さらい屋五葉 8 (IKKI COMIX)

  • 小学館
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感想 : 81
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (268ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091885296

感想・レビュー・書評

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  • ずっと終わらないでほしい。大阪に行ったあとのみんなの暮らしも見てみたい。ほんの少しでも。読み終わったあと、じんわりと染み入る作品。
    マンガワンというアプリで、毎日9話ずつちびちび読みました。限定公開で、6/13まで全話読めます。ドラマも見たいなぁ。でも、この余白の美しさをドラマで表現できるのだろうか。

  • かなりはまったコミックの最終巻。
    なかなか機会がありませんでしたが、ようやく最後まで読めました。
    オリジナルよりも先に終了したアニメでは、最終回が中途半端でハッキリしないまま終わってしまったので、オリジナルの決着のつけどころが気になっていたのです。

    ずっとぎくしゃくしていた政と弟のわだかまりが解けていったようで、ほっとしました。
    関係は冷え切り、こじれ切っていたので、弟のかたくななな心はどうにも開くまいと思っていましたが、やはり兄に頼る心は子供の頃から消えていなかったわけですね。
    そんな氷のような弟の心をゆっくりと溶かしていった政の心の温かさ。

    弥一の過去を知る仁と八木がとうとう出会ってしまい、往時の因縁について話をしたことで、いよいよ彼の素性がばれ、ドラマは最終章へとうねりを上げて流れ込んでいきます。
    なるほど、そういう展開になりましたか。
    仁と八木が弥一に放った、仁義と落とし前。
    冷酷な采配のようですが、こうでもしないと弥一の再生は望めないのでしょう。
    男らしい二人の決断にぐっときました。

    心配でたまらなかった、最悪の事態には陥りませんでしたが、いくらさらし首に処されなかったとはいえ、弥一は無罪放免となったわけではないんですね。
    腕に罪人印を入れられ、鞭打ちの刑を受け、屈辱を一身に浴びて江戸追放の身となります。

    ぼろ雑巾のようになって見棄てられた彼を、静かに一人待つのが、政。
    いつのまに彼は、こんなに人の支えとなる、頼りがいのある男になったんでしょう。
    初めの頃の、でくのぼうでしかなかった様子を考えると、想像できないくらい度胸がつき、懐が大きくなっています。

    江戸風の粋な部分はどこにもありませんが、彼の育ちの良さ、まっすぐな心根に、曲がりくねってささくれだった五葉たちの心は癒されています。
    何も言わなくても、人の辛さを汲み取れるところに、人としての器の大きさが見えます。

    今までは弥一中心だった五葉メンバーが、今後は政中心に再び集まりそうな予感。
    誰ひとり、金もうけが本当の目的でなかったところに、これからの繋がりを予感させるものがあります。
    彼らが本当に欲していたのは、都会の中での絆。
    人を欲しないと、関係は続かないものでしょう。
    犯罪グループの頭の良さと実行力があれば、堅気でも幸せに生きられるはずなので、明るい展開が期待できます。

    江戸っ子らしく、あっさりして干渉しない間柄ながら、心の底では家族のぬくもりに飢えている面々。
    江戸の心意気の中に隠された、こうした寂しさが、さりげなく伝わってきます。

    どんどん悲惨な人間になっていき、追い詰められ、がんじがらめにされて弱っていく弥一。
    もともと悲惨な人生なのに、粋がっていただけという方が正しいですが、だからこそミステリアスで、おそろしく魅力的なキャラクターでした。
    なってみたくないけれど、なってみたいキャラです。(意味不明ですね!?)

    弥一と政の関係は、出会った当時とはかなり変わりましたが、それでも繋がりが切れることはなさそう。
    その柔軟さと強さこそが、人の絆なんでしょうね。

    オノナツメ氏の織りなす江戸の色気にはもうメロメロで、全編を通じてノックダウン寸前でした。
    思い切った濃淡で強弱をつけた、女の曲線と男の直線のいなせぶり。
    余韻が残る、印象深い世界を存分に堪能できました。

  • 最後がどうなるか予想できなかったがすごく幸せな終わり方だったと思う
    ヘタレな主人公の政がどんどん成長していってそれと対照的に
    あまり感情を表に出さない弥一がどんどん余裕を失くしていく
    のがすごく萌えました
    仲間っていいなって久しぶりに感じた漫画でした

  •  最終巻が出るのを待って、大人買いした。

     イチーーーー!! と完全に感情移入してしまう。
     格好いいね。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      オノ・ナツメの話は、いつも見えない事情を抱えていて切ない。。。
      オノ・ナツメの話は、いつも見えない事情を抱えていて切ない。。。
      2014/07/03
  • 常に静けさが漂う。
    美しい絵。
    着流しが皆カッコいい。
    どこか新宿スワンに重なるものをみた気がする。

  • 完結作。すごく良かった。
    前半巻は物語の進みや展開が面白く、後半は五葉がどうなってしまうのか不安だったけれど、希望のある終わり方でとても安心し感動しました。
    政の成長もよかったし、弥一と政の関係性も素敵でした。

  • 感動のラスト。やっぱり物語はこうでなくっちゃという締めくくりです。これからも何度も読み返したくなるであろうと思えるのは、ラストがかっこいいからです。
    本当にこの作者の絵は割とほのぼのしてるのに、こんなにシリアスに感じられるのが不思議です。五葉は永遠に。

  • 全巻読了。武家制度や用語がぼんやりしてたし、体裁とか後継ぎとか面倒な―と思ってしまうが、それがあるからこそのストーリー展開。江戸文化は好きなのでその辺は楽しめた。シンプルな線ながら人物の描き分けができている。だが、私は時々混乱したww 弥一は、ちょっとバナナフィッシュのアッシュっぽいな~。

  • 遘醍區縺ョ縺ェ縺?さ繝槭?蟄伜惠諢溘◆繧九d窶ヲ縲

  • 前巻がとんでもないところで終わり、気になるあまりに連載中の雑誌を読んでしまった。こうしてまとまると、感無量です。余韻を残しつつ、しっかりと完結しているのは見事です。これなら、「ぜひ続編を」と言われることも無い、きっちりしたラストでした。ありがとうございました。けど、ちょっとだけ「その後」を覗き見したい気も。ちょい役だと思った、政に喧嘩を売ってきた浪人にまで、納得する結末を用意してるという、まさに「痒いところに手が届く」複線の回収法も見事でした。この人は、自分の産んだキャラを全て愛しているんだなあと。政を気に入っていたネコのその後も、描いて欲しいなあ。政を追って西へ行ったらいいなあとか思ったけど、犬ならありえてもネコだしね。

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著者プロフィール

2003年『LA QUINTA CAMERA』 でデビュー。『さらい屋五葉』(全8巻/小学館)『リストランテ・パラディーゾ』(全4巻/太田出版)『ACCA13区監察課』(全6巻/スクウェア・エニックス)など映像化作品も多数。
「モーニング・ツー」では『Danza』(全1巻)『COPPERS』(全2巻)『つらつらわらじ』(全5巻)『ハヴ・ア・グレイト・サンデー』(全4巻)を連載。

「2023年 『ザ・ゲームスターズ(2)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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