STAY (1) (小学館文庫 にA 3)

著者 :
  • 小学館 (2010年9月15日発売)
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本棚登録 : 255
感想 : 24
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091911957

作品紹介・あらすじ

「娚の一生」の作者が贈るもう一つの地方女子物語。

とある地方で、のどかな日々を過ごす「県立川中高校演劇部」の面々。内面は乙女なのに男らしいルックスで女子にモテてしまう玉ちゃん。舞台役者に恋して、劇団入りを目論む宮。エロネタに実力を発揮する脚本担当・山ちゃん。カッパに執着する優等生リカ。家庭を支えることにも忙しい部長のよーぴん。5人娘はそれぞれ「ひと夏の思い出」を作れるのか!? イケてないけど今しか無い「青春」が鮮やかに(?)描かれる傑作オムニバス・ストーリー。

感想・レビュー・書評

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  • みんな可笑しくてみんな可愛い

  • 高校生女子、演劇部の面々を主人公とするオムニバス。
    3、4巻のさとう君とみちるの話は森見図書に通じるところがあるかも。人を好きになる時の青臭さとかかっこわるさを垣間見るかんじ。
    風変わりなみちるに惹かれながらも、のらりくらりとかわされてしまうさとう君。漂う空気は滑稽なのだけれど、間抜けで恰好悪くてずるくても、人を好きにならずにはいられないさとう君の寂しさや弱さには涙してしまう。

    登場人物では1巻にでてくる刈川さんが好き。掛け値なしの優しさに泣く。
    とにもかくにも、とても良かったです。

  • 女子演劇部の女の子達を描いたちょっと変わった青春群像劇。
    第一巻の前半はまさに作品の導入編。これからのキャラクターが各話に登場。

    文庫版一巻の見どころは後半、STAYリバース~双子座の女~にあります。
    一話にて他校生として出演していた刈川エリを主軸とし、校内で人気者の双子の生徒との交流を描いた本作。

    話自体はなんともコミカルな演出で笑いを含めながら読めますが、中心に置かれたテーマはとても重苦しい。
    清雅の純真な美しさと刈川エリの嘘のない優しさが、憧れを抱くほど眩しくて暖かく、しかし痛くもあり、何度も胸に迫りました。

    このテーマを重々しくなく爽やかに描ききる西先生には脱帽しました。

    ずっと大切に何度も読みたい作品です。
    胸を張って、オススメします!

  • 喉をカラカラにして読んだ本。みんなえらい。

  • どんどん惹き込まれた。いわゆるキラキラした、リア充的な青春ではないけど、10代の未熟なときにしか経験できないことがここにある。淡々とした日常を描いているだけなんだけど、在りし日の思い出っちゅーかノスタルジーっちゅーか、そういうものが思い出されるのよね。半径10メートルが世界の全てだと思い込んで、そこで一喜一憂して。でも大切だったんだよそーいうのがさ!

    西炯子さんの作品って、モノローグが少なくて直接登場人物の心情はわからないんだけど、行間から雄弁に伝わってくる。

    あとやっぱり1番印象に残ったのはトランスジェンダーの会長さんの話。あれ、トランスジェンダーに加え、双子近親相姦の同性愛という三重苦!
    夜の海で見つめ合う2人。緊張感。お互いへの気持ち。痛いほど伝わってくる…

  • 西炯子は数冊しか読んだことがないのだけど、それでも、初期の学生ものを読むたびに「天才だ...」と思う。
    絵やコマ割り、特に台詞を見ると先生は本をたくさん読む人なのかなあと妄想が広がる。
    刈川さんが良いキャラです。

  • レンタルコミック

  • 西さんの青春群像劇。 前半は、とある演劇部員たちがオムニバス形式で主人公になって話が紡がれる。 いろんな子のいろんな想いが交錯するけど、どの感情にも共感できたな…。
    それはきっと、私が年齢を重ねているだけが理由じゃなく、私たちの周りにいる「普通の人たち」の話だから。 ちょっとどこか変わっていたって、全員同じじゃないのは当たり前で、それが普通なんだよな…ってスゴく感じた。

    後半の刈川さんの話が特に良かった。 損得なしで優しくしてくれる友達…人生で何人出会えるかな。
    ひたすらに真っ直ぐで嘘のない、しなやかな強さと大きな優しさを持っている愛情深い刈川さん。 こんな女性になりたいな〜って素直に思える、とても素敵な人だった。

  • 何の収穫もない残念な休日を、一瞬でキラキラさせてくれた素敵な作品。結局人の心を揺さぶるのは何気ない日常の中にある健気な心情なのだと思う。孤独を分かち合える大切な人。それさえあればどうにか生きていける。

  • 全巻読了。

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著者プロフィール

鹿児島県出身。1988年『待っているよ』でデビュー。代表作は『娚の一生』『姉の結婚』。

「2018年 『キスする街角』 で使われていた紹介文から引用しています。」

西炯子の作品

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