MW (2) (小学館文庫 てA 5)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920058

作品紹介・あらすじ

互いに惹かれ合う男たちの、毒ガス「MW」をめぐる明日なき闘い!

▼第1話/協力者▼第2話/邂逅▼第3話/標的[ターゲット]▼第4話/封じこめ▼第5話/アラベスク▼第6話/倒錯▼第7話/エピソード▼第8話/仮面の訪問▼第9話/R基地に悪魔がきた▼第10話/人質▼第11話/破滅への出発▼第12話/最後の賭●登場人物/結城美知夫(関都銀行新宿支店勤務・男女の区別ない変装と明晰な頭脳を駆使し、毒ガス「MW」を世界にばらまこうと画策する)、賀来(神父・結城とはホモセクシュアルな仲であり、彼への愛と自分の信仰との板挟みになって苦悩する)。 ●あらすじ/16年前の「MW」事件を告白しようと、日本新聞社を訪ねた賀来。彼はそこで社会部記者の青畑に会い、一部始終をぶちまける。青畑は賀来に協力を約束し、沖ノ真船島で調査を行なった結果、「MW」は現在東京近くの駐留軍基地にあることを突き止める。それを知って愕然とする賀来だったが、そこに「結城が倒れた」との知らせが入り、彼は教会を飛び出して結城の勤める銀行へ向かう(第1話)。▼結城は薬物中毒のような症状、すなわち「MW」の後遺症で倒れていた。結城は救急車で病院に運ばれ、賀来は病室の外で結城の容体を気遣うが、そこに政治家・中田英覚の娘が現われる。彼女は何と、すでに結城と婚約していたのだ。さらに、結城のマンションで暮らす谷口澄子も現われその場は大混乱に陥る。そのころ、「MW」の記事の草案を書き上げた青畑は賀来のもとに向かうが、その途中で見知らぬ男たちに襲われる(第2話)。 ●本巻の特徴/第2巻では、「MW」の黒幕である中田英覚を着々と追い詰める結城と、結城への愛情を断ち切り、結城の前に立ちはだかる賀来、そして衝撃の結末が描かれている。 ●その他の登場キャラクター/青畑記者(第1、2、4話)谷口澄子(第1、3、4、5、13話)、目黒検事(第1、4、8、9、10、11、12、13話)、中田英覚(第2、3、4、5、6、8、9、11、13話)、中田英覚の娘(第1、5、6、8話)

感想・レビュー・書評

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  • ラストが印象的。

  • ああ、こういう終わりか!なるほどーー!

  • 久しぶりに読んだ。大人になったせいかいまいち。子供の頃に戻りたい。
    突然兄が出てくる設定に昭和を感じた。もう繰り返しは読まないと思う。

  • 面白かったはずなのに最後が惜しかった。そして結城にもっと色気を!

  • 手塚治虫生誕80周年で映画化されたアレの原作。

    原作の結城は随分と愛に生きる人なんだなぁと思いつつ、なんというか情に厚かった。
    手塚治虫だから展開が強引なのはともかく、そこにいたる吸引力が他より弱い。
    「○○する」「せねば」という強い思いが無いせいか。悪に関するイメージだけで書かれている感が少しだけある。
    そんな訳で、オチがやや残念ではある。

  • …え…

    って感じ。「賀来さんにはきっとちゃんとした存在理由があるんだ、最後にはそれがわかるはずだ」という期待を胸に読みすすめましたが結局いなくてもよかったんじゃという印象が拭えません。彼はいったい何だったんだろうというのが一番の謎です。二番目の謎は なぜ手塚先生はこれを描かなければならなかったのかということ…なんだったんだろう…

  • 女編集長とか妙な脇道、意味のないイベントが混ざっていたのは何だったのだろう。
    あれいらないよなあ。セクシャル的には必要なシーンだったのだろうか。
    オチは途中で見えてしまった。

    正直そんなもの程度でそこまで大騒ぎになるかな?としか。
    ガスそのままで何十年もほったらかしで保管しないだろう、どこで何に使うのさそれ。
    自分に降りかかりかねないわそんなもの。
    時代補正抜きではとても通用しない話だった。
    陰謀論がいかに当人以外にはバカバカしい空騒ぎかってのはよくわかるけどさ。

  • いわゆる「黒手塚」の問題作である『MW』は、ピカレスクものとしての完成度がとても高く、似たような作品に『バンパイヤ』などを思い浮かべますが、それら諸作と比べても、『MW』には特に抜きん出たものを感じます。
    なかんずく素晴らしいのはメインとなるキャラクター像で、個人的には『MW』の結城美知夫ほど魅力的な「人でなし」はいないのではないかと思います。究極の自意識過剰者にして蠱惑的な魅力で性別や道理をリベラルに飛び越え跳梁していくその様は、19世紀末の退廃的シンボルとなったヘルマフロディトスのエロティシズムすら思わせるものがあります。彼に翻弄されながらもその魔性に懊悩を繰り返す神父の賀来にしても、それはしかり。とにかく、キャラクターひとりひとりがいい意味で記号化していて、スラスラと読めるわりに満足感が半端じゃないです。(他にも、結城に翻弄されるキャラクターとして最後まで登場する谷口澄子も、とにかく可哀想なんですが、好きなキャラクターの一人です。)
    感想を訊かれても、それがパッと浮かばず、「でも凄かった」と言えてしまうのも、手塚作品の魅力だと思います。文庫本2巻でここまですごい作品を読めちゃうなんて、やっぱり、満足感もひとしおです。

    「僕の命も長くは持たないだろう
    僕が死んでしまえばもうこの地球なんざ用がないよ
    「だから全人類に僕につきあって死んでもらうんだ
    「悪徳と虚栄にみちた人類の歴史は 僕の手で永遠に閉じるのだ
    アハハハハハハハ」

  • 手塚治虫という人のすごさを実感した。

    70年代、50年近く前の作品だが、古さを感じさせない。

    映画も見たい。

  • 映画も良い

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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