- Amazon.co.jp ・マンガ (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091854599
感想・レビュー・書評
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第5の事件 呪いの指紋
実業家の川手氏のもとに脅迫状が届いた!
警察は明智に並ぶと言われる私立探偵・宗方博士に協力を求める!
宗方博士の必死の捜索も甲斐なく、宗方博士の二人の助手や川手氏の二人の娘が次々と殺される!
宗方博士は替え玉を使い、反撃を開始する!
(小学六年生1998年9月号~1999年3月号連載)
少年探偵団ワンダーランド
エッセイ 父・江戸川乱歩の思い出 平井隆太郎(談話)
2巻までは1冊に2話収録されていましたが、第3巻では1冊まるごと一つの事件という大長編が展開されます。
私としては非常に楽しめる展開で、全3巻の中で一番面白い巻でした。
特に、お化け屋敷で犯人を捜索するシーンは名場面。
竹藪の迷路になっているという趣向で、広場になった空間に廃屋があり、その中で死体が見つかるという。
何と本作品は小学館の学習雑誌「小学六年生」に連載されていたものという。
今の(といってももう20年近く前になるんですか!)小6生はこんなマンガを読んでいるのですか。
私が小6の頃は、『名探偵荒馬宗介』を愛読していたのですが、絵も内容も全然違いますね。
今の子どもは昔よりませているのは分かるとして、しかし本作品を連載の形で読むのは少々難解の気がします。
少年探偵団とうたっている割には小林少年も明智探偵も終盤にしか登場しないし、少年探偵団も怪人二十面相も登場しません。
完全な連続ドラマなので、途中から読んだり1回でも読み逃したら流れが把握できません。
もっと分かりやすい話で1話完結の方が良かったのかもしれませんね。
「小学六年生」ならあまり残酷や難しい展開にはできないし、ページ数も限られているし、12回の連載が終わったら対象読者が入れ替わることが運命づけられています。
山田貴敏さんは江戸川乱歩作品を描くことが夢だったということですが、腰を据えて作品に取り組むには少々大変だったのではないでしょうか。
そう考えると、本作品を「小学六年生」で連載するのは少々考えものだったのかもしれません。
しかし、山田さんの「少年探偵団」はこれで終わりなのでしょうか。
まだ二十面相との戦いは始まったばかりだし、1巻で登場した女盗賊の正体も不明のままだし、2巻で大曽根助手の死体が見つからなかった謎(今後の伏線だったのか?)も解明されていません。
ぜひ他の媒体で続きを描いて頂きたいものです。
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