- Amazon.co.jp ・マンガ (367ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091912541
作品紹介・あらすじ
西暦2999年。人々は生殖能力を失い、世界はただ1人の聖母マザによって形づくられていた。そのマザ暗殺から始まる傑作SF!
感想・レビュー・書評
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後書きが安彦良和さんでちょっと得した気分。できればイラストでも落書きでも入れて欲しかったと欲張ってしまった。彼と同じように私もいわゆる思春期の揺さぶられるようなという萩尾望都体験というものが無い。結構な大人になってから復刻された文庫で読み始めたクチである。マージナルはまだ文庫本の1巻しか読んでいませんが既に夢中。合う合わないでいうと非常に好みの世界観。後追いで作品を読み始めた中でも上の方に位置しそうな予感。続きが楽しみ。
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マージナルは、所々読んだところもあるけれど、どうも全編通して読んだことはないようだ。この終末が近づいている世界とか閉塞状態にある世界とかってテーマが萩尾作品には良く出てくるけれど、その中で人々がどう行動していくかってのが、それぞれ違っていてすごいな、と思う。
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西暦30世紀目前の地球、環境問題の悪化の果てに女性が絶滅し男性だけが残った。滅亡の一途を辿る地球人の中でただ一人、出産の役目を授かった聖母(ホーリー・マザ)が暗殺される事件から、物語は幕を開ける。
古くは手塚治虫の「ふしぎなメルモ」のように「性」をストレートに扱ったマンガは少なくない。その中でも萩尾氏は、一貫して「性」を扱ってきた方である。そんな氏の長編作品の中で、おそらく最も性を鋭く突いた作品の一つと言えるだろう。さらに今回は「受胎」まで射程に捉えていた。
近年、小説家の桐野夏生氏は「東京島」を通じて偶発的に生じた原始的な小集団生活の中の「現代的な」女性性を丹念な描写で描いた。この作品は「根源的な女性性」を表すという点で共通する部分が少なくないが、描き方としては真逆である。すなわち、運命的に生じた近未来的な大規模集団の中での「詩的な」女性性を抉りだしているからだ。
Marginal の登場人物の一人は次のように語る。「母体は子宮とは別の人格だ」と。それを象徴するかのように、物語の主役の一人であるキラは操作不能な暴力性を持ち、と同時に生命を宿す特殊能力を備える。
物語を読み進めるにつれて「孕む」こと、「産む」ことの果てしない暴力性にときに呆然とし、ときに安堵した。そうした激しい海練と潮の緩急の中でのみ<命>は生まれ、脈打ち続け、その運命に僕らは一向に抗えないという気持ちを抱いた。
変わらず萩尾先生のメッセージは軟弱者の自分にはかなり手厳しいものだった。 -
萩尾望都の最高傑作。
男しか残っていない汚染された未来の地球が舞台。
メイヤードのキャラがいい。一見、冷酷そうな地球管理人、「市長、あなたにだって胸ぐらいつくれるんですから」と薄ら笑いを浮かべて、市長の不興を買うシーン、あの不適切発言、物語の最後で、自分のことだったのか自分を蔑んでいたからこその発言だったのか、と了解できる。そしてなんか泣いてしまう。
「マージナル」のプロトタイプといえる「スターレッド」にも、火星管理人の敵キャラがでてくるけど、本作のメイヤードはなんともいえないふくざつな翳りを帯びたキャラに仕上がっていて、萩尾作品のキャラのなかでも屈指の出来。 -
あかほりさとる『セイバーマリオネットJ』よろしく、男だらけの地球が舞台。星間規模のスケールと、未来へのひとひらの希望を感じさせる結末がいかにも作者らしい。
遺伝子操作によって生み出された主人公と、彼の素体となった、星間企業から地球に遣わされた男性(いわばラスボス)との関係が、某TVアニメのそれを彷彿とさせた。 -
男性ばかりが暮らす世界となった2999年の地球を舞台にしたSF長編作品です。
ただ一人の女性である「聖母」(ホウリ・マザ)が人びとの前にすがたを現わす日に、目もとに青い刺青をもつ青年グリンジャが「都市」(シティ)を訪れ、マザの暗殺計画を実行に移します。都市を抜け出し砂漠を旅する途中で、グリンジャは行き倒れになっていたキラという少年を救います。その後、死にぞこないのアシジンと名乗る青年にキラの身柄を売りわたしたグリンジャでしたが、キラが盗賊にさらわれ、アシジンとともにキラの救出に向かいます。
『スター・レッド』と同様に、特殊な来歴と能力をもつ登場人物がその来歴ゆえに過酷な運命に翻弄されるという物語です。とくに本作では生殖が管理されているという、現在では相当にあつかいのむずかしくなっているテーマに挑戦した作品ですが、少女マンガの表現の可能性を大きく切り開いてきたキャリアをもつ著者の先駆性には目をみはらされました。 -
萩尾望都さんを知って、ものすごく興味を持ってブックオフで数冊買った。
初めは半神がよみたかったんだけど、見つからず。トーマの心臓にしようと思ったら、間違えて小説を買ってしまっていた。
そんな感じで私の初めての萩尾望都作品はマージナルの1巻になりました。神様がきっとこれにしろって言ってるんだな(*^^*)
すごく素敵な雰囲気の、小説みたいな漫画。テーマも好きな感じ。辿り着くべくして辿り着いたみたいな感じ。続きも読ませて頂きます。
萩尾望都様、これに辿り着かせてくれたいろんなモノ達よ、ありがとう。☆.。.:*・°( ´-` ).。.:*・°☆.٭•。❁。.*・゚ .゚・*.❁。.*・٭•。 -
1〜3巻
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漫画を紹介する雑誌の特集で見つけた作品。自分には少し難解なところもあるが、読み応えのあるストーリーだった。
著者プロフィール
萩尾望都の作品





