンでございます。
    端正な顔立ちが「髪を…解け!」と劣情に歪む様はドツボストライク!(読み返してみて主人公14歳時の出来事と知りちょっと動揺)

    細かくは描きませんが他にも数カ所私のズギューンスイッチを刺激する描写があって身悶えさせていただきました。

    JINとのコラボもこっそりとあります。村上もとかさん…恐るべし!!

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著者プロフィール

"1972年、集英社・週刊少年ジャンプにて『燃えて走れ!』でデビュー。『JIN-仁-』『龍-RON-』『六三四の剣』などのヒット作多数。ドラマ化、アニメ化された作品も数多い。

「2014年 『メロドラマ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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