- 本 ・マンガ (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091912510
作品紹介・あらすじ
時を超えて生きるバンパネラ一族の大ロマン
青い霧に閉ざされたバラ咲く村にバンパネラの一族が住んでいる。血とバラのエッセンス、そして愛する人間をひそかに仲間に加えながら、彼らは永遠の時を生きるのだ。その一族にエドガーとメリーベルという兄妹がいた。19世紀のある日、2人はアランという名の少年に出会う…。 時を超えて語り継がれるバンパネラたちの美しき伝説。少女まんが史上に燦然と輝く歴史的超名作。
感想・レビュー・書評
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1976年(昭和51年)第21回小学館漫画賞少年少女部門受賞
別冊少女コミック1972年から1976年連載
読んでいたつもりだったけれど
私は『りぼん』派で、購入は『りぼん』
友達に借りながらの「ポーの一族」だったので
再読していなくて記憶は希薄だった
今年の三越「ポーの一族展」に行ってきたので
しっかり再読
ちなみに図書館にありました
ポー展は 残念な感じだったけれど思い出すきっかけになったから良しとします
バンパネラ(吸血鬼)の伝説を題材にした
美少年吸血鬼エドガーをめぐる物語
「ポーの一族」 1972/10
1880年頃
ロンドンから海辺の街に移り住むエドガー家族
人間社会に紛れながら 仲間とする者を探す
アランとの出会いの場
「ポーの村」1972/5
1865年 グレンスミスがバンパネラのポーの一族の村に迷い込む
「グレンスミスの日記」1972/6
ポーの村続編
スミスの子孫がポーの村の事を書いた日記を見つける
「すきとおった銀の髪」1972/1
これが当時の第一作だったようだ
エドガー一家の屋敷でメリーベルと遊ぶチャーチル 一家は再び移動していく
30年後 チャーチルは成長していないメリーベルとエドガーに出会う
「ペニー・レイン」1975/3
1879年エドガーは 山賊に襲われる
アランの遺体と共にウィッシュの館で彼の目覚めを待つ 生存するため通りがかりの家族を襲い血を奪う その家族の子供リデルを育て始める
「はるかな国の花や小鳥」1975/7
バンパネラとなったアランと エドガーは 二人で転々とした生活を続ける
バラが咲き誇る庭の女主人の幸せにみえる辛い過去
「リデル 森の中」1975/4
1940年 リデルが語るエドガーとアランとの思い出
「一週間」1975/10
エドガーが用事で留守をした一週間のアランのお話 人間の女の子と楽しく遊んで待つも やっぱり帰りを待つアラン
元々 時間を前後させながら描かれているところを 掲載順がそれとは異なり そしてこの文庫化の順番はまた違うのね
冷ややかな美少年エドガーとツンなアランの
名コンビ
続けて読みます
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久しぶりの再読です。ああ、やっぱり名作だぁ…。初めて読んだ時はただバンパネラの悲しい運命、エドガーの強い愛情と意志、メリーベルの愛らしさに打たれたのでした。ヨーロッパの、つまりキリスト教文化圏の歴史の知識が増えた今読んで、異質なものへの嫌悪と排除の悲しみと恐ろしさに戦慄しました。これが50年以上前に書かれたのですよね。
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読んでいくと映画をみている錯覚に陥る。画力も物語も全てが芸術的です!
全ての話がつながりをもち色々な見方ができるからまた凄い!
日本漫画界傑作のシリーズ。
エドガーの魅力に酔いしれよう。
ぜひ〜 -
「きみもおいでよ、ひとりではさびしすぎる…」
永劫の時を生き続けるカンパネラ(吸血鬼)であるポーの一族。美少年吸血鬼であるエドガーと彼らに関わった人間達の一大群像劇。
萩尾望都の絵は美しく退廃的で、哀しみに彩られた一族をまるで絵画のように描き出している。歴史的名作! -
タイトルだけは有名すぎて知っていた「ポーの一族」。
急に気になり文庫版を購入。
なるほど。名作とうたわれるのがよくわかる。
時系列に物語が進まないのが、またいい。
こことここがつながるのか~という感動。 -
少女マンガの超王道。ここまで有名作品だと説明しづらい…。
永遠を生きるヴァンパネラ一族の若いエドガー、妹のメリーベルへの慕情、死ぬものへの眼差し、共に長い時を生きる友人アラン。
すべてのコマが美しく叙情的。
ラストでの疑問。
エドガーとアランが火に包まれて終わるけれど、私は何の疑問もなく二人とも死んだのだと思っていた。しかし友人は「アランは死んだだろうけど、エドガーは生きている!」と断言。そうだとするとエドガーは一人でまだ旅を続けてるのだろうか。それはそれで寂しいような、でも希望があるような。 -
よしながふみさんの対談本を読んでいたら、萩尾望都先生の話がたくさん出てくるので、ポーの一族を読み返してみたくなりました。
この文庫本の表紙の絵が美しい
少女漫画はあまり好きではないが
萩尾望都は別だというのがすごくわかる
歴史スペクタクルって感じ
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吸血鬼の一族として大人になれない少年エドガーと、途中から一族に加わったアラン。長い長い時を生きる孤独と、その運命を受け入れている強さに引き込まれる。
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あまりに好きな作品なので、むやみに読み返さないようにしている(…うーん、我ながらヘンなファン心理だなあ)。でもまあ、四十年ぶりの新作を拝んだあとなのだからして許されるだろう(誰に?)と久しぶりに再読。あっという間に物語に連れ去られてしまう。
今さら言うのもなんだけど、語り方の妙にしびれる。第一話でメリーベルは死んでしまう。エドガーは生きる意味の失われた世界で、永遠に生きる宿命を負う。こんな始まりをいったいどうやったら考えられるのだろう。物語は、中篇短篇とりまぜて、時間を行き来して提示されるが、エドガーの心はメリーベルの死の時点に縫い止められているようだ。
この文庫版第一巻で世評の高いのは、何と言っても「グレンスミスの日記」で、いや実に抜群の完成度だと思う。複数の漫画家の方が「読んで打ちのめされた」と語っていたが、さもありなん。たった24ページのなかに、人の一生がありありと立ち現れ、この世に生きることの切なさが惻々と胸に迫ってくる。ポー全話のなかでベストかも(いやそんなこと決められないんだけどさ)。
この次の「すきとおった銀の髪」も好きな作品。大きな流れにからんでくるわけではない小品だけど、そのさりげなさがいい。エドガーとメリーベルは、年をとることなく長い長い時間を生きるのだという実感が胸にしみ通ってくるようだ。こうしたごく短い作品があってこそのポーの世界だなあと、あらためて思った。 -
大学生の時、哲学の先生が萩尾望都の愛読者であったらしく――学生にも読みやすい“哲学の入門書”的な位置づけで紹介された。
その頃にも既に古い漫画ではあったが、萩尾望都の作品は、読むほどに味わい深く、ひたひたと心に染み渡ってゆく。
耽美とファンタジーとミステリーとホラーの融合する――人間の時間から切り離されたバンパイアの悲しみと苦しみ、そのバンパイアへの憧憬と畏怖を描いた傑作。-
「バンパイアへの憧憬と畏怖を描いた傑作。」
怖がりでホラーは殆ど読まないのですが、此れを読んだ所為で、ヴァンパイア物だけは読むようになりま...「バンパイアへの憧憬と畏怖を描いた傑作。」
怖がりでホラーは殆ど読まないのですが、此れを読んだ所為で、ヴァンパイア物だけは読むようになりました。2014/04/25
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著者プロフィール
萩尾望都の作品






文庫化は3巻で これは高くない
まだ新品でもあるし中古もある
文庫を最初から読んでいるんだ...
文庫化は3巻で これは高くない
まだ新品でもあるし中古もある
文庫を最初から読んでいるんだけど
ストーリーの時間は行ったり来たり
これ完全に把握するには購入必要かなと思っている
でも耽美を感じるなら一回でも可
文庫は全部図書館にありました