麒麟館グラフィティー〔小学館文庫〕 (1) (小学館文庫 よB 1)
- 小学館 (1995年10月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091910813
作品紹介・あらすじ
北の街の麒麟館。愛と友情の長編ドラマ。
北の街、札幌に60年続く古い下宿館がある。その名は麒麟館、夢と希望に輝く若者の家だ。 名物大家のこるり婆さんが逝ってしまい、曾孫の妙が管理人としてやってきた。引っ越しの日、妙は道で家出した人妻菊子を拾うが、彼女の夫、宇佐美秀次は妙の初恋の男だった…。 北海道の四季を背景に、せつなく苦い、愛と友情と青春の日々が始まる。
感想・レビュー・書評
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吉村明美さんの作品で一番好きなシリーズ。
少女漫画としては、結構衝撃的な漫画だった記憶が…。あらすじを書いてみるとやはり最初は少女漫画的設定なんだけど…
主人公妙はアパート「麒麟館」の管理人をやっている、女っ気全く無しのたくましい人物。ひょんなことから天然な菊子を拾ってしまい、一緒に暮らすことに…。菊子は妙と全く対照的でぽわぽわした女の子らしい子で、家事は万能。でも実は菊子は妙が学生時代に片思いしていた宇佐美先輩の奥さんだった…。
宇佐美先輩は一見頭も顔もよく、万能なんだけど、菊子に対しては異常な亭主関白ぶりを発揮する男。その宇佐美に対し、妙と菊子が恋のライバルという不思議な関係でありながら、タッグを組んで立ち向かっていくというストーリーになっている。
ここで衝撃的だったのは世間的に完璧で口も達者、態度も横柄、でも暴力的な男性に対し、泣き寝入りするとか逃げるとか、もしくは少女漫画的に言うと、黙ってても誰かが助けてくれる展開とかになりそうなのに、なんだかんだと二人で立ち向かっていくところ。とりあえず、自分の居場所は待っているだけではできないんだよ、自ら動かなきゃ駄目なんだよ…ということを教えられた漫画である気がします。
社会的に優位にある宇佐美に対抗するのは非常に困難な道なんですよ。妻の菊子はというと、いらぬ知恵をつけぬ前ということで、高校卒業してからすぐ結婚させられ、男性には尽くすものという古風な女性観を持たされている。だから、宇佐美が菊子の罪悪感を利用して追い詰めるなんてお手の物。でも菊子は、妙からの援護射撃を受けて、彼女が本来持つ優しさや強さを武器に、彼女なりに暴君に立ち向かっていく、そのいじらしさに涙したり…。
なにせ宇佐美も口が立つだけに、それに対抗するにはさらに上を行かなくちゃいけない。言語の応酬では妙の切り返しにエールを送ったり(口論は妙の役割!)、納得させられたりして…。自分も理論武装のためにこのフレーズはいただこうと思ったりした記憶があるなぁ。とにかく一言一言が身にしみた漫画でした。
でもただ緊張感あるだけじゃなくて、ユーモアや遊びが根底にあるところは薔薇のためにと同じ。漫画は借りるか立ち読みですませる派だったのですが、大人になって買い揃えたシリーズのひとつです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
登場人物全てが愛しい。湧く憎しみも、後に愛しい。何度読んでも泣く。
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激しくも優しい情景が心に残る。
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頭の回転がこれくらい良くなりたい…と思ったw
こんな恋愛があると思うと頑張れる、、かもー! -
札幌の下宿館の、切なく苦い愛と青春の物語。笑えるマンガですね(^-^*)
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大学生でアパートの管理人の妙は家出主婦菊子を拾う。しかし彼女は憧れていた先輩の妻だった。なぜあんないい男の元から家出してくるのかと妙は菊子を責めるが、実は旦那は外聞だけがいい卑劣な男だった。妙の住むアパートや菊子に次々と嫌がらせを仕掛けてくるが・・・。
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先が気になる作品。
ところどころに笑いあり、涙あり。先が気になり一気に読破しちゃいました。
主人公たち以外のサイドストーリーもいい感じ。 -
色々あって面白いの。
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吉村明美代表作。これも昼ドラのドロドロ好きには楽しめるかと。さすがにちょっと絵が古いかもしれない。