忘却のサチコ (2) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091868800

感想・レビュー・書評

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  • 美人でスタイル抜群だが、超が付くほど真面目人間な文芸誌編集者の佐々木幸子、29歳。
    結婚式の当日、新郎に逃げられた彼女は
    彼を忘れるため全国各地を飛び回り
    美味しいものを探して
    『忘却』の美食道を邁進していく…
    (美味しいものを食べているときだけ彼のことを忘れられることに気付いたのです)

    といった美食×旅コメディーな漫画。

    最近は女性を主人公にした『食』漫画が続々と増えてきてる中、
    コレはダントツに面白い!
    忘れるために食べるって発想が斬新ですよね(笑)

    この漫画の最大の売りは、
    実は料理ではなく、
    主人公サチコさんの真面目過ぎるがゆえの大ボケ天然キャラが引き起こす大騒動なのです(笑)

    結婚式で男に逃げられた悲劇の花嫁だというのに
    周囲の心配をよそに翌日から何もなかったかのようにテキパキと仕事をこなす鉄仮面ぶり。
    (勿論内心は左右違う靴を履いて出社するくらいスッゴいショックを受けてます)

    会社の電話に出る時は必ず正座だし(笑)、
    就寝前には必ず高倉健の作品を鑑賞し、
    逃げた新郎を忘れるために仏壇を用意したり(笑)、
    長崎から体操服姿で東京まで戻ったり、
    人とズレてるというかなんと言おうか、
    とにかくやることなすことが
    ぶっ飛んでて笑えます!
    (それでいてイヤミがまったくないのは、やはりサチコさんの誠実さと美しい容姿の賜物でしょう笑)

    お腹を空かせるために中学生の部活に交じってランニングしたり(笑)、
    映画『幸福の黄色いハンカチ』の高倉健さんの気持ちに同化するために絶食までして
    ビールとラーメンとカツ丼に挑んだり(笑)、
    常に最高の状態で『忘却』するために
    食べる前の努力を惜しまないサチコ。
    食べ物への感謝を忘れない一貫した姿勢は
    もはや惰性で食事をこなしてる感のある多くの現代人に
    ささやかな気付きを与えてくれる。(たぶん)

    なんといってもご飯を食べている時のサチコの表情の美味しそうなこと!
    そして忘却モードに入った時の
    恍惚とした表情が、
    実にエロ可愛いのです(笑)
    ↑すでに死語やったりして(汗)

    この忘却の表情が毎回凝っていてバリエーション豊かなのも巧みだし、
    やっぱ美味しい顔をする女性に
    つくづく自分は弱いのだと
    コレ読んで再確認しました(笑)(^^;)


    毎回登場する料理もいわゆる高級グルメではなく、
    サバの味噌煮定食や長崎のご当地グルメのトルコライス、盛岡のわんこそば、おにぎりと味噌汁、サンマの塩焼き定食、大阪のお好み焼き、海鮮中華粥、立ち食い蕎麦と半カレー、チャーハン大盛、香川県の讃岐うどん
    などなど、
    庶民的で誰もが食べ慣れたものばかり。

    中でも印象的だったのは
    相席になった老人にさんまの食べ方を習う話(綺麗に骨だけ取れるんです)と、
    大阪で全財産競馬ですったサチコにタダでご馳走してくれる串カツ屋の話(泣けます!)、
    傷の癒えてないサチコが香川まで従姉妹の結婚式に出席する話かな~♪

    さらに出版業界の裏側が知れるのも
    ブクログの本好きさんにはたまらない点だと思います。

    しかし、これだけキャラ立ちした漫画だと、
    どう考えても近々ドラマ化しそうだし、
    (個人的には綾瀬はるかのアホキャラがダブる…)

    サチコの前から姿を消した
    謎のイケメン新郎・俊吾はなぜ逃げ出したのか?
    その行方は?
    コチラの謎の解明も気になるところです。

    現在2巻まで発売中~♪
    (集めるなら今ですよ!笑)

    • 円軌道の外さん

      darkavengersさん、いつもありがとうございます!
      仕事の都合でお返事がかなり遅くなり申し訳ないです(汗)

      あっ、沖雅也...

      darkavengersさん、いつもありがとうございます!
      仕事の都合でお返事がかなり遅くなり申し訳ないです(汗)

      あっ、沖雅也自身、麻生CAP役を気に入ってたんですね。
      いつものクールな役柄と違って
      スゴく新鮮だった記憶があります。
      (と言ってもリアルタイムではなく再放送ですが…汗)

      あっ、沖雅也の必殺シリーズは評判良かったみたいですが、
      僕は残念ながら見たことないんですよ~( >_<)

      オオー!!
      ワカコ酒広島の回だけ
      別にDVD出るんスか~!
      なんと贅沢な(笑)
      それだけ制作側に力が入ってるならシーズン2もあるんですかね~(笑)

      でしょー(笑)
      今、食ドラマ全盛期だし、
      『忘却のサチコ』のドラマ化も絶対あり得ますよね~(笑)
      サチコのキャラ立ちハンパないし、全国を旅してご当地メシを食いまくるストーリーも魅力的やし(笑)
      ただ、全国各地でロケするとなると制作費の問題があるんで
      深夜枠やと中途半端な作品になる怖れもあるから
      そこが問題やと思います。

      おおーっ!
      多部ちゃんや吉高さんかぁ~
      さすがdarkavengersさん、
      ナイスなセレクトですね!
      どちらも好きな女優だし、演技もまずまずなので
      妄想が膨らみます(笑)

      あと、富田靖子は
      昔好きやったんスよ~(笑)
      ちょうどいいタイミングで僕が書いたレビューの『あ・うん』の映画版の演技も良かったし、
      『アイコ十六歳』や『さびしんぼう』もめちゃくちゃ可愛かったし(笑)
      麻生さんは結婚するまでが
      神でした(笑)(^^;)

      ホンマこれだけ食ドラマが人気好評なんやから
      深夜枠やなくゴールデンで
      手を抜かず妥協せず作って欲しいですよね!




      2015/05/30
    • darkavengersさん
      大変遅くなってすみません。
      いつも花丸、コメントありがとうございます。

      地震ですがこちらの方はそんなに揺れは感じませんでした。
      ご...
      大変遅くなってすみません。
      いつも花丸、コメントありがとうございます。

      地震ですがこちらの方はそんなに揺れは感じませんでした。
      ご心配していただきありがとうございます。

      食の軍師はこちらではやっていないんですよね(泣)
      DVDが9月に発売されるのでそれまで我慢です。

      忘却のサチコは早くも7月に3巻が出るんですよね。
      これはもしかしたら秋か冬にドラマ化があるのではないかと思っているのですが……

      そうそう、沖 雅也の事なんですが今までの役柄のイメージからか本人も陰のある人物と思われがちなのですが実は明るい性格でだから実際の人物像に近い麻生CAPがお気に入りだったそうです。

      それでは、又素敵なレビュー楽しみにしています。
      2015/06/07
    • 円軌道の外さん

      darkavengersさん、お忙しい中、いつも沢山のお気に入りポチと誠実なコメントありがとうございます!
      いやぁ~、ご無事なら良かっ...

      darkavengersさん、お忙しい中、いつも沢山のお気に入りポチと誠実なコメントありがとうございます!
      いやぁ~、ご無事なら良かったです。
      僕は阪神淡路大震災をリアルタイムで経験しているし、
      最近関東でもやたらと地震が多いので
      内心ビクビクしております( >_<)

      あっ、そちらでは「食の軍師」見れないのですか!
      主人公本郷を演じる名脇役・津田寛治
      の怪演は一見の価値ありです(笑)
      ( 諸葛亮孔明役の俳優も笑えます!)

      おっ!「忘却のサチコ」情報ありがとうございます!
      もう新刊出るんですか~
      なかなかのハイペースだし、今乗りに乗ってる感じがあるんで、
      これはドラマ化マジであり得るかもですよね!(^^)
      (ただホンマにやるからは、あのサチコの天然ボケをムリなく演じられる、いい女優をキャスティングして欲しいなぁ~笑)

      あっ、沖雅也は実際にクールな人なんやと勝手に思ってたら
      違うんですね(笑)(^^;)
      もし、今リメイクするなら
      誰がいいかな~(笑)
      あのクールな見た目なのに
      コメディもいける人って今いますかね~(‥;)



      2015/06/11
  • 無料でこの巻は読みました!
    色々とぶっ飛んでいて、凄く楽しい!やっぱり元婚約者の事は、思い出しちゃうよね。彼女なりの受け入れ方が見つかればいいのにと心の中で願ってます。
    従姉妹の結婚式の為に四国まで行くんですが、讃岐うどんって本当に色んな食べ方があるんだなー。うどんのあとに金比羅山にお参り。あれは、キツい。高校生の時に金比羅山に登ったことがあるけど、本殿まで行けませんでしたw幸子は色んな思いを持って登っていたけど、最後にちゃんと言えて良かったねって感じました。ほかのエピソードも面白すぎて、可愛すぎて笑顔になりますw

  • TSUTAYAレンタル

  • 期待を裏切らない面白さ。
    お腹空いてる時にはつらい。

  • う・ど・ん!

  • うどんたべたい。

  • やはり、私の二つ目の胃袋を鷲掴みにしてくれただけはある
    確実に人気が出てきたな
    しかし、漫画読みとしては嬉しい反面、自分だけがこの『忘却のサチコ』の面白さを把握している、そんな優越感が薄れてしまうようで少々、複雑
    けど、これからも全力で応援したいので、感想もちゃんと書く、阿部先生の力に少しでもなれるように
    改めて、この作品を面白い、と感じられたのは阿部先生の画力が向上しているのもある。先巻よりも読みやすくなっている気がした
    一箇所の街の飲食店を制覇するのでなく、文学誌の編集者、この職業を巧く使い、美味しいモノが多い地を巡るトコも、『忘却のサチコ』の忘れてならない魅力に違いない
    阿部先生が現地取材をしっかりしているのは、登場する店や食事の描写を見れば、それなりに目の肥えた漫画読み奈良、すぐに察せるだろう
    今回は、勤務地だけでなく、大阪と香川編が収録されている。その二つの聖地でも、サチコの人生に小さくない影響を及ぼす、笑ってしまいつつも、グイグイ引き込まれる、薄っぺらくない人間ドラマが展開される。大阪編、香川編、どちらも熱いし、芯がしっかりあるシリーズだが、うどん派の私としては、やはり、名店巡りをする香川編のインパクトが強かった。しかし、鬱陶しさがあるからこそ優しさが染み込んでくる大阪の人々のソウルも感じられる大阪編も負けていないので、あしからず
    また、タイトルにある通り、サチコが失恋の痛手を忘れるために、美味い食事を食べる、その基本的な設定もしっかり活かされている、この2巻でも
    誰でも経験のある、美食によるトランス状態、それを何度も経験しちゃっているサチコは大丈夫かな、と心配になりつつも、まぁ、本人が毎度、満足できているならイイのか、そんな気持ちにもなる
    美味い食べ物が、自分の弱さを忘れさせてくれる可能性を高めようとする、サチコの若干、一般的な食欲から逸れた、激しい情熱と、それから生じる言動も、食系の漫画らしさかつ人間らしさがあり、ますます、好い印象を抱ける
    加えて、至福の忘却により、サチコが今までの自分を形成してきた何かを剥がし、新たな自分になっていく点も、読み手の今後への期待を高めてくれる
    忘却、この行為は案外、難しいし、苦痛も齎す。忘れる為には、何を忘れるべきか、を自分で把握するべく、辛い記憶を呼び起こさねばならない。サチコは今後も、それに耐えられるだろうか。もしくは、無理に忘れようとするなんて愚かだった、と気付き、弱かった己を潔く受け入れ、単純な気持ち、「美味い物を食べたいから食べる」、言わば、食事の本質と初心に立ち返るのか、未だに行方が分からぬ俊吾の真意も含め、実に気になる
    一日も早く、ドラマ化して欲しいものだ。サチコを演じて欲しい女優が特にいるわけじゃないが、可愛いだけのアイドルは起用しないでくれ、ってのが本音だな。彼女の、不器用にでも前向きに生きていこうとする、ガムシャラさを表現できる実力の持ち主が、無名の新人女優の中にいる事を期待する
    この2巻でお勧めの話は、第15歩「追いかけて!チャーハン」だ。炒飯、これほど、シンプル・イズ・ザベスト、その言葉の意味を的確に捉えている料理もなかろう。しかも、サチコの大盛りの食いっぷりがまた、見ていて気持ちが良い。まぁ、この話を推す理由には、セクシーな入浴シーンがあるからでもあるが・・・・・・改めて、サチコのヒロインらしいスタイルの良さが判る回でもあった
    この台詞を引用に選んだのは、説得力があるからだ。大御所、そう自然と呼ばれるまで、真っ直ぐじゃない道も、平らじゃない道も、自分が歩きたくない道も、一つの目的に辿り着くために、自分の足で黙々と歩き続けていた男でなければ、この台詞は言えまい。そして、この後の、思わず、「俺の感心と尊敬を返せや!!」と、ブッ叩きたくなる展開も選んだ要因だ。まぁ、人それぞれだ、自分を戒め、見つめ直す手段は

著者プロフィール

1972年2月6日生まれ。静岡県出身。漫画家。
代表作として、『忘却のサチコ』など。

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