MW (1) (小学館文庫 てA 4)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 164
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  • Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920041

作品紹介・あらすじ

互いに惹かれ合う男たちの、毒ガス「MW」をめぐる明日なき闘い!

▼第1話/誘拐▼第2話/悪夢▼第3話/一蓮托生▼第4話/トライアングル▼第5話/報復▼第6話/悪魔の化身▼第7話/虎口に入る▼第8話/栄光の夜▼第9話/殺しのプレリュード▼第10話/疑惑の穽▼第11話/第三の証人▼第12話/廃墟▼第13話/島の果て▼第14話/再会 ●登場人物/結城美知夫(関都銀行新宿支店勤務・男女の区別ない変装と明晰な頭脳を駆使し、毒ガス「MW」を世界にばらまこうと画策する)、賀来(神父・結城とはホモセクシュアルな仲であり、彼への愛と自分の信仰との板挟みになって苦悩する)。 ●あらすじ/息子を誘拐され、身代金を持ってきた中年男が、誘拐犯にアジトへと連れ去られてゆく。そこでは、中年男の息子はすでに殺されており、怒り心頭の中年男も殺害されてしまう。誘拐犯の名は結城美知夫、そして殺された中年男は、銀行員である彼の客だったのだ。その後、結城は教会へ立ち寄り懺悔をする。彼の話を聞く神父の賀来は、結城とは古い仲であり、結城に悪行をやめさせようとしてはいるが、悪魔的な結城の魅力の前に屈服させられてしまう(第1話)。▼賀来は教会の司教に、15年前に沖ノ真船島で起きた出来事を告白する。彼はかつて非行少年グループの一員としてその島に入り、島民へ暴行を働いていた。そこで彼が、まだ幼い結城に出会ったその日、彼の仲間や島民たちは、某国が開発した「MW」という毒ガスの事故で死んでしまう。賀来と結城は、洞窟内のアジトにいたため助かったのだ。しかし幼なかった結城は、まだ残っていたMWに脳を犯され、良心のまったくない人間へと変わり果てていた。賀来はそんな結城を救うため、神父となったのであった。(第2話)。 ●本巻の特徴/第1巻では、結城と賀来の因縁、そして結城の悪行を、「MW」を開発した者への復讐とみなした賀来が、結城の手助けをする様子が描かれる。 ●その他の登場キャラクター/支店長(第3、5、7、8話)、谷口澄子(第4、5、6、10、14話)、目黒検事(第5、8、10話)、中田英覚(第7、8、9話)、薮下泰蔵(第10、11、12、13話) ●その他DATA/解説・花村萬月

感想・レビュー・書評

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  • 手塚先生の大人向け。リーダビリティは高い。

  • 怖いし、残酷だし、猟奇的だし、、、でもおもしろくて一気読み。

  • 映画化されるので気になって手にしたマンガ。

    うーん。
    私にとっては、正直よく分かりませんでした。
    どんな話か全く知らなかったので、かなり期待して読んでしまったせいもあるかも。

    同性愛・殺人ガス(武装)・陰謀・恨み その中のタブーをごっちゃまぜ。

    昔にかかれた作品だと思えばスゴイのかもしれませんが。
    2人のLOVEシーン、そんなに必要?

  • 手塚治虫の異色作。当時流行っていた24年組の少女漫画に嫉妬して「俺だってBLを描ける」と奮起した作品であるという逸話が。

  • 昭和の作品。たぶんもう読まない。

  • 10年くらい前に見た映画の「MW」は結構酷評されてましたが笑…当時小学生だったにもかかわらず、すごいドキドキしてハマった記憶があります。その後も暇なときに映画予告見たりするくらいにはずっと好きで、ようやくこの前本を買いました( *´꒳`*)
    人を次々と殺していく結城とその罪を知りながら暴くことのできない賀来。わたしはブラックな話は嫌いじゃないので、結城に嫌悪感はなかったですが、それにしても殺しまくってんなぁ、とは思ったけども…賀来とか結城大好き女たちに少し苛立ちが笑。でもこういう人間らしい人たちがいるから、結城の狂気や異常性が際立つんだろうな。
    …すごいよなぁ、手塚治虫。

  • この時代にこんなストーリー作れるのがすごい!!

  • 14.dec.1

    映画版を見てからどうしても原作が読みたくなって、Amazonで注文。笑

    映画版とはかなりストーリーが別物。
    でも結城のビジュアルが映画の玉木宏そっくりでした。玉木宏は女々しくないけど。

    結城と賀来が愛し合ってる描写があり、これが結城の行動原理というか狂ってる感じをより出してる気がする。
    あと賀来が結城を止められない理由にもなってるから、映画ではよくわからなかったモヤモヤ感が晴れた。

    原作ではちょくちょく結城が女装してるシーンがあるんだけど、ここは再現不可能なのかな…

    日本はまだまだ同性愛への理解が進んでない国だけど、この作品が世に出たころは今よりももっと遅れてただろうということを考えると、確かに問題作とも言えるかも。

  • まだ様子見、な感じ。結城がここまで大胆な犯行に及んでも足がつかない(ように今のとこ見える)のはなんでかなーとか気になりながら。

  • 人から借りて、文庫版で2冊読みました。
    映画公開記念で、丁度テレビで特集を組んでいたので俄然興味がわいて読み始めたわけですが、
    まず1巻の最初、「抱いて!」にはびっくりしました。笑。
    びっくりしたけれども読み勧めていくうちに、この結城という男はセックスを手段としてしか用いていないので、そこはどうでもよくなりました。
    (ですが、けっこうきわどい表現があるので、なれない人には厳しいかもしれません。あ、いや、私がなれているとかいうことではなくて。笑。)
    「MW」を読む上で、いちばん大事な所は、結城美知夫がいかに非道で、残虐で、凍てついた心の持ち主かということです。
    彼は呼吸するように人を殺していきます。
    また「手段」としてしかセックスを用いません。
    ゲイの真似事をしてまで中年男性に抱かれるのも、熟女を相手取るのも全部「手段」であって、そこに愛や、快楽は存在しません。
    美しい女の子たちに求められて応じるのも、すべては計画遂行の為。MWを手に入れるためです。
    そんな結城美知夫の頭の中をトレスするように、物語は進んでいくので、「もう何人殺せば気がすむんだろう」と気分が悪くなる事もあるでしょうが、読み終えた後には、どうしようもないさびしさに似たものが残るかもしれません。

  • MWより奇子やったなぁ
    何気なくストーリーを知ってただけに驚きも少なかったし、
    二人の主人公どちらにしても感情移入がしずらい。
    ベースにまともな世界があって、狂人が存在する違和感などを描いてるわけでもなく、
    常識が通用してない世界で、狂人がすき放題やっとる。
    読者の俺としては、誰目線で読めば良いのかわからなかった。
    SFやろ。

  • タイトル、ムー大陸のムウだと思ったらもっと意味深でした。

  • 次から次へと猟奇的に殺していく、犯罪を犯していく、タブーに切り込んでいくぜ、ただその流れが早くて怒涛、というだけの話。
    細部はツッコミどころ満載で矛盾だらけ、肝心なところで異様に有能or無能でストーリーのために配慮してくれる警察や犯人、関係者全て。
    とても見ちゃいられない酷さだった。
    テーマとしても猟奇的な行動を楽しむ以外に何もなく、ただいつもの現政権に対する憎しみだけが先走っている。
    ゲイとか殺人とか賛美しちゃうのは、やっぱりいつの世の中でも世を乱してチャンスを伺う左翼の仕業なんだろうなとしか。
    結局スピード感以外は褒めどころなし。

  • (2巻の内容も少しだけ含みます)

    いわゆる「黒手塚」の問題作である『MW』は、ピカレスクものとしての完成度がとても高く、似たような作品に『バンパイヤ』などを思い浮かべますが、それら諸作と比べても、『MW』には特に抜きん出たものを感じます。
    なかんずく素晴らしいのはメインとなるキャラクター像で、個人的には『MW』の結城美知夫ほど魅力的な「人でなし」はいないのではないかと思います。究極の自意識過剰者にして蠱惑的な魅力で性別や道理をリベラルに飛び越え跳梁していくその様は、19世紀末の退廃的シンボルとなったヘルマフロディトスのエロティシズムすら思わせるものがあります。彼に翻弄されながらもその魔性に懊悩を繰り返す神父の賀来にしても、それはしかり。とにかく、キャラクターひとりひとりがいい意味で記号化していて、スラスラと読めるわりに満足感が半端じゃないです。(他にも、結城に翻弄されるキャラクターとして最後まで登場する谷口澄子も、とにかく可哀想なんですが、好きなキャラクターの一人です。)
    感想を訊かれても、それがパッと浮かばず、「でも凄かった」と言えてしまうのも、手塚作品の魅力だと思います。文庫本2巻でここまですごい作品を読めちゃうなんて、やっぱり、満足感もひとしおです。

    「僕の命も長くは持たないだろう
    僕が死んでしまえばもうこの地球なんざ用がないよ
    「だから全人類に僕につきあって死んでもらうんだ
    「悪徳と虚栄にみちた人類の歴史は 僕の手で永遠に閉じるのだ
    アハハハハハハハ」

  • やっぱり手塚治虫はすごい。

    この作品も、アトムもメルモちゃんもジャングル大帝もリボン騎士もこの人。

    アドルフもバルボラも火の鳥も。

    天才。

  • 火の鳥なみに、人間ってとなる箇所あり

  • 手塚治虫(黒)のピカレスク的漫画。
    分量のわりに内容がものすごく濃い。
    社会派な内容だけどセクマイ面の感想だけ書きます

    主役の男二人がほのめかしじゃなく性的な関係を結んでいる。
    現在のセクマイがうんざりして闘っている『セクマイ(=ゲイ、ときどきトランスおよびレズビアン)キャラは悪役か被害者』な話だし、二人の関係も全然幸せじゃないエログロな描き方だけど、でも二人ともちゃんと人間だ。
    かたっぽは極悪サイコパスな稀代の大量殺人者で、もう片方は口ばかり立派な偽善者でチャイルドマレスターのクズだけど。
    …なんでこんなひどいキャラクターなのに魅力的だったり理解できちゃったりするんだろうな。不思議。

    で、こいつらは救われないけれども、ほんのすこし行き掛かりにすれちがうだけの脇役に格好いいレズビアンがでてくる。
    しかも夫婦的存在の彼女持ち。この人たちは社会の中で普通に幸せに力強く生きていけそうなんだよね。
    同性愛=モンスター一辺倒な話ってわけでもないところに驚いた。

    男役女役がきっちり決まっていたり、謎の想像ゲイバーみたいなところがでてきたりするのは時代かな。
    こういう、非当事者の理解や啓蒙の助けにはならないけれど気づいた当事者の命綱になるような作品を見つけるたびに、セルロイドクローゼットを観返したくなる。

  • テンポよく進む物語で一気読みしてしまった

  • やっと読み終わり。読みにくくはなかったし、さすが手塚治虫面白い笑 どうなるんだ?どうなるんだ?とゾクゾクした。

  • 人間が怖い

    手塚治虫の大人向けの漫画には露悪的な印象や変態嗜好、残酷さを感じることがままあるのですが、この作品は本当にどす黒い部分をオブラートに包まず差し出されています。
    人の中の悪を引きずり出す話

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

手塚治虫の作品

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