ねじ式 (1) (小学館文庫 つA 1)

著者 :
  • 小学館 (1994年12月14日発売)
3.76
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本棚登録 : 1411
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920218

作品紹介・あらすじ

伝説の漫画家・つげ義春の足跡を、一冊に濃縮した短篇集

▼第1話/ねじ式▼第2話/沼▼第3話/チーコ▼第4話/初茸がり▼第5話/山椒魚▼第6話/峠の犬▼第7話/噂の武士▼第8話/オンドル小屋▼第9話/ゲンセンカン主人▼第10話/長八の宿▼第11話/大場電気鍍金工業所▼第12話/ヨシボーの犯罪▼第13話/少年▼第14話/ある無名作家 ●あらすじ/1間の狭苦しいアパートに住む夫婦。売れない漫画家の夫を、ホステスをする妻が養っている。その妻がある日、夫に向かって「文鳥が飼いたい」と言い出した。夫は渋るが、お金まで用意していた妻に押され、彼らは連れだって文鳥を買いに行く。いつしか「チーコ」と名付けられたその文鳥は、しだいに夫にも可愛がられるようになっていた。そんなある日、夫は遊んでいる最中に、誤ってチーコを床にたたき付け、死なせてしまう(第3話)。▼温泉にやってきた武士・平田は、泊まった宿で相部屋を言い渡される。部屋に入ってきた男は異相の持ち主であり、かつ何気ない動作にもすきがなく、平田の目にはいっぱしの武芸者と映った。その後も平田は彼の振る舞いを観察し続け、確信をもって「彼は宮本武蔵である」と宿の主人に告げる。主人がそのことを触れ回った結果、宿にはたちまち近所から客が押し寄せ、超満員となったのだが…(第7話)。▼漫画家をしている安井のもとに、かつてアシスタントをしていたときの同僚・奥田が訪ねてきた。彼はアシスタントの仕事では自己表現ができないと考え、安井と入れ違いのように辞めてしまっていたのだ。しかしその後もつきあいは細々と続き、その間に奥田はバーテンを経由して、挙句にトルコ嬢のひもに成り下がっていた(第14話)。 ●その他DATA/解説・佐野史郎

感想・レビュー・書評

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  •  まさかこんな所にメメクラゲがいるとは思わなかった

    ねじ式 (小学館文庫)
    -出典:ねじ式 (小学館文庫) / つげ義春 より

  • アングレーム国際漫画祭 特別栄誉賞受賞!
    誰もが経験したことがあるような悪夢の世界を再現し、つげさんの代表作ばかりを集めた短編集。

  •  アックスの特集でコメントを書くように20年ぶりくらいで読み返した。『ねじ式』は改めてとても変でめちゃくちゃなのだが、めちゃくちゃなりに筋が通っていて、凄みがあり、何より絵にも凄みがみなぎっている。蒸気機関車の見開きがすごい。黒で描いた後にホワイトでヒッチングをしていて面倒な車輪のシャフトまで丁寧に書き込まれている。暗闇を走っているようだが、明暗が変で昼か夜かも分らない。どんな気合でこの絵を描いたのだろう。最後のモーターボートに乗って腕をかざしている堂々たる感じもかっこいい。そのコマの海原の波の書き込みもすごい。わずか22ページで世界をひっくり返してやろうとしているかのようだった。

     他の漫画も面白かった。旅情あふれる漫画と金属加工工場の話が多かった。絵の傾向が3パターンくらいあった。実体験がネタになっていそうだった。セックスがレイプ気味なのが多い。

  • つげ義春著 「ねじ式」 読了

    っつってもマンガだからなぁ。。。

    60年代後期の、サブカル、シュルレアリスムを味わいたかったらお勧め。
    ただし、昭和の高度成長期の体験が無いと、この感覚はわからないかもしれない。

    わかるとかわからないとかじゃなくて、なんか感じればそれでいいんだけど。

  • 『ねじ式』の印象からシュールレアリズム作品、不条理作品の作家の先入観があった。『オンドル小屋』『長八の宿』は紀行エッセイのようで、ペーソス漂う雰囲気が好きだ。『大場電気鍍金工業所』以下が私小説的。『ヨシボーの犯罪』も印象的だが、同じ夢世界の再現でも『ねじ式』の迫力は凄い。段違い。桁外れ。

  • 「夢うつつなれど 蛇にしめられるといっそ死んでしまいたいほどいい気持ちや」・・・・・・・

    『ねじ式』を代表作に、「ガロ」で活躍した作家、つげ義春先生の作品集。初めて読んだときはそのカオスなようで理路整然としているようにも感じる・・・ようはよく分からない世界観に、圧倒されつつ首をかしげた。個人的に一番「はっとさせられた」話は『沼』で、最後に青年が猟銃を撃つシーンで、何故だか知らないが鳥肌が立った。他の作品に比べても、その衝撃は段違いだった。なぜだろう・・・・・・・恐らく考えなくてもいいのではないか、とも思っている。登場人物のセリフがまた、背景の幻想的で不思議な感じと合わさって妙味だと思う。あまりたくさんの感想を書くことは難しいが、そうしなくても、一生心に残る作品たちばかりであった。

  • 本棚の奥の方にしまっておく。私の子供たちが気づいて読んでみる時が、なんとなく楽しみ

  • つげ義春氏の『ねじ式(1995)』を読了。

  • 独特のゆったりしたリズムが非常に心地よく、しばし他のことを忘れさせる。

  • 図書館で借りたこのバージョン。和綴じの本や貸本、見てみたかった。
    今更ながら、マンガは大人のものだったんだと新しい発見のような気持ち。
    つげ作品は作者の心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書き綴っている徒然草。どんなに真面目くさっていても上品ぶっても人間の心に浮かぶことなど、たいていこれらの作品に現れる、突然なる濡れ場のシーンみたいなものなのでは?
    表層意識では理解不能や不快な表現も深層意識でみればすっと腑に落ちる。
    すごい。

    それにしても、つげさんはこのころの仕事で現在も食いつないでいるというのがすごい。一生分、表現し、発表したってことなんだろうか?
    狂気のような表現を冷静に描いてる感じがまた素晴らしい。

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著者プロフィール

つげ 義春(つげ・よしはる):1937年生まれ。漫画家。

「2024年 『つげ義春が語る 旅と隠遁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

つげ義春の作品

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