- Amazon.co.jp ・マンガ (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784091912541
作品紹介・あらすじ
西暦2999年。人々は生殖能力を失い、世界はただ1人の聖母マザによって形づくられていた。そのマザ暗殺から始まる傑作SF!
感想・レビュー・書評
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後書きが安彦良和さんでちょっと得した気分。できればイラストでも落書きでも入れて欲しかったと欲張ってしまった。彼と同じように私もいわゆる思春期の揺さぶられるようなという萩尾望都体験というものが無い。結構な大人になってから復刻された文庫で読み始めたクチである。マージナルはまだ文庫本の1巻しか読んでいませんが既に夢中。合う合わないでいうと非常に好みの世界観。後追いで作品を読み始めた中でも上の方に位置しそうな予感。続きが楽しみ。
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マージナルは、所々読んだところもあるけれど、どうも全編通して読んだことはないようだ。この終末が近づいている世界とか閉塞状態にある世界とかってテーマが萩尾作品には良く出てくるけれど、その中で人々がどう行動していくかってのが、それぞれ違っていてすごいな、と思う。
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西暦30世紀目前の地球、環境問題の悪化の果てに女性が絶滅し男性だけが残った。滅亡の一途を辿る地球人の中でただ一人、出産の役目を授かった聖母(ホーリー・マザ)が暗殺される事件から、物語は幕を開ける。
古くは手塚治虫の「ふしぎなメルモ」のように「性」をストレートに扱ったマンガは少なくない。その中でも萩尾氏は、一貫して「性」を扱ってきた方である。そんな氏の長編作品の中で、おそらく最も性を鋭く突いた作品の一つと言えるだろう。さらに今回は「受胎」まで射程に捉えていた。
近年、小説家の桐野夏生氏は「東京島」を通じて偶発的に生じた原始的な小集団生活の中の「現代的な」女性性を丹念な描写で描いた。この作品は「根源的な女性性」を表すという点で共通する部分が少なくないが、描き方としては真逆である。すなわち、運命的に生じた近未来的な大規模集団の中での「詩的な」女性性を抉りだしているからだ。
Marginal の登場人物の一人は次のように語る。「母体は子宮とは別の人格だ」と。それを象徴するかのように、物語の主役の一人であるキラは操作不能な暴力性を持ち、と同時に生命を宿す特殊能力を備える。
物語を読み進めるにつれて「孕む」こと、「産む」ことの果てしない暴力性にときに呆然とし、ときに安堵した。そうした激しい海練と潮の緩急の中でのみ<命>は生まれ、脈打ち続け、その運命に僕らは一向に抗えないという気持ちを抱いた。
変わらず萩尾先生のメッセージは軟弱者の自分にはかなり手厳しいものだった。 -
萩尾望都の最高傑作。
男しか残っていない汚染された未来の地球が舞台。
メイヤードのキャラがいい。一見、冷酷そうな地球管理人、「市長、あなたにだって胸ぐらいつくれるんですから」と薄ら笑いを浮かべて、市長の不興を買うシーン、あの不適切発言、物語の最後で、自分のことだったのか自分を蔑んでいたからこその発言だったのか、と了解できる。そしてなんか泣いてしまう。
「マージナル」のプロトタイプといえる「スターレッド」にも、火星管理人の敵キャラがでてくるけど、本作のメイヤードはなんともいえないふくざつな翳りを帯びたキャラに仕上がっていて、萩尾作品のキャラのなかでも屈指の出来。 -
あかほりさとる『セイバーマリオネットJ』よろしく、男だらけの地球が舞台。星間規模のスケールと、未来へのひとひらの希望を感じさせる結末がいかにも作者らしい。
遺伝子操作によって生み出された主人公と、彼の素体となった、星間企業から地球に遣わされた男性(いわばラスボス)との関係が、某TVアニメのそれを彷彿とさせた。 -
男性ばかりが暮らす世界となった2999年の地球を舞台にしたSF長編作品です。
ただ一人の女性である「聖母」(ホウリ・マザ)が人びとの前にすがたを現わす日に、目もとに青い刺青をもつ青年グリンジャが「都市」(シティ)を訪れ、マザの暗殺計画を実行に移します。都市を抜け出し砂漠を旅する途中で、グリンジャは行き倒れになっていたキラという少年を救います。その後、死にぞこないのアシジンと名乗る青年にキラの身柄を売りわたしたグリンジャでしたが、キラが盗賊にさらわれ、アシジンとともにキラの救出に向かいます。
『スター・レッド』と同様に、特殊な来歴と能力をもつ登場人物がその来歴ゆえに過酷な運命に翻弄されるという物語です。とくに本作では生殖が管理されているという、現在では相当にあつかいのむずかしくなっているテーマに挑戦した作品ですが、少女マンガの表現の可能性を大きく切り開いてきたキャリアをもつ著者の先駆性には目をみはらされました。 -
萩尾望都さんを知って、ものすごく興味を持ってブックオフで数冊買った。
初めは半神がよみたかったんだけど、見つからず。トーマの心臓にしようと思ったら、間違えて小説を買ってしまっていた。
そんな感じで私の初めての萩尾望都作品はマージナルの1巻になりました。神様がきっとこれにしろって言ってるんだな(*^^*)
すごく素敵な雰囲気の、小説みたいな漫画。テーマも好きな感じ。辿り着くべくして辿り着いたみたいな感じ。続きも読ませて頂きます。
萩尾望都様、これに辿り着かせてくれたいろんなモノ達よ、ありがとう。☆.。.:*・°( ´-` ).。.:*・°☆.٭•。❁。.*・゚ .゚・*.❁。.*・٭•。 -
1〜3巻
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漫画を紹介する雑誌の特集で見つけた作品。自分には少し難解なところもあるが、読み応えのあるストーリーだった。
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グリンジャかっこいい・・・
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たった一人の「マザ」と呼ばれる女性が子供を産む以外、すべて男性だけのミツバチかアリのような社会、実はそこは2999年の地球。
今なら、男女逆転「大奥」と比較して読んでみるのも面白い。 -
※全3巻セット
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管理している側と、管理される側が、隣同士で存在しているのがいい。
キラの発生とか、細部まで丁寧に書かれているのは流石です! -
文庫ではないけれどこれしかなかったので。
ベッドの下から掘り出してきた。
何回目かわからない再読。
何度読んでも面白いなー -
ひとに薦められて読んだ本。
美しく描きこまれた世界、登場する人々は誰もが謎めいており、緻密な曼陀羅図絵のように織り込まれている。
圧倒的な重力の漫画、これを読んでいた当時の漫画少女がうらやましい。 -
O竹さんに借りる。2999年の地球、遺伝子の損傷により男しか生まれない世で、人工的に女性(マザ)を創り何人もの子どもを産み与える。しかし、マザの暗殺によって全てが狂い始める。クローン人間の是非、愛することの意味など深いテーマを盛り込みつつも、BLっぽいドキドキ?感もあって話に入り込みやすい。あぁ、本当に昔の少女?漫画は骨太だなあ。
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凄い!壮絶SF・・・
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SFの天才。
テーマとしてはよくあるものだけど、続きが気になる。
今まで読んできた数々のSFは萩尾作品の影響を多かれ少なかれ受けてきたんだろうということが想像できる。
2,3巻も素晴らしい。 -
面白かった!!凄いわこの人。
これだけのストーリーを、様々な糸を紡ぐように見事にまとめあげる手腕に感服。
ラスト、ナースタースの「愛のほかは…」のセリフに泣いた。 -
西暦2999年、消滅に向かう世界では海は赤くなり、ウイルスにより生殖能力をうしなっていく。世界にはただ一人の聖母マザ。彼女唯一人が世界の子供を産む。。。。。
世界は男性のみ。
こんな感じのくだりを読んで、興味がわかないなけがありません。
世界観を読み込むのにちょっと頭をつかいますが、
この世界観半端ないです。
文庫3冊でかなりの充実感。
萩尾さんの作品をちゃんと買ったのはこれがはじめてですが、
これから没頭して読みたいと思います。 -
なんという壮大なSF!
ちょっと地球へ…を思い出した。この手の上手いなあ。-
SFとファンタジーが入り乱れて、階級社会とか、支配者とか、物語の設定・世界のしくみが好みである^^ これまでもスケールのでかいSFを描いてき...SFとファンタジーが入り乱れて、階級社会とか、支配者とか、物語の設定・世界のしくみが好みである^^ これまでもスケールのでかいSFを描いてきた大御所ですが、種の存続というテーマは常に根幹にあるのか、繰り返し描いている。進化の先に人類が到達する姿がキラかも知れない、と思うのも一興。キャラではアシジンがかなりすき!(^∀^) マルグレーヴの悲哀が異常な件w2010/09/16
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宇宙もよく出すよね萩尾さん^^ 根幹のテーマは同じでも、こうもタイプの違う物をよく考えられるよなあ…大御所と呼ばれる所以を見た。しんくはそん...宇宙もよく出すよね萩尾さん^^ 根幹のテーマは同じでも、こうもタイプの違う物をよく考えられるよなあ…大御所と呼ばれる所以を見た。しんくはそんな悲哀なマルグレーヴがかなりすき! です。お互い判り易いです^^2010/09/16
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「萌える」という意味では一番好きな作品。アシジンがいいキャラだ。これ実写映画化してほしいけど、無理だろうなぁw
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全3巻。
とにかくいろいろつめこんで収拾がついているのがすごい。女性キャラがほぼいないのに、華やかなこと。メイヤードだけでスピンオフがつくれそう。 -
初期萩尾望都の傑作……と言うか、初期の作品はほとんど傑作です。その中でも偏愛して止まないのが、こちら。
ファンタジーというか、SFというべきか悩みますがものの見事に融合してます。男だけしかいない星で繰り広げられる壮大な、或いは、ミクロな物語。何度も読み返し、その度に愛を確認する作品です。 -
男しか存在しないとされる惑星の話。
不毛さの中にも愛や絆、裏に蔓延る思惑など、様々な伏線がかみ合った物語。 -
レビューを書くのに10年以上もためらってしまったのは、言葉で表現すると薄っぺらい評価しかできないから。これは一遍の文学作品。マンガを超えた精神性の高さと壮大なスケール。登場人物が体を重ねあう場面でも品を失わないのは萩尾先生ならでは。
不毛な地で繰り広げられる不可解な出来事は、時空を超えて、登場人物たちに降りかかる。たくさんのミステリアスを残して2巻に続く。 -
「愛のほかは」にすべて持ってかれた。
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よかった。
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初めて読んだ萩尾作品。びっくりした。
萩尾世代には遅れたけれど、若いうちにこれに出会えて本当に良かった。