ZERO (上) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (223ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091847348

作品紹介・あらすじ

拳だけを頼りに、ひとりで生きてきた孤独な天才ボクサー・五島雅の物語。

▼第1話/造花▼第2話/伝説▼第3話/祖国▼第4話/密使▼第5話/驕慢▼第6話/天授▼第7話/梟雄▼第8話/暗黒▼第9話/饗宴▼第10話/花守▼第11話/遊行 ●主な登場人物/五島雅(ゼロと呼ばれ、世界中から恐れられている天才ボクサー、世界チャンピオン)、荒木(五島のトレーナー。五島が唯一信頼しているパートナー)、ペコ(目刊スポーツ記者)、高田秋夫(五島の後輩。東洋チャンピオン) ●あらすじ/10年間もチャンピオンの座を守り続けてきた五島雅ももう30歳。決して若いとはいえない年齢になっていた(第1話)。▼20数回も防衛を続けてきた五島には、本人も、観衆も、並の相手ではもう満足できなかった。そんななか、五島はスパーリング中に相手を殺してしまったという噂を持つボクサー、トラビス・バルの話を聞く(第2話)。▼トラビスのことが気になって仕方ない五島は、彼のいるメキシコのジムにペコを密偵として送り込むのだった(第4話)。 ●その他の登場キャラクター/トラビス・バル(第4、8~11話) ●その他のデータ/対戦相手:マイク・ルイス(第1話)、カーチス・ノートン(第3話)、高田秋夫(第7話)

感想・レビュー・書評

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  • 素晴らしい作品ですね。何度も読み返してるんですが、何度読み返しても、つまるところは常に素晴らしい。うむ。永遠の名作、と言ってしまって、差し支えないと思います。俺にとっては。ホンマに好きですね。

    ボクシング漫画でいいますと、

    あしたのジョー
    はじめの一歩

    この二つの作品は、やっぱ特別に素晴らしいと思いますが、この「ZERO」も、それに匹敵するんちゃう?と、勝手に思います。うん。思います。

    あと、今、気づきました。
    あしたのジョー。はじめの一歩。題名の雰囲気、似てますね。はじめの一歩、が、あしたのジョー、に、敬意を払って誕生した作品なんだろうなあ、って、今、気づきました。ええなあ、なんかそれって。

    で、このゼロですが、上記の二作品と比べると、より雰囲気が似ている、という意味では、北野武の映画「キッズ・リターン」っぽい気もする。北野映画が好きな人は、この松本大洋作品も、絶対気に入る気がする。うん。そんな気がしますね。

    ま、ボクシング漫画、というか、ボクシングを通して、人間とはなんぞや?ってことを描いた漫画、でしょうか?生意気な言い方になってしまいますが、そんな感じを思います。で、この漫画が発展した流れで、松本大洋は「ピンポン」に辿り着いた、という、気もする。

    こんなに哀しい素敵な作品を通して、あんなに楽しい素敵な作品に辿り着いた、って感じかなあ、と。個人的には、そんな事を、感じましたね。

    この漫画、1991年9月3日から物語が始まる、という、実際のリアルな世界での時間軸の設定が、されてるんですよね。五島雅とマイク・ルイスの後楽園での世界ミドル級タイトルマッチの日にちが、それなんですよ。なんか、ええなあ、って思いました。

    世間一般では、携帯電話もインターネットも無かった時代。DVDもない、ビデオテープの時代。情報は一瞬で世界を駆け巡らなかった、あの時代の、物語。うむ。なんか、ええなあ。

    それにしても、松本大洋の絵柄は、独特だ。上手いのかヘタなのか、よお分からん。その唯一無二の感じにして、物語はバンバン切れ味、鋭すぎ。凄まじいですね。

    五島が妙に贔屓にしている若者新聞記者?あの、メキシコまでトラビス・バルを偵察に行く彼。彼の名前?というかニックネーム?が、ペコ。うーむ。ピンポンに繋がってるのか?とか思うと妄想が膨らみますね。

    同じジムの同じ階級の高田秋夫が、ひたすら五島に憧れて憧れて憧れまくってて、自分のアパートの部屋に五島のポスター貼ってるところとか、ピンポンで言うと、ドラゴン(風間竜一)に憧れまくるアクマ(佐久間学)って感じで、これまた堪らない。

    いやあ。まあ、なんといいますか。素晴らしい漫画ですねコレは。

    あと、五島がノーヘルで一般公道でカワサキのバイクを運転してるのは、マジでヤバい。今のご時世では絶対にできない描写ですよねえ。でもそんなとこも好き。

  • なんだ、この乾き切った状態は。情の付け込む隙がない。

  • ☆☆☆☆

  • 一気に全部読むのがオススメ
    ラストは悲しくてさみしくて涙がでた
    素晴らしかった

  • 孤高、狂気、

    強すぎる男の悩み。強いとは何か。

    頂点へ連れて行く漫画。

  • これは傑作!

  • とても良いストーリーだけど画がまだ完成されてなくて少し、読みにくかった。

  • 松本大洋らしいというか、決戦に向けて徐々に盛り上げていく空気作りが素晴らしい。『ピンポン』に比べるとこちらのほうが、漂う空気に理解できない「狂気」みたいなのが表現されていて、そこが良い。

  • 天才の孤独。

  • 弱くて短命だからこそ幸せだってこともある。
    目標、大切なもの、約束、何だって人を支えられる。
    羨望、憧れ、畏怖、力、何だって人を壊せる。
    相棒と一括りにしても、調教だとか愛情だとかその繋がりには色々ある。
    どんな繋がりだって人を支えられるし簡単に壊れる。
    お互いが同じ繋がりを意識してるとは限らない。

    版画風だったり線が強調されてたり、いろんな画風が次々出て来て、より狂気を感じる。松本大洋だから描けるボクシングの重量感と疾走感と狂気、狂気、狂気。「このチャンピオンをささえているのは……?」

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著者プロフィール

漫画家。代表作に『花男』『鉄コン筋クリート』『ピンポン』『GOGOモンスター』『竹光侍』『Sunny』『ルーヴルの猫』(すべて小学館)などがある。現在「東京ヒゴロ」、シリーズ「むかしのはなし」連載中。

「2022年 『劇場アニメーション「犬王」誕生の巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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