- Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091910196
作品紹介・あらすじ
萩尾望都が描くアンファン・テリブル。
第一次大戦直後のパリの街角。エリザベートとポールの姉弟にとって、その部屋は夢幻の王国だった。宝物遊び、夢遊び。無軌道な子どもたちいの永遠に似た混沌。だが、思春期の情熱がまどろみを破り外の世界があらわれた時、すでに悲劇は約束されていたのだった…。ジャン・コクトーの小説詩をもとに子どもたちの純粋で危険な世界を描き出す、萩尾望都のアンファン・テリブル!
感想・レビュー・書評
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姉弟のこじれた兄弟愛を描いた一冊。
姉は弟の気をひこうとやっきになり、弟は姉に当たり散らしたり自慢ばかりしてる。でもそういう行動を通して、お互いがお互いを保っている。
そんな中2病をえんえんと引きずっている2人が、行き着くところまでいき、姉のふとした言動で、ずっと続くと思っていた夢のような世界はがらがら崩れていく。
ありえない話なのに、どこかこういう度を超えた関係、やりとりに対する憧れみたいなものがあって、なんだか共感する。 -
ジャン・コクトーの同名のタイトルをもつ小説をマンガで表現した作品で、エリザベートとポールが主人公の姉弟の物語です。
無邪気であるからこそ残虐な「恐るべき子どもたち」である姉妹は、高らかに笑い声をあげながらおたがいを傷つけたり、傷つけられてはばかることなく涙を流したりします。
『トーマの心臓』をはじめとする作品で、古き良き時代のヨーロッパを幻想的な筆致でえがいてきた著者が、コクトーの世界観をマンガで表現しており、そうした意味でも興味深く読むことができました。著者の比較的初期の作品で、やや線が硬いところもありますが、かえってそこに独特の緊張感を感じとることができるようにも思います。 -
家の中で限られた人間関係の中で生きてる。それはやはり登場人物不足で役を多く背負ってしまうのか。ここから抜け出したほうがいいのだろうか。わたしは自分の世界に入れる人もきっと選んでしまっていて、自然の中に入っていない。こわいんだろうな。ずっと子供。わたしも同じ。
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コクトーよりもこちらを先に読んでしまったのだけれど、コクトーの世界をここまで日本の少女マンガで表現できることの凄さが後になってわかりました。
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ジャン・コクトーの同名小説の漫画化。原作では三人称の部分を、モノローグにしていたり(「でも あれは ただの雪の玉じゃ ないんだ…… ダルジュロスの手にふれたら 雪の玉だって 九枚刃の ナイフより 危険なものになっちまう」のあたり)、ラストの混乱も、これしかないといった感じがして、原作よりもその世界を上手く表現していると思わせる。すごい。
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原作の世界が温度を持って広がっているような印象を受けた。小説を読んだとき腑に落ちなかった部分がすっと入ってきた。
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これは見事。
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1冊で完結。
わかりにくいところがあった。
著者プロフィール
萩尾望都の作品





