1978年(底本1965年)刊行(初出年不明)。
▼秘術 ▼百法 ▼オムツの風 ▼割腹 ▼タタリ㈠㈡㈢ ▼水 ▼新奉行㈠㈡ ▼山彦くずし ▼変わり身 ▼直訴㈠㈡ ▼雲寄せ ▼迷い葉 ▼一揆㈠㈡㈢(カゲリの巻)。
異母弟小猿の成長を楽しみに、そして人々の暮らしのため、庄屋の進める用水路建設に力を貸すサスケ。
一方、用水路建設には強奪された横領金塊が用いられていることをネタに、私腹を肥やさんとする江戸幕府の郡代官。
さらに、この争闘模様を冷めた目で見つめる由井正雪ら。彼らは幕府機構の転覆なしに事態の改善は望めないと考えているのだ。
その帰結は、横領金塊の強奪の罪を一身に被った庄屋の自害。それに端を発する直訴、そして一揆。
が、一揆の結末は見るも無惨。加担した百姓らの磔刑、あるいは曝首刑。その中にはお梅の姿も。◇何とか生き延びたサスケは、姿の見えなくなった小猿を探し、夢遊病者の如く荒野を彷徨う。
サスケをつけ狙っていた柳生十兵衛にすら憐憫されながら…。
支配層・権力者層への対抗意識と冷ややかな目線。それなのに被支配層はなすすべなく、あるいは自らの選択で辛酸を舐める道が選ばれていく。
この乾ききった物語運びとその直接的な描写が刺さるマンガは、最近の作品にはなかなか見られない。
換言すれば、著者独特の作風だというのが伝わる逸品である。