カムイ伝 (15) (小学館文庫 しB 15)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (385ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091920454

作品紹介・あらすじ

江戸時代の厳しい差別社会の中で、自由を求めて戦う人々を描いた大作!

▼第1章/その後(1)▼第2章/その後(2)▼第3章/大白州(1)▼第4章/大白州(2)▼第5章/海原 ●主な登場人物/カムイ(厳しく差別される身分から自由を求めて脱出し、忍びと化した天才忍者だが、現在は忍びの世界から抜け出すべく逃亡中)、正助(優れた知能で社会を改革しようとする農民) ●あらすじ/幕府と、イタミ屋の背後にいた夢屋の結託による強引な見分に対して起こった一揆は、大きな犠牲と引き換えに、見分の延期が民衆の手に勝ち取られたことで終結する。その一方、幕府のとった警備の手配も迅速かつ大規模なものだった。そして、幕府側の取調べによって捕えられた多くの人々や、一揆の責任者として名乗り出たゴンたちが迎えた状況は、あまりにも悲惨なものだった……。 ●その他の登場キャラクター/ナナ(カムイの姉)、苔丸/スダレ(夙谷の住人で、正助の協力者)、ゴン(花巻村の農民)、笹一角(本名は草加竜之進。目付けの陰謀で一門は断絶、その仇を果たした一角の死後、彼の名を名乗っている)、夢屋七兵衛(金の力で権力に対抗しようとする商人)、赤目(カムイの忍びの師匠。忍びの社会から抜け出し、夢屋の商売を助けている)、橘一馬(元目付けの息子)、玄蕃(元目付けの弟)、横目(夙谷の頭)、サエサ(横目の娘・くノ一)、水無月右近(剣に生きる浪人)、錦丹波(笹一角に代わって日置の代官になった男)、イタミ屋(江戸から来た御用商人)、輪島修理(幕府より派遣された勘定奉行名代)

感想・レビュー・書評

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  • 第1部全15巻。ようやく読み終わった。長かった。
    非人として生まれた忍者カムイの生き様が語られるのだが、物語が進むにつれカムイはフェードアウトしていく。代わりに物語の中心となるのが農民の正助。圧倒的な武力を背景とする武士と金の力を利用する商人、それらに抑圧され搾取される農民。自らの生活と尊厳を守り発展させるため、正助は農民たちを指揮し、権力に対抗していく。
    多種多様なキャラクターが入り乱れ物語は混乱しているが、変わらず通底するのは、権力者とそれに虐げられる者たちとの苛烈な階級闘争。64年から71年という安保闘争の後から全共闘運動にかけて描かれたというのはとても示唆的で、60年代というのがまさにそういう空気だったのだろう。
    最終的に、正助は自らが率いた農民に惨殺され農民たちの革命は挫折して、第一部は終わる。このあたりも、学生運動後の70年代とつながっている。

  • 救いがない。もうみんな死ぬしかないって感じのラストだった。どれだけ搾取されて、どれだけしんどい時代だったか、っていうのがスケールでかく暗く陰惨に描かれている。

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