月光の囁き (1) (小学館文庫 きB 4)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 69
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091931047

作品紹介・あらすじ

美少女紗月の匂いを愛する少年拓也の青春。

強く惹かれあう男と女。だが男のフェティシズムがその関係に罅(ひび)を入れる。コミック誌上に谷崎潤一郎的世界を現出させた話題作、堂々文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 憧れの少女へのフェティシズム、その少女が自分に好意を向けてくれても彼は彼女の使ったティッシュをしまい込み、トイレに入ったときに音を録音さえする。それを知った少女は彼を嫌悪するが、それをあたかも純愛のように描き出す。それでいながら、やがてはサドとマゾのような関係にして作者は読者を翻弄する。
    読み返したいとは思えないが、ヒリヒリとした感情がいつまでも残る。

  • 昏いフェチズムと思春期の脆さと危うさとが、研ぎ澄まされて五感に刺さる。
    読んでぞくぞくした。これは文学作品だ。
    狂おしくも優しい、“月の純愛”の話。

  • ゾクゾクします。性癖の怖さと強さが織りなす青春…といっていいんかなぁ…谷崎潤一郎先生が好きなら…どうなる!?

  • М男と、それに呼応するかのようにS化していく女の話。

    最強だよ、これ。
    どうしようもないくらい天才で、どうしようもなく谷崎。

    万人には勧められないけど。

    おざなりの恋愛ものに飽きた人はぜひ読んでみて

  • 映画のほうが好き

  • これを読んだのは映画を観た後だ。
    喜国雅彦の絵は好きではないけれども谷崎的世界を漫画に結実させたというこの作品は痴人の愛の世界をさまざまな媒体に探し求めてしまう癖のある男子にはたまらないかもしれない。

  • 衝撃的な1冊。「谷崎潤一郎を漫画に・・」と著者が語るように普通の恋愛ではなく、フェティシズムにしか愛せない主人公とそれに悩むヒロインの描写は、秀逸だと思います。

  • 喜国が描く恋愛もの。
    もちろん普通じゃない。
    主人公たくやの異常(?)な愛に気づいた時、彼女は・・・。


    簡単に言うとSとMです。

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著者プロフィール

(漫画家、雑文家、装画家、プチ音楽家、本棚探偵)
1958年香川県出身。多摩美術大学卒業。
1981年に『ふぉーてぃん』で漫画家デビュー 。
代表作に『月光の囁き』、『日本一の男の魂』など。
さらに「本棚探偵」シリーズ、『東京マラソンを走りたい』、『シンヂ、僕はどこに行ったらええんや』などのエッセイも上梓。
1997年にみうらじゅん賞、2015年に『本棚探偵最後の挨拶』で第68回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)受賞。

「2021年 『ラストシーンは崖のうえ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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