あげくの果てのカノン (5) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 330
感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091898869

作品紹介・あらすじ

世界を壊すカノンの恋が辿り着く先は?

高校時代の片想いから8年。
境宗介に恋い焦がれ、想い続けた高月かのんの恋は、
結果、永田町を大混乱へと導く。

親を裏切り、
兄弟を無視し、
友達を失い、
社会から疎外され、
それでも…かのんの心は境へと向かうのか。

「恋とは何か」その根源を問い続け、
全国の共感を集めた傑作が
遂に完結、第5集。


【編集担当からのおすすめ情報】
「尊いけど最低」「気持ち悪いけどわかる…!」など、
読者の皆様からのかのんや境先輩への強い共感に支えられた本作。
「一途な恋」へのファイナルアンサーを
一緒に見届けてください…!

感想・レビュー・書評

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  • 一度目、読み終わった時は「結局くっつくんかい!」と思って終わった。
    だけど二度目を読み終わったとき、なんだか涙がボロボロ出た。



    皆さんは一目惚れというのをしたことがあるだろうか。
    私はある。その人は私にとってとても美しい人で、その人は既婚者だった。私は20でその人は29で、私はあの時ほどの恋を知らない。なんにも相手にされなかった。その人は奥さんのことが大好きで、その奥さんは見た目も性格も私と正反対の人だった。そりゃ相手にされない。相手にはされないが、優しくはされた。
    それが救いだったし、呪いだった。今もまだ執着のようにその人のことを思うことがある。なぜなら一目惚れだったから。一目惚れというのはまったく厄介だ。だって頭じゃなくて心で恋をするのだ。本当に心が踊るし、その人から溢れ出る美しさに救われる。作中に出てくる先輩はまさに美形だったけど私が一目惚れした人はそうではなく、太っていたし目は細かった。一般的には美形ではないだろう、でも一目惚れだった。電流が走るというのはたぶんああいうことをいうのだろう。

    私はもう29になる。あの時のあの人と同じ年だ。それでもまだ思い出す。呪いがとけていないのだと勝手に感じる。
    でも中学生の時に一目惚れした相手のことは20のときの恋で忘れられたので(たまにTwitterで現状確認してるけどそんなもんは可愛いもんなので許してほしい)、やっぱり必要なのは新しい一目惚れなんだと思う。恋じゃない。一目惚れ。婚カツが上手くいかない理由がよく分かる。だって一目惚れなんて中々しないから。そう簡単に心に電流は走らない。

    私もカノンと同じストーカータイプなのでよく分かる。分かるんだよなぁ。狂気でしょ、もう。自分は第三者目線で見るとこんな怖いんだと知ったんだよ、この漫画で。気持ち悪いほどの執着。周りの意見聞かないし。自分のことばっかりだし。何か才能があるわけでもない。だから距離を置くしかない。私も一目惚れの人と離れる為に仕事やめてその人着信拒否したし。物理的措置。

    だからこそラストで泣いてしまったのかな。一度目で泣かなかったのは自身の一目惚れの過去を忘れていたからだ。二度目でそれを思い出した。すると涙が出てくる。理由は分からない。あのラストに自分は救われたのか、それとも死ぬほど羨ましいのか。ただ心がえぐられるように泣いてしまった。

    この作品が刺さった人には綿矢りさの「勝手に震えてろ」も読んで欲しい。小説だけど。そっちはカノンより現実的だ。でもどっちも読んでる時に恥ずかしくて死にたくなる。共感性羞恥ってやつかもしれない。
    私たちのような人間は本当に生きづらく、人を好きになりにくく、いざ好きになったら気持ち悪くなる。それでも死ぬまで生きていかなくちゃならないんだから大変だ。私のあげくの果てを早く見たい。楽になりたい。

  • 完結巻。
    物語は終わったけれど、恋に懊悩しながら生きることは続くといったところ。
    ゼリーの細胞を用いて人体を「修繕」することで心変わりが起きる、という設定は、主題のひとつであったと思うけれど、その部分の掘り下げが、結局突き詰められないまま終わってしまった印象。第27話で、「修繕」を受けた隊員は、その副作用によりゼリーと同化した姿になることが明かされるが、それが「先輩」にどう降りかかるか、カノンがそれにどう向き合うか、という展開が描かれなかったことに消化不良を感じる。

  • まさか打ち切りではあるまいと思うが、そう思いたくもなるような駆け足での幕切れで、なんとなく物足りない、これほど心を騒がせた物語が、こんなにあっさり終わっていいのかというもどかしさを感じる。しかし数多の伏線や、キャラクターの行く末を投げ捨てて、全力で自分の「あげくの果て」だけを披露して見せたかのんという女は、最後まで彼女らしかったと言うこともできるなぁと思ったり。全ページがラスト1ページのためだけに存在したような、そんな最終巻だった。

  • 「最終兵器彼女」以来のセカイ系をガワにして、なんと不倫ラブコメに仕立てました、という。
    一気読みしてしまった。
    また「勝手にふるえてろ」「寝ても覚めても」「ラ・ラ・ランド」などを思い出す、「恋愛(についての)漫画」だった。
    一体恋愛って何なの、最終的に何がゴールなの。もうわからない。
    人は変わるということをこういう描き方をするのは面白い。
    作者本人のインタビュー、編集者を交えた座談会、女子たちによる座談会、村田沙耶香との対談、大童澄瞳との対談などの記事も面白い。
    「推し、燃ゆ」が流行っている今にもつながるか。

  • 世界を壊すカノンの恋が辿り着く先は?
    高校時代の片想いから8年。境宗介に恋い焦がれ、想い続けた高月かのんの恋は、結果、永田町を大混乱へと導く。親を裏切り、兄弟を無視し、友達を失い、社会から疎外され、それでも…かのんの心は境へと向かうのか。「恋とは何か」その根源を問い続け、全国の共感を集めた傑作が遂に完結、第5集。(Amazon紹介より)

    恋とは何か。私は「乗り越えるべきもの」だと思います。一度想った人は、病のようにいつまでも心の中に残り続けるもの。それを乗り越えることが「恋」という試練であると思います。

  • どう終わるんだ終わるんだと…かのちゃん…
    とりあえずヒロが最後まで可愛くて報われなさすぎて最&高でした。
    少しは学んだのか?大人になったのか?と思ったけどかのんはやっぱりせんぱいが大好き。かのんは変われないし変わらない。強い…強すぎる…。もうよく分からない、好きってなんだろう?かのちゃんみたいに他人に依存できないのである意味とても羨ましい。いや、他人に依存する自分が救いなのかな?居心地の悪さの先を常に求めてたのかな〜放棄だけど彼女にとっては幸せなのかな〜
    自己肯定感って環境に恵まれなきゃ育たないものね。

  • 彼女の恋は無間地獄。
    あの終わり方、最高に最悪で良かった。

  • 最初で止めようかと思ったんだけど、せっかく読み始めたことだし、長い物語でもないからと全読了。しかしイマイチ。

  • ・25話
    壁内のゼリーはどうなっているの。
    これはきっと初穂さんにしか分からないし解決出来ない事なのかな。

    思い通りになると錯覚できたのは、出来ることと求められる事が一致してただけ。

    ・26話
    松木平くんみたいな人にずっとそばにいられたら甘えちゃいそう。
    最近見ないけどヒロはどうしてるんだろう。

    愛する人を失った世界には、どんな色の花が咲くの。

    ・27話
    心変わりがあるなんて言っても、実際修繕受けてない人には他人事だもんね。

    抑止剤では無く促進剤。初期に初穂が実験してた、ゼリーに攻撃するとゼリーで修繕したところも共鳴する〜みたいなのも気になるし、初穂の逃げた後してた研究は一体どういうものだったの。

    ・28話
    「変わりたくなかった。約束守れなくてごめん」
    そんなこと言われたら、馬鹿としか言えないじゃないですか。

    ヒロくん健気だなあ。元気そうで良かった。

    ・29話
    お腹がいっぱいになったら、脳裏に焼き付いた先輩から逃れられるかな。

    ・最終話
    ヒロー!ヒロも想い続けてたんだねかのんのこと。
    松木平くんとかどうしてるんだろ。

    新しいゼリー、雨、不穏な兆し。
    それでもあなたが世界の全て。

  • すごく好きでたまに読み返したくなる。

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