A-A' (コミック文庫(女性))

  • 小学館 (2003年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (312ページ) / ISBN・EAN: 9784091913852

作品紹介・あらすじ

惑星開発プロジェクトにやってきたアディは事故死した本体にかわり配属されたクローンだった…!宇宙を舞台に、変異種ゆえの悲哀と愛を描いた表題作はじめ「X+Y」「4/4カトルカース」の連作を含む全6編。

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

宇宙を舞台に、クローンとオリジナル、そして特異な種族「一角獣種」のキャラクターたちの感情の葛藤を描いた短編集です。表題作では、事故で亡くなったメンバーのクローンが新たに加わり、恋人との関係が試される様...

感想・レビュー・書評

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  • 「一角獣種」と呼ばれる、特徴的な髪色をした登場人物たちが主役を務める短編作品6編を収録しています。

    表題作「A-A'」は、惑星開発プロジェクトのメンバーだったアデラド・リーが事故で亡くなってしまい、彼女のクローンがあらたなメンバーとしてやってくる話です。アデラドの恋人だったレグ・ボーンは、クローンとなって帰ってきた彼女と打ち解けることができず苦しみますが、しだいに二人の心に変化が生じることになります。

    「一角獣種」の登場人物たちはいずれも感情の動きを表面に出すことがすくなく、そうした彼らに戸惑いながら、自分自身の感情に駆られていく周囲の人びととの対照が印象的でした。

  • 一角獣種と呼ばれる特異な種を主人公にした一連の作品「A-A'」「4/4 カトルカース」「X+Y」と、比較的初期の「ユニコーンの夢」「6月の声」、グロテスクで美しい「きみは美しい瞳」を収録した短編集。「A-A'」は、クローンとオリジナルというSFでは定番のテーマを扱った名作。巻末エッセイは浦沢直樹。

  •  記憶と傷をめぐって綴られる『A-A'』の緊密・厳格な構成、突きはなしの残酷さには圧倒されます。萩尾望都の短編では『半神』と双璧をなす、と言えるのではないでしょうか。全作品中でも最も好きな掌編です(アデラド・リーが綾波レイのモデルだという噂は本当なのかな)。
     短編好きとしては最後の『きみは美しい瞳』もたまらないものがあります。

  •  一角獣種という架空の生き物を通して、まざまざと見せつけられる。
    「ありのままの不器用なあなたでいいのよ」という肯定感。そう肯定されなければ死んでしまうというくらいの不器用さだ。
     子供じみている、バカバカしいと思いながらも、それは、甘く優しく魅力的に映る。

     SFと言う舞台だから見られる夢である。
     現実でこれを描いたら、さすがに夢が覚めてしまう。

  • 萩尾望都先生のSFファンタジー短編が入っています。
    少しづつ話は違いますが、「一角獣種」という人工種のキャラクターが絡んでいる話が4編。後は昔のSFファンタジーが2編と別のモノが1編入っています。
    著者の作品を読んでいると本当にその世界に吸い込まれそうになってしまいます。それほど、構成力、ストーリー性が抜群に魅力的。
    トリルの話では「個」として大切にする少年と「種」を存続させることにのみ野望を抱く大人。やられますね、、こういう話は。

  • 読んだのはこの文庫ではなく古い作品集の17巻なので、収録が少し異なる。
    「A-A'」「4/4カトルカース」「X+Y」の一角獣種もののみ

    久々に読み返してみた。深い。
    「A-A'」は内容的には望都先生が何度か書いているテーマな感じで、心惹かれます。短いのに静かに深い。
    が、この1981年の漫画を今読むと、クローンって方が気になる。
    遺伝子・記憶を登録して、3年後に死亡すると直ぐに登録当時の年齢のクローンが現れる。
    3年で16歳まで成長させれるっていうのがすごい。その後普通に成長できるんだろうし、オリジナルがいないのだから、オリジナルとして暮らせるんだろうし、、、、でも、なんつーか、う~ん、、、そこに引っかかって。いいとか悪いとかではなく、何と言うか、脳内会議が止まらない。
    ま、主人公たちが陥るとまどいと同じだ。うん、実に深い!さすが望都先生!

    だからか、クローンの現れない同時収録の2作品の方が好きかも。
    モリもトリルもタクトも可愛い。
    トリルはまぁ、、、でも、同時収録してくれて救われる。

    (自)

  • 2008/4/13読了。(以下若干ネタばれあり)
    1・A−A’:死と隣り合わせの宇宙開発担当者は、万が一死亡した場合、優先的にクローン再生される。アディは3年間の空白を得て再生され元の職場に戻る。そこにはオリジナルのアディが愛した人がいた。
    2・4/4カトルカース:カレイドスコープアイを持ち、ESPを持つがまだコントロールが出来ないモリ。ある日赤い鬣を持つ一角獣種の少女トリルと会う。少女は言葉と感情を失っていた。モリはトリルがいると力のコントロールが出来る事に気がつく。
    3・X+Y 前後編:4/4の続編。4年の歳月が経ち、モリは火星にいた。地球から来た一角獣種の少年タクトにトリルの面影を見て・・・。
    4・ユニコーンの夢:ユニコーンは未来の夢を見せる。少女を残して少年は戦いの中へ。少女によりそうユニコーンが見せる夢がせつなく悲しく少女を少年の元に導く。
    5・6月の声:いとこのエディリーヌが太陽系外惑星移民第1段の追加メンバーに。婚約者を置いて、エディリーヌは宇宙に旅立つ。愛しい人の猫と共に。
    6・きみは美しい瞳:夢を見せる鳥。鳥が見せる物は何か。
    −−どちらかというと萩尾さんの作品ではあまり好きではない作品が多い。多分、私にとって難解なんだと思う。とくに「きみは美しい瞳」は、なんだか怖くて後味も悪い。

  • 作品集が出た時に萩尾望都さんの作品を一気に読んだのですが、その中でもこのA −A‘は特に心を揺さぶられました。切ない感情と共に、これは私だ、と思ったことをすごくよく覚えています。自分の中にある物事の良し悪しや、常識を激しく揺さぶってくる萩尾望都作品は、若かった私に、ままならない物事やファジーなままであり続けることなど、新しい価値観を植えつけたんだと思います。

  • 感情の機微の表現がレベチ、流石だと唸る。

  • 今の視点で読んでみると”一角獣種”の特質がASD的なそれと重なる部分が多いように思える。本作を描いたのが1980年代前半ということを考えると、現在よりもさらにネガティヴにとらえられていたそういった特質をフラットに描写した彼女の視線の揺るがなさに驚かされる。

  • 萩尾望都『A-A’』読んだ。

    読み終わりたくなかった。
    SF多めの作品集。

    “一角獣種”に関する物語が3作品収録。
    (表題作A-A’と、その続編4/4と、X+Y)

    あと「ユニコーンの夢」と、「6月の声」、「きみは美しい瞳」。

    私が古本屋で手に入れたこれ、想定ってかカバーが違うんだよな。通常と。


    -----------------------------------


    一角獣種という神秘的な種族を描いてるが、物語の中ではアクセント的な役割。この必要だけど重要かといわれると難しいバランスを保てるのスゴイと思う。

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    一番好きなのは「きみは美しい瞳」。夢鳥というキャラクターを通して、主人公等の想いが描かれ、自分の心と向き合ったり自分に絶望したりする。主人公のハプトが攻撃的なのは、傷つきやすいからなのだなと。整合性。
    そして美しいものは更に遠く、この物語のラストに相応しい。これしかないと思える。

  • ユニコーンに関する連作。表題作は特に素晴らしい。

    @@@@@

    202109再読。
    ■A-A’ 46p
    不思議なタイトルだが、クローンのこと。
    アデラド・リーという一角獣種の少女が、なんというかクーデレ。

    ■4/4 カトルカース 50p
    モリという少年がトリルという一角獣種の少女と会って。
    表題作は独立しているが、本作は表題作を引き継いだ上、次に繋げていく、転機。
    孤独の共鳴。人形じゃないという。

    ■X+Y〈前編〉 50p
    ■X+Y〈後編〉 50p
    序盤は現れないが、モリが現れて視点が固定されるので、あー「カトルカース」の続編なんだんと判る仕組み。
    性転換というギミックは「11人いる!」のフロルっぽいが、そもそもSFと性選択は親和性が高いのかも。
    アデラド……トリル……タクトという一角獣種「不思議ちゃん」の系列。

    ■ユニコーンの夢 31p
    寓話的な話だが、やはり一角獣が題材に。
    「A-A'」から「X+Y」は1981-1984の作品であるのに対し、本作は1974年。
    見比べることで明らかに絵柄は変わっているが、他に気づいたのはモノローグ。
    70年代はモノローグ多め、80年代はここぞという決め場面にモノローグを限定して使っている、と。

    ■6月の声 31p
    1972年。
    「わたしは六月に行くのだから…」

    ■きみは美しい瞳 40p
    1985年。
    本全体の構成として、80年代が70年代をサンドイッチし、3分の2は一角獣種がモチーフになり、全体として宇宙SFということになるが、本作はやはり異色(「モザイク・ラセン」収録で読んだときと同じく)。
    あるいは「夢鳥」の人形性・とらえどころのなさが、一角獣種と通じるものがあるんだろうか。

    ◇エッセイ―季節を描くこと:浦沢直樹(漫画家)

  • うーん好きだ。
    〔一角獣種〕と〔カレイドスコープ・アイ〕。
    「A-A’」もいいけど、「X+Y」と「きみは美しい瞳」が特に好き。

  • 一角獣種がきれい

  • めっちゃすきです、一角獣種・・!
    喋る事が少なくても、表情が無くても、ちゃんと感じている。

  • 「銀の三角」よりは読みやすい。設定とかは続きなのかな?

  • 有名なタイトルを古本屋で見つけて衝動買いしました。まっさらなひとたちがじわじわと心を動かしていくさまがひじょーにせつない

  • 再読。一角獣種の連作なんだ、と再認識。スター・レッドとも関係あんのかな。
    私的にこの作品群はすごく好きです。静かに移り変わる感情の表現と、切なすぎる運命と。

    メールデールとハプトのお話も、凄味があって…好きです。

  • 安定しているので安心して読める。
    ファンタジー世界の広がりがごく自然で、外国の大物ファンタジーを読んでいるような気分。
    背景に広がるたくさんの知識に敬服。

  • かつて宇宙航行のために開発された人口変異種である一角獣種の生き残りを巡る物語がメイン。

    「A-A'」・・・一角獣種のアデラド・リーはプロキシマ計画のスタッフとして選ばれたが事故で死亡、しかし危険任務のためクローンの製造が許可されておりクローン体が代わってプロキシマにやってくる。
    しかし、プロキシマに着く前までの記憶しか持っていなかった。

    80年代初頭作品が中心で、宇宙やESP能力といったものを扱っているものが多い。
    表題作の自分の死んだときの保険にクローン体と記憶を残しているっていうのは今読んでも面白いテーマ。
    表題作では愛する人が記憶を無くしてと言う意味ので葛藤は描かれるけど、クローンシステムそのものは当たり前に受容されている世界であるのは興味深い。
    技術が当たり前になれば自然と受け入れられるようになっていくのだろうか・・・

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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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