完全犯罪フェアリー (小学館文庫 はA 20)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091912602

作品紹介・あらすじ

華やかなミュージカルの裏で謎の死を遂げた花夜子…。様々な人間模様を甲斐よしひろの歌30曲にのせて展開するサスペンス!!

感想・レビュー・書評

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  • 初読。
    これは独特……。
    ダンスの世界でのミステリを、甲斐よしひろの歌詞でくるんでみました、という。
    ミステリ自体も結構深刻で、正直歌詞が邪魔になるなじゃいかと事前に予想していたが、そこまででもなく、なかなかフィットしている。
    また今後バレエものを描くことになるので橋渡し的作品でもあるのか。
    さらに萩尾望都と甲斐よしひろの対談で結構なミーハーぶりが発揮されていて嬉しい。
    マネージャーの城章子さんの影響なんだとか。
    もちろん読みながら甲斐バンドを流していたが、自分結構好きだったんだなと気づいた。

    ■完全犯罪 フェアリー 200p
    ◇すべてがKになる 10p
    ◇アルバム紹介のおしゃべり 4p
    ◇甲斐よしひろ&甲斐バンド[ディスコグラフィ] 10p
    ◇SPECIAL TALK LIVE! 14p
    ◇SPECIAL TALK LIVE! 2000 10p
    ◇甲斐よしひろ・プロフィール 1p

  • 甲斐よしひろの楽曲を元に、ミュージカルとして描かれる斬新なミステリー。過去に一度だけさらっと読んで以来だったが、今回じっくり読んでみて、意外になかなか濃くギラギラした作品だと感じた。何がギラギラかって、80年代後半の華やかな空気感。登場人物の強い上昇志向。それらが激しく眩く、萩尾さんの大胆で目をみはる画面構成も相まって、まさにミュージカルを観ているかのようだった。
    甲斐バンドの曲は数曲しか知らなかった私。登場する曲を知らなくてもストーリーを追い歌詞を読むだけでも十分楽しめるのだが、どうせなら知った方がより深く作品世界に浸れるかなと思い…登場する楽曲から何曲かDLしたりお試しで流したりしながら読んでみた。いやぁ…場面と歌がリンクして、当然だけど倍楽しめる!そして今更ですが甲斐バンド、かっこよいですね!巻末の萩尾望都×甲斐よしひろ対談も非常に読みごたえがありました。特に、2000年の対談。表現者としてのそれぞれのスタンス、そして互いの仕事へのリスペクトが感じられ、ミュージシャンだからこその視点での萩尾さんへのツッコミ、さすがです。「壊すこと平気ですもんね」いい言葉。

  • 萩尾望都と甲斐バンドのコラボレーション。これ、甲斐バンドの歌を知らないと作者の意図したような楽しみ方はできないよね。私は、甲斐バンドの歌ってHEROぐらいしか知らないんで、読み始めて「しまった」と思ったんだけど、まぁ、知らなくても話はちゃんとしているからそれなりに読めた。

    萩尾望都の心酔する甲斐バンドのアルバムをいくつか聞いてみたいもんだ。

  • 「トーマの心臓」の完成度を思わせる作品。萩尾先生のストーリーの絶妙さは脇役キャラの活用にあると思う。「トーマの心臓」で、盗癖の少年の役どころには思わず唸らされた。
    今回それを思い出させたのは、犯人の恋人の使い方。実際のシナリオは舞台がオリジナルかもだけど、萩尾先生の作品はやはりミステリーとしての面白さが際立つ!

  • これは面白くなかったなぁ・・・。甲斐バンドについて思い入れがあれば違うのかもしれないけど、甲斐バンドについてよく知らないし、右腕と右足が一緒に出ちゃってるような絵もあって、いつもの萩尾さんと違ったような感じだったなぁ。

  • ミュージカル俳優である河合類(かあい・るい)が主人公のミステリ作品です。

    ある夜ルイは、まもなくおこなわれる舞台「GOLD」に出演がきまっていた千舞花夜子(せんまい・かやこ)から自殺を図ったという電話を受けて、彼女のもとへ駆けつけますが、すでに彼女は息を引きとっていました。その結果、若きプロデューサーの小香賀一人(おこが・かずと)は、花夜子と七曲光介(ななまがり・こうすけ)が主役を務めるはずだった舞台の配役を変更することを決定し、ルイが主役に抜擢されます。一方、ルイのもとには妖子と名乗る少女がすがたを見せるようになり、事件とのかかわりがすこしずつ明らかにされていきます。

    著者がファンであるという甲斐よしひろと甲斐バンドの楽曲に想を得てストーリーを構築した作品ですが、甲斐よしひろについて知らなくても、ミステリとしてじゅうぶんにたのしんで読むことができる内容でした。知っていれば、もっと深くたのしめるのかもしれません。なお巻末には、著者と甲斐の対談が収録されています。

  • 甲斐バンドになじみのない私にはちょっと感動ポイントが解ってないのかもしれないけど、話はおもしろかった。
    ミステリタッチなのがいい。
    そして、歌にそってマンガを組み立てていくっていう試みが面白い。

  • 両方のファンなので十分楽しめました。
    単行本の内容に加えて、書き下ろしの
    「すべてがKになる」と、2度目の対談も
    収録されて、より充実しています。2011年6月4日再読。
    2013年2月9日再読。

  • 初めて読んだときにはイマイチだったが、再度読み込んでみたら、はまった。

  • 「ぼくは言わないよ<br> きみと結婚できるチャンスなのに・・・・・・」<br>
    「じゃあ・・・あなたは・・・<br> あたしを愛してるから そうしたの?」<br>「家族ぐるみでのけ者にされて<br> いつ ぼくがきみを愛するヒマがあったかい?」

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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