からくりサーカス (14) (小学館文庫 ふD 36)

著者 :
  • 小学館
4.20
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本棚登録 : 19
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091933560

作品紹介・あらすじ

ディーン、貞義、そして…最大の敵、現る!

貞義の恐るべき計画「人間<転送>理論」と、それを阻止しようとした正二の戦いを見終え、目覚めた勝を待っていたのはママンの復讐を果たそうとするギイだった。しかし、追い詰められた勝は正二やギイも知らない物語を語り出す。それは今から230年の昔、「生命の石」を造った白金の記憶……。

【編集担当からのおすすめ情報】
藤田和日郎の長編第2弾「からくりサーカス」が、待望の文庫化。各巻にポイントを振り返るコラムを掲載し、複雑な物語をわかりやすく解説していきます。また、カバーを外した表紙には、著者の制作ノートからラフイラストや初期設定画などを本邦初公開! サーカス、人形、からくり……3つのキーワードが、時代を超えて絡まり合う冒険活劇を、余すところなく収録する全22巻、勝に転送された記憶が白金のものだったことが判明する第14巻の登場です!!

感想・レビュー・書評

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  • 勝に流れ込むすべての過去と因縁。
    それを知った上で「みんなちょびっとでも、しあわせになりたかっただけなのに」と言える強さ。
    伏線回収がかなり進んだけど、ストーリー構成の巧みさに加え、人間賛歌や人間の強さも弱さも真正面から描いていてすごすぎ。

    「本当に生きるというのは遠ざけるのではなくて自分の中に包みこんで、あるがままに生きること」という作中にある孔子の話。
    勝は流れ込んできた敵の知識すら利用しながら戦っていて、まさにそれを体現しててカッコいい。鳴海と早く合流してほしいんだけど、どうなるんだろうなあ。

  • 当然とも言える事ですど、この(14)は(13)以上の戦慄と衝撃、そして、胸熱を読み手の我々に与えてくれます
    気持ち悪いと詰られるのも覚悟で、はっきり言っちゃいますが、私の中で、藤田先生はもはや、「神様」扱いです
    ただ、時々、思うと言うか、抱いちゃうんですよね、強烈な嫉妬の念を
    何で、この人は、こんなにも面白い漫画が描けるんだってジェラシーが、私の中で燃えるんですよ
    その炎が勢いを増しました、この(14)では
    その理由は決まっています、ついに、正体を見せたラスボス、白金の存在です
    他のファンの方々も同意してくれると信じてますが、藤田作品を凄く良い漫画に到達させている理由の中でも大きいのは、悪役の存在です
    藤田作品に限定せず、多くの漫画やアニメに登場する悪役の中でも、かなり、上位に入るんじゃないでしょうか、白金は
    私も、仮に、その手の質問をされ、解答欄が三つだったら、一つは白金にします
    悪役として突き抜けている、と感じる要因、それは、やはり、人間臭いからです
    とんでもないほどの悪行を積み重ねているのに、愛する人の為に出来る最大限の努力を当然のようにしている自分は全く悪くない、と信じられる、強靭な歪んだ精神性は、正に極悪人
    ある意味じゃ、純粋な愛に生きているんですが、全く、理解できないし、共感も湧かず、ただただ、ひたすらに悍ましく、恐ろしい
    自分以外の存在を踏み躙っても、全く心を痛めず、目的に向かって邁進する部分は、『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨も有しており、改めて、『鬼滅の刃』好きの人には、この『からくりサーカス』も読んでほしい、その気持ちが強まりました

    そんな白金の濁りすぎな悪意に、心挫けることなく立ち向かえる、正しき勇気を持っている主人公・勝が、本当にカッコいいんですよ
    表紙から、勝のカッコ良さが前面に出ているんですが、本編では、もっと、カッコいいので、覚悟しておいてください(何をだ)
    本当に驚きですよね、最初は、あんなにも臆病だった少年だったのに
    まぁ、これだけの経験を、この年齢でしてたら、性格が変わらない方がおかしいですよねェ
    それに、周囲に、憧れさせてくれる大人が多いのも、勝が強くなれた理由でしょう
    自分の命じゃなく、大切な人たちを守るために、怒れる勝は、今、他者の命を軽く扱う悪魔どもへ立ち向かっていきます
    ジャコランタンを操る勝とOとの戦いは、本当に、血沸き肉踊ります
    自分の持っている武器を上手く使って、勝利する勝の戦い方は、勉強になるんですよね
    主人公の魅力を、読み手にガッツンとアピールするためには、行動、台詞、ストーリー展開も大事ですが、やはり、真っ向から衝突する悪役の存在が大事、と教えてくれる藤田先生には、感謝と同時に、やっぱり、嫉妬が渦巻きます
    おこがましい、と言われるかもしれませんけど、小説家を目指す者として、この感情は否定できません
    むしろ、藤田先生への感情があるからこそ、小説家になりたい、その夢を捨てないでいられるんですから
    なので、これからも、どんどん、私の中の嫉妬を強めてください、藤田先生
    私は、その妬みを食って、もっと、皆さんを楽しませられる小説を書けるように努力するので

    この台詞を引用に選んだのは、過酷な運命に巻き込まれても、もう、逃げない、と決めた勝だからこそ言えるものだな、と感じたからです
    一寸先は闇とは、よく言ったもので、未来は誰にも分かりません
    分かったつもりでいたって、簡単に外れ、とんでもない、思ってもいなかった事が起きます
    そんな時、結局、人間は明日を迎えるために、その災難に立ち向かって、全力で戦って、生き抜くしかないんですよ
    戦わなきゃ生き残れないんです
    仕方ない、と口に出すなら、人間は頑張らなきゃいけないんですよね、人間なら
    「とうとつに・・・か・・・いつだって、ツラいコトやイヤなコトは、唐突に、急にやって来るんだよね・・・それに対して、心も、何も準備してないのにさ・・・・・・でも、それから逃げられないってわかったら、その時をいっしょうけんめ、やるしかないんだね。しかたないなら! がんばるしかないんだ!!」(by才賀勝)

    そして、もう一つ、引用に加えさせてください
    これもまた、名言です
    きっと、他の藤田ファンの皆様でも決められないでしょうね、どっちが良い言葉か、は
    ファンじゃない人からすると、ただ暑苦しい、と感じるだけかもしれませんが、響くのなら、その人は藤田作品の虜になれる才能がある、と断言できます
    人間として生まれ、今、「漫画家」として生きている藤田先生は、満足できる死を迎えられるんだろうな、と確信できる名言です
    藤田先生でなきゃ出ませんし、主人公に言わせ、なおかつ、読み手のハートをぶっ壊す気か、と思うほどの威力で殴れませんよ、この台詞は
    神様が決めたことだから、運命に従う、なんて言ってる内は、人間として、ちゃんと生きている、とは言えないかもしれません
    神様を心の拠り所にするくらいなら良いんでしょうが、自分の「足」で立って、目的地に歩いて行かなきゃ、人は生きていると言えませんよね
    「・・・・・・・・・ちがうよ・・・グリポン君、この世の中に生まれた者は、誰のものでもないんだよ。誰の操り人形でもなくて・・・したいことは全部、ちゃんと自分で選べるんだ。ぼくらを造った神さまがいるとしたって、そんなぼくらを、もう、自分の人形“もの”だなんて思わないと思う。自分で考える物はモノじゃない。造ったところまでは、神さまのお役目・・・なんの糸にも操られずに、自分で立って・・・ちゃんと生きて、ちゃんと死ぬのが、ぼく達の役目だ!」(by才賀勝)

  • ディーン、貞義、そして…最大の敵、現る!
    貞義の恐るべき計画「人間 <転送> 理論」と、それを阻止しようとした正二の戦いを見終え、目覚めた勝を待っていたのはママンの復讐を果たそうとするギイだった。しかし、追い詰められた勝は正二やギイも知らない物語を語り出す。それは今から230年の昔、「生命の石」を造った白金の記憶……。(Amazon紹介より)

  • 遠大すぎる光源氏計画。

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著者プロフィール

北海道旭川市出身。1964年生まれ。88年、『連絡船奇譚』(少年サンデー増刊号)でデビュー。少年サンデーに連載された『うしおととら』で91年に第37回小学館漫画賞、77年に第28回星雲賞コミック部門賞受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。他の代表作に『からくりサーカス』(少年サンデー)がある。

「2007年 『黒博物館 スプリンガルド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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