スター・レッド (1) (小学館文庫 はA 2)

著者 :
  • 小学館 (1995年4月15日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (533ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091910127

感想・レビュー・書評

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  • 萩尾さんの長編の主人公で、彼女以上にかわいそうな人はいないよ…。と何度読んでも憐れに思ってしまうのです。僭越ながら。

  • 連載当時衝撃が走る、当時SF少年だったアタクシは毎週少女コミックを買いむさぼるように読んでいた(キモ)
    命をつなぐ事が何より重要な火星人
    生命を生み出す火星の拠点を巡る宇宙規模からすれば小さくもある「族=火星人」の気持ちはキセキの勝利を得られるのか?(譲れないのだ)
    郷愁・母性をテーマに描かれ、女性を美しく感じます
    背景に人類の進化とそれをコントロールする「神」にも見まがう異星人(ゼスヌセル人)が無慈悲に管理する・・・その畏怖への気持ちを掻き立てるのは萩尾望都様の恐ろしい手腕

    改めて、火星という環境で進化(ベーブマンに言わせると退化)により得た超能力、色素が薄れ光を捕えない目を補うように超能力が二世・三世と進むにつれ強くなる
    一族の最強はテトラ(四世)だが、物語の主人公はペンタ(五世)、星・ペンタ・トゥパールはエルグにより故郷火星に誘われる
    宇宙の法則を外れる超能力を畏れる異星人は調査員としてエルグを派遣していたのだが、巨大な精神能力を有する星は火星に恋い焦がれるものの子の星こそ異星人にとり全ての元凶として破壊してきたのだった
    (火星=赤色螢星=超次元における形の無い生命体=アミの巣くう赤い星)

    火星は破壊される
    火星人はプロキシマの方へ移ったらしい
    (どうやって?)
    そしてエルグも超能力者であるのだが、アミを畏れる異星人のもと能力を封印する角(ユニコーン)を壊し、古えのアミの巣くう星で何かを変える役目をもつようだ
    一番古い星に精神を取り込まれた星はヨダカの体に無理やり胎児として入り込みこの世に出生(ジュニア・セイ)する・・・ヘクサ(六世)火星人は未来に何を見せてくれるのだろうか

    スターレッド、赤い風の吹く、星の生まれた遠いキャラバンはもうない

  • エルグが角を折るシーンの美しさが忘れられない。男の子だったのに妊婦になっちゃうヨダカが好きでした。

  • ‘きみを独り占めし
     数千年の孤独を すべてうめたかった’

    異端とか異質とか異形とか、そういうものの「哀しみ」を描くのが、凄まじく上手いと思うのです

  • ーたとえばここで こうしてきみとぼくが対話していることが
               なにかこの宇宙に意味を持ってるだろうか?

    ーまたこの宇宙のどこかにいるのなら…受けとっておくれ 
       すべての柱に 地に ぼくはきざみこむ「きみを 愛している」と
     
     きみを愛している
        ぼくは美しい星に住む 美しい生命でありたかった

  • いまさらではあるが、やはり。
    萩尾望都おそるべし。

  • 萩尾望都の思想が先進的で既存価値観から自由なことにほんとにびっくりする。これが50年近く前に描かれたのか。。。 宇宙空間での永遠の孤独、意識と肉体の乖離や存在の定義、視覚と世界認識などなどSF 設定をとおして哲学が語られていて示唆がある。頭のいい人だったんだろうな。未来を現在に伝えようとするシーンはインターステラーの本棚のよう。ノーランの40年前にこれがあったのか。この漫画でギリシャ語の数字を覚えた。わたしの知識の大半は漫画からきてる

  • 生涯初めてから二番目に読んだ本。母が自宅に所蔵していた。生涯初めて読んだ本である手塚治虫『アトムキャット』(秋田書店?)に、主人公の飼い猫が大昔主人に殉死させられた猫の怨霊を打ち倒す話があったが、この物語にもそれと同様に「人間のエゴ」が絡んでいる。地球人たちのエゴに対してエゴで応じる火星人たち。双方を血で血を洗う争いから解き放とうとする主人公だったが…。もし時雨沢恵一がこの物語を描いたなら、地球人も火星人も「同じ穴のむじな」つまり自分たちの都合しか頭になく、かつそれに自覚のない集団とするだろう。そしてもし、かの男装の旅人が登場するなら、主人公の少女を「無力な中立」つまり双方にとってのいい面の皮として見るだろう。結局、この作品も、時雨沢氏の作品同様「無自覚のエゴ」を描いているように思える。作者の意図は知らないが。

  • 超能力をこういう風に扱う作品を、私は見たことがない。
    圧倒的な力。進化の力。特別な力。畏怖すべき力。こういうのがよくある扱いだと思う。
    畏怖すべき力、という点ではこの作品もそういう扱いをしているが、「何に畏怖しているか」が異なる。この作品において、畏怖している先・・・これは萩尾望都ならではの着眼点だと感じる。

  • 萩尾作品で個人的ナンバーワン

著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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