マージナル (3) (小学館文庫 はA 16)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091912565

感想・レビュー・書評

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  • ◇第3巻
    ・第16話 えもの 38p
    ・第17話 アシジンとマルグレーヴ 40p
    ・第18話 最後の晩餐 44p
    ・第19話 ハレルヤ 40p
    ・第20話 暗示 40p
    ・第21話 洪水 46p
    ・第22話 境界の果て 49p
    ・エピローグ ホウリ・ナイト 41p
    ・エッセイ―もはや、わたしの見方は ネズだけ:岡野玲子(漫画家)

    ・備忘録に残っていないが、確か大学のころに読んだはず……その後数か月は「マージナル……」と呟くだけで染み入るものがあった記憶があるから。その後はラジオドラマを数回楽しんだ。メイヤードを演じた塩沢兼人の声……ッ!
    ・今回はどうしても宮崎駿「風の谷のナウシカ」を思い出さざるをえなかった。単に連想とか似ているとかではなく、構造自体が同じ。自分たちが実験されているという事実を知らないまま右往左往する人々と、事実を知る過程。蟲使いっぽい聖者、漫画版ナウシカ最終巻の庭のような図書の家とか。駿的終末というよりもSFの想像力で同時代は通じ合っていたんだろう。1985~1987年連載だから、「ナウシカ」とも「AKIRA」とも同時期だし、海外SFの流れに置けばもっと位置がはっきりするんだろうけれど。
    ・ネットで探してみたら上手に言語化している記事をみつけた。http://sekibang.blogspot.com/2009/04/blog-post_15.html
    ・萩尾望都っぽさとしては、また籠の内と外の話だな、と。つらつら書けば、念者と色子という支配と被支配の関係も。暴力と受容者と。自虐と被虐。大人と子供。罪と無垢。が対立したりグラデーションになったり。ゲームキャラの反乱。ゲームの操り手プレイヤーと、うすうすプレイヤーに気付きつつある登場人物。管理と被支配。寿命が異なることで認識に差(人生30年ならではの感じ方)。
    ・やはりメイヤードというキャラクターが特に好きだ。なんか手塚治虫のロック・ホームっぽさも面白いし。
    ・また黒幕とも元凶とも言い切れない、ただ間違いなく原因の一部になったイワンという人物も、凄みがある。どれだけ萩尾先生雑学好きなの。しかも知識を、欲しいのは単なる子種ではなく夢の子供なんだと詩的に表現できるとか。
    ・線について。1巻で、どれだけ繊細なペンで繊細に描いていたんだろうかと驚いていたが、3巻では明らかに線が太い。同時に人の表情も骨太になったり、焦点となる舞台に重要人物がぞろぞろ集まってきたりして、作風が作品内で変わっている印象がある。
    ・最後に。プチコミックス版や叢書版のカバーイラストも素敵。

  • キラはグリンジャとアシジンのどっちを選ぶのだろうと心配していたら、まさかの三角関係のまま終了。でも3人でいるのが平和なら、これはこれでハッピーエンドなのか。影の主役はメイヤードだったと思うのですが、スタイリッシュで新しいタイプの悪役ですね。再生する惑星のイメージは「スターレッド」のエルグと重なりました。

  • 終わり方もよかった。これ、「百億の昼と千億の夜」に通じる終わり方かも。でも、「百億…」は原作者が光瀬龍だけど。

  • ファンタジー?
    SF?

    この発想力はどこから来るんだろう。
    マージナルそのもののマルグレーヴ。
    死ぬ直前も死んだ跡も泣けた。

  • シリーズ最終巻。

    キラの身柄をとり返そうとするメイヤードは、エスパーであるセンザイ師を招き、キラたちに対する攻勢をかけてきます。一方グリンジャたちは、シティに混乱をもたらそうとするマーゴたちと行動をともにして、メイヤードを中心とするセンターに戦いをいどみます。

    グリンジャとアシジン、キラの三人の関係を軸に、壮大なSF的世界観が緻密にとりまとめられており、テーマ的にかさなるところのある『スター・レッド』よりも完成度の高さを感じました。

  • ・壮大な世界感なのに設定が現実的で説得力がある
    ・美しい描写
    ・流れが自然で読んでいて突っかかるものがない
    ・メッセージ性が強い、現実に訴えかけてくるものがある

    萩尾望都先生の作品全て素晴らしいですが、読み終えた後の余韻が特に残ります。
    もう一周する事で話の構造が見えてくると思います。

    グリンジャ、アシジンのキラへの愛情が尊い!

  • 壮大なストーリーでした。今ではよく知られているディストピア設定ですが引き込み感があった、面白かった。1巻の数ページを読んで購入することを決めたのは自分でも最良だと思った。

  • 概念になる、キラ

  • メイヤードとナースタースの切なさといったら

  •  どんな世界なんだろう。「もしも〇〇だったら」の仮定の先にある想像がSFだという気がする。その世界は、想像であるというのに、作者の生きている現実の世界を色濃く映し出すような、そんな作品だった。

     この作品はやっぱりメイヤードでしょう。

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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