- 本 ・マンガ (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091878106
作品紹介・あらすじ
家族とは何か?大反響【扶養照会編】収録!
福祉事務所に配属された新人公務員・義経えみるは、
【生活保護】に関わるケースワーカーとして日々、奮闘中。
現在、住所不定でうつ病を患っているという
26歳の男性・島岡光さんの担当となったえみる。
生活保護の受給のための調査を進めるえみるだが、
申請の際に行われる、親族に援助可能かを
確認する【扶養照会】を頑なに拒む島岡さん。
しかし父親が医師で高収入と分かり、上司からの指示で
父親にえみるが連絡をとったことから、事態は急変し…
島岡さんと父親との“衝撃の過去”が明らかに…!!
親子とは? 家族とは?
大反響を呼んだ【扶養照会編】の結末を見届けよ。
【編集担当からのおすすめ情報】
【生活保護】の現場には、日本の最も大きな社会問題である
【貧困】の最前線が存在します。
他人事ではなく、実感を持ってこの問題を捉えようとする時に
漫画という枠を超えた強い力を持った傑作が、この作品です。
新聞各紙を始めとする様々なメディア、現役ケースワーカーからも絶賛。
今、読むべき読まれるべき【日本のリアル】を是非ご一読ください!
感想・レビュー・書評
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表紙が桃浜さんだったので、いつもの幕間短編はてっきり彼女かと思いきや、主人公義経の祖母のお葬式のお話でした。そうだね、仕事によって世間のいろんな事が見えてくるという事は確かにある。
さて、前半は「扶養紹介」編です。生活保護に扶養紹介は付き物である。これがあるがために生活保護申請をしない人もたくさんいる。
今回、問題の青年は扶養紹介があるのを知らないで申請したのだろう。父親は医者であり、扶養能力があり、かつ扶養意欲があった。普通はその時点で生活保護は支給されない。しかし、青年は父親が来たことを知ってパニックを起こし、ある「事故」を起こす。
どんな事故か、なぜ起こしたのかは書かないが、結果的に青年の保護支給は決定された。生活保護は本当に最後の最後のセーフティネットなのだ。今回はホントにたまたまあの事故が未遂に済んで良かった。しかし、ベテランの半田さんでさえ、事前に青年の事情が分かることはむつかしかっただろうと言う。そもそも青年がもう少し強くて、事故を起こそうとしなかったら、結果的にもっと悲惨な事が起きていたのかもしれない。
生活保護の世界は、(繰り返しになるけれども)最後のセーフティネットなのだという事が、ギリギリのネットなのだ、という事がよく分かる事例だった。
だから、私はネットの世界で生活保護にたいして無責任なことを繰り返し発言する人たちが嫌で嫌でたまらない。
2016年10月10日読了 -
規定はあっても、落とし込みはケースごとに必要で本当に難しい仕事だ。この一冊だけでも、考えることがたくさんある。ベテラン半田さんは眼鏡はずすと美中年であってほしい(強く希望)
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第4巻では、①親族による扶助の可否を照会する際のケースと、②保護を受けるのには「世帯」が単位であって、構成員の一部のみの保護はできないというケースが扱われる。主人公の「善意」が空回りしている。力をつけていってもらわないと、制度は適切に運用されないということがわかる。
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主人公も 徐々に成長してるとはいえ
やはり 一つ一つに事案に
注意と知識が必要なんだな
と あらためて思います
正直 主人公の上司などの
ベテランさんと はじめに
話が出来ていたら
確認事項も行き届いて
話も早く通るのかも・・ -
答えのない問題に絶え間なく挑み続ける仕事、辛すぎる。
読んでるだけで疲れる作品。
でもこういうお話が佳作漫画として世に出ていることで、世間の誤解を少しでも解いてくれることを願う。
最後のセーフティネットをワイドショーの影響なんぞで安易に縮小するのはやめてくれ。 -
第4巻出ました。一気読み。家族の事情は外からはわからないことが沢山あり、語られない事も多く、経験にそくした想像力が必要なのは臨床現場ではよく経験することである。自分自身も浅はかな理解で失敗することが多く、いまだに反省することが多い。一読してふと、そのようなことを考えた。
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生活保護申請者一人一人に色々な事情がある事がシミジミ分かる。本当に必要な人と悪用している人が明確に分かれば認可する側も簡単だろうが…。
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支給すべきか、しないべきか、決断をせまられる4巻。
全員に支給することは出来ない以上、何かの条件でそれを選り分けなければいけない。
色々と思うところはあるけれど、こういうこともあるのだろう。
著者プロフィール
柏木ハルコの作品





