羣青 下 (IKKI COMIX)

著者 :
  • 小学館
4.38
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本棚登録 : 297
レビュー : 23
  • Amazon.co.jp ・マンガ (539ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091885777

作品紹介・あらすじ

人生懸けた恋をした。女と女の最後の選択!
殺した女。殺させた女。
“共犯者”となった二人の旅路で次第にあらわとなる、血縁への執着と、お互いへの無理解。未練と倦怠に挟まれ、自殺か服役か逃亡か心中かいずれも“どんづまり”の選択肢を前に立ちつくす二人に、光は射すのか…。
血にまみれた手で欲したものはなんだった?女たちの魂の咆哮、あるいは彷徨――これにて幕。

感想・レビュー・書評

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  •  いやぁすごい話だったなぁとおもいました。それぞれの立場からそれぞれの意見を建前とか感情論とかいろんなものかき混ぜながらダダダダとタンクローリーで進んでいった印象でした。
     中であんだけフューチャーした元彼女を下であーしに悪いところを言わせるっていうのはエゴなく物語を描いてるなぁとおもいました。
     いい作品でした。

  • 強烈にして苛烈。汚いものを全部吐き出して、「てめぇはコレを直視できんのかよ?!」ってからんでくるような漫画です。
    "この漫画はスゴイ"と思いました。おもしろい漫画はたくさんあるけどね、"スゴイ"ってなかなか無いと思うんだ。

    でも、手放しで褒めているかというと、そうではないです。
    強烈な分、ちょっと引いちゃったり、違和感がぬぐえなかったりという部分もあります。

    たとえばセリフ回し。「あーし」とか「あーた」って、しゃべり言葉でも自分では言わないし周りでも聞かないので、結構違和感ありました。

    それからメガネさんが、いまいち美人じゃないのもちょっと・・・でした。美人なカットもあるんだけど、いまいちな画の方が多いかな・・・。

    うーん。プラス面もマイナス面も、色々な感想があります。思うところが多すぎて、私の文才では表現しきれません。

  • 救われない話がようやく終わった。

    読んだこっちが救われたような。

    そんな気分。

  • どうしよう。
    あたし、ホントの人間の中身とか知ってる?
    知らぬうちに人傷つけとるんやないの?
    とか、現実のこととか、もう、最後見てたら、なんか、自分の友達みたいに思えてきちゃったりして、なんだろ?
    むつかしいな。でも、すごくすごく、的を射てるって思った。

  • 最後まで読み終わりました。

    上巻のレビューでレズビアンの話と言いましたが、登場人物のそれぞれの心の傷が交錯していく中で「本当の幸せって何なのか?」という事を鋭く抉って問い直す、そんな愛の物語でもあったと思いますね。最終的に愛を築けたからこそ、二人で出頭エンドも何処か救いを感じることが出来るのだと思います。

    しかし、兄ちゃんの嫁さんが本当に素晴らしい女性でね。よくこんなクズと結婚したなぁ勿体無いぞおいと思える程です。詳しくは書かれていませんがきっとこの嫁さん、人生の辛酸を嘗め尽くした女性だと思いますね。

    「片方の身内に何かあったときに共倒れせんように、家族は他人と作るんよ。(中略)一人で耐えられへんこと耐えさせるために、一緒に居るんよ。
    うちは、平気やで」

    このセリフが非常にグッと来ましたね。
    「なぜ家族が大事なのか?」「なぜ赤の他人を愛して、家庭を作るということが人生に必要なのか?」という問いに対する根源的な答えだと思います。

    智代美と草子も、つらい時苦しい時に支えになったからこそ、一人では耐えられない「夫からのDV」や「劣悪な家庭環境での生い立ち」や「レズビアンであることの生きづらさ」という苦しみを共に戦っていけたからこそ、つながれたのだのでしょう。そこに同性愛であることは関係ありません。

    あなたには、何かあったときに共倒れせずに救ってくれる人がいるだろうか?
    一人で耐えられず、抱えるには重過ぎて自分を壊してしまうような、そんな苦悩を一緒に耐えて、乗り越えていける人がちゃんと側にいるだろうか?
    人と接する中で、あなたは相手にとってそういう人になれているだろうか?
    そのことが呼びかけとして、私に伝わってきました。

  • ちぎれる 上巻
    からまる 中感
    ほどける 下巻

    ここまでよんでやっと救われる。長かった。
    二人と一緒にここまでたどり着いた、そんな気がします。

    あとがきの、「群青」ではなく「“羣”青」にした理由が良いですね。(引用参照)

  • 下巻の勢いが凄かった。
    兄の悪意のない残酷さに教わるものがある。
    人生、運命、縁。。。

  • 自分を守るための嘘・虚栄心・つよがり、売り言葉に買い言葉、言ってはいけない本音、・・・二人はお互いを傷つけあい、もうこれ以上のひどい事にはなりえないんじゃないか、と思わせておいて更に底を見せる。その連続。

    その奈落の底の底、一番深い闇にたどりついた瞬間、急に明るくなる。
    膨れ上がりすぎたマイナスの針が振り切れてプラスに転じるような感覚。
    あるいはひたすら裏側を辿り続けていたのがある瞬間から表になっているメビウスの輪。
    「ごめんね、ありがとう」の瞬間、光が差し込んで音楽が流れ始める。
    ここが開放のカタルシスのピーク。

    もつれた糸を全て解いて、すれ違いも解消みたいな事ではないし
    一度口から出た言葉は取り消せなかったりもする。
    だけど最後は全てひっくるめて2人一緒にいる事を選択した。
    それだけでハッピーエンドなんだと思う。


    しかしこれもっとスリムにできたんじゃないだろうか?
    台詞があまりにも多すぎてこれ漫画でやる必要あるか?と考えてしまう。
    漫画として一番面白かったのは上巻。(上巻は脚本上動きが多いというのもあるが)
    作者の文章を読むと上巻の内容にはかなり不本意なものが含まれているようだが、ある程度やりたいように描けた?中下では圧倒的な分量の台詞が漫画としての面白さを殺している。
    作者の演説を聞いているような気分。

    あとこの物語で男は完全に部外者。
    対立しても女を理解するのはやはり女でしかない。

  •  うん。
     「なんて無神経な人なんだろう」と、相手に対して思う時、それを思う私は無神経であるのだろう。ここがスゲーなーと思った。

    (以下ネタバレを含みます)

     正直、1話を読んだ時からこのエンディング以外無いのだろうと思っていた。
     だから上・中・下と引っ張った割には、うーん……でもある。ごめん。

     いい話だとは思う。「かわいそう」にはときめいた。兄にはイライラさせられた。
     この話って「あーし」が主人公だよね。
     でも、黒髪の彼女を含めた、あーし以外の登場人物たちが、すべて「あーしを引き立てるための書き割りにしか見えない」んだったりする。あーしも決して現実的なキャラクターではないんだけど、彼女だけ悩み変化する。それに比べると、兄や兄嫁、義弟、甥たちは……ずいぶんと一途だな、と。ある意味幸せな人たちだ。
     あーしは彼らに振り回され、悩み、選択をしている。

     たぶん、私はこれが高村薫の書くような文章での小説なら、1000ページ超えてものめりこむように読めたんだと思う。(つか、高村薫はこれを書かないだろうが)
     マンガでこれだけ動きがなくて、絵が硬くて、線画の線が弱いと……………素直に物語に入れないのだ。うん。もうこれは今まで読んできた量の仕業か好みの問題だ。

     あと、黒髪の彼女の気持ちがほんとに分からなかったんだよね。
    (いや文脈としては理解できるんだけど、も少し書き込んでもよくね? ヒロインなんだし、あーし並みに見せ場作らせてあげてよ、みたいな)

     やっぱり物語っていうのはヒロインが重要なんだろか。あー。ほんとにそれだけかもしれない。うーん。

    2013.3.18 連載にまつわるもろもろを読んでから再読。

     なんというか、20代の女の子に人生しょわせて書かせているんだから漫画家ってのはやくざな商売だなぁというか……。なんというか。
     完結できてよかったねぇ。です。

     うーん。しかし何があれど、再読してもあーしに比べてメガネさんのエピソードの欠落が目立つばかり。彼女がいかにつらい思いをしていようと、それが表に出ず、語られないまま(断片を知ることはできるが)、なぜそこまでメガネがヒロインなのかが納得出来ていないなー。
     私は設定以上の必然性を求めてしまっているのかしらね。彼女に。
     あーしの設定がも少し薄い(彼女か家族かのどちらかのエピソードしか表に出ない)のならば、バランス取れていたかもしれないけど、どっちのエピソードもなかったら完結していなかったろうしね。悩ましいところだ。

  • 納得せざるを得ないラストと、リアルな心理描写で心臓をぐっと掴まれたような気持ちになった。

    確かにハッピーエンド。殺人犯としての。

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