からくりサーカス (15) (小学館文庫 ふD 37)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 19
レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784091933577

作品紹介・あらすじ

生還した鳴海に、しろがねが狙われる!!

フェイスレスこと白金は、勝にゲームを提案する。勝利の条件は、2年間、しろがねことエレオノールを護り通すこと。勝はギイに戦い方を学ぶと決め、しろがねに一時の別れを告げる。失意のしろがねの前に現れた加藤鳴海だったが、再会を喜ぶのではなく、ゾナハ病の治療法を聞くために襲いかかってくる。

【編集担当からのおすすめ情報】
藤田和日郎の長編第2弾「からくりサーカス」が、待望の文庫化。各巻にポイントを振り返るコラムを掲載し、複雑な物語をわかりやすく解説していきます。また、カバーを外した表紙には、著者の制作ノートからラフイラストや初期設定画などを本邦初公開! サーカス、人形、からくり……3つのキーワードが、時代を超えて絡まり合う冒険活劇を、余すところなく収録する全22巻、エレオノールを護るゲームがスタートする第15巻の登場です!!

感想・レビュー・書評

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  • いよいよ本編!からくりとサーカスが交わる時。
    存在意義を揺さぶられるしろがね。
    そこにあの鳴海との再会とは残酷。
    勝も成長するための戦いへ。
    波乱が続くも、しろがねも勝も行動に芯が通っているから、安心して見ていられる。

  • 文庫版になってからの再読になるのだけれど、こんなエピソードあったっけ? 修行してたのは覚えていたけれど、なんか上手く出来てるなあ。しろがねの方はまさかの三角関係!? 互いに情報規制を敷いているから、互いに入れ替えが凄い。修行エピソード、長いのかな?

  • この(15)で、読み手に藤田先生が繰り出してきたのは、頭突き
    一ファンとして、素直に、効いた、と認めるしかありません
    逆に、この頭突きにクラクラ来なかったら、ファンとして、まだ、読み込みが甘い、と言わざるを得ませんよね、皆さん

    この(15)では、勝サイド、しろがねサイド共に、新たな動きが起き、物語が前に進んでいます
    まず、勝サイドですが、勝はフェイスレスの愛から、しろがねを守るために、ゲームへ身を投じます
    過去と現実を知り、運命に立ち向かう覚悟を決めて、一人の戦士として覚醒した勝は、慢心の塊であるフェイスレスへ軽くはないダメージを与えますが、やはりと言うべきなのか、倒し切る事は叶いませんでした
    まぁ、身も蓋もない言い方になりますが、ここで決着したら、面白みも何も無くなっちゃいますからね
    勝の強さは本物ですが、狡猾さ、もしくは、老獪さと言う意味では、やっぱり、フェイスレスの方が何枚も上手だった、そういう事です
    祖父・正二から、しろがねを託された勝は、しろがねを守るために、あえて、彼女を自分の傍から遠ざける選択を取りました
    この決断に、勝の強さを感じ取り、もっと、好きになったファンは多いでしょう
    フェイスレスが差し向けてくる刺客に勝つ為に、勝は、自分に足りないモノを埋めるべく、黒賀村に残り、ギィの指導の下、人形繰りの特訓に入ります
    その黒賀村で出会ったのは、今後、勝が小さくない影響を与える三姉妹、そして、ずっ友またはライバルと言える関係を築いていく、阿紫花英良の義弟・平馬でした
    ファーストコンタクトこそ最悪の部類に入るものであり、それからも、決して、友好的な関係と呼べるものではありませんでした
    しかし、大切なヒトは、何が何でも守りたい、その純粋な思いだけは、確かに一致している少年二人は、人形相撲の優勝を協力して目指します
    こういう友情ドラマもまた、藤田作品の魅力ですよねェ
    しかし、勝と平馬が、友情を深めている裏で、フェイスレスは一回目のゲームプレイヤーを、勝の元へ送り込もうとしています
    果たして、勝は初戦を勝利で飾る事が出来るのでしょうか

    この(15)では、過去編の主役の一角を務めた正二が、舞台から降りています
    端的に言って、良い退場の仕方でした
    藤田作品の真骨頂とも言える、満足気な笑顔です、彼の死に顔は
    改まって言う事でもないんですが、本当、人ってのは一人じゃ強くなれないんですよね
    自分の側にいる人から、ちゃんと生きて、ちゃんと死んでいくために、必要な事を一つずつ受け継いでいくから、ちょっとずつ強くなっていけるんだな、と感じ取れます
    大切な人を守りたい、その思いから、多くの人を辛い目に遭わせてきてしまった事、そして、巻き込んでしまった勝に対し、申し訳なさを覚える正二は、自ら、地獄へ行く事を選びます
    当然、彼を愛するアンジェリーナさんも、共に地獄へ行く覚悟が出来ていました
    ただ、思うんですが、この夫婦が地獄の鬼に、大人しく、いたぶられますかね
    正二さんは、絶対、アンジェリーナさんを鬼から守るために戦うでしょうし、アンジェリーナさんも同じに違いありません
    となったら、閻魔大王は、この夫婦を、さっさと、天国へ送っちゃうんじゃないかな、と私は思っています

    しろがねサイドのメインは、再会、と言い切れます
    誰と誰が再会したのか、それは判り切っていますよね
    そうなんです、しろがねと鳴海が、ついに再邂逅を果たしたんです
    けれど、鳴海は多くの仲間を喪い、守れず、その上、本物のフランシーヌ人形を破壊できなかった罪悪感から、すっかり、人が変わってしまっていました
    悪魔化が進行してしまっている、そう言い換えても、ファンには伝わりそうですよね
    鳴海が何故、記憶を失い、自分を憎悪と激怒に任せ、殺そうとしているのか、判らぬも、しろがねは彼を仲町サーカスの一員へ迎え入れます
    それは、己を危険に晒す事。けれど、彼女は、自分の命よりも、鳴海と一緒にいたい、その気持ちを優先しました
    無自覚ではあるようですが、それは、間違いなく、恋している少女だからこその決断ですよね
    果たして、この二人は、どうなっていくのか、楽しみでなりません

    この台詞を引用に選んだのは、カッコいいー、勝、とシビれたからに他なりません
    先にも書きましたが、フェイスレスが慢心の塊だからこそ、勝のカッコ良さが一層に強調されましたよね
    条件が同じならば、負けるはずがない、と思うようじゃ、男はまだまだ、強くありません
    条件が同じだからこそ、自分は相手よりも劣っている事を、冷徹に受け入れ、その上で、勝利する為に出来る事をすべてやれる、それが強さです
    何があっても油断しない、隙を突かれない、それがカッコよくて強い男です
    「ちいい~~~~、油断したわ!」
    「同じ記憶があっても、圧倒的に弱いぼくには、油断はないよ」(byフェイスレス、才賀勝)

    そして、この(15)でも、もう一つ、名言を紹介させてください
    これもまた、読み手の心をぶん殴ってきます
    恩師に救われ、一人の女性を救い、愛しい存在を守り続け、そして、自分よりもよっぽど強い男にそれを託せるだけの人生を送ってきた正二さんだからこそ、中身を感じさせてくれる名台詞です、これは
    拳のままじゃ、確かに、人と握手はできません。争いを、不用意に生むかもしれません
    けれど、男には、誰かを守るために、掌を拳に変える事が必要なんです
    そんな拳には、大切なモノが握り締められているからこそ、いつだって開かれ、助けを求める誰かに掌を差し伸べる事が出来る、と私は思いました、この言葉で
    「・・・勝、・・・男がな・・・・・・全部、ハラにしまって・・・たった一人で歩かなきゃならん時はな・・・ぎゅっと手をにぎって、それを見ろ。それが、この世でたったひとつ・・・おまえと大事な人を守る、力強いこぶしなのだ」(by才賀正二)

  • フェイスレスこと白金は、勝にゲームを提案する。勝利の条件は、2年間、しろがねことエレオノールを護り通すこと。勝はギイに戦い方を学ぶと決め、しろがねに一時の別れを告げる。失意のしろがねの前に現れた加藤鳴海だったが、再会を喜ぶのではなく、ゾナハ病の治療法を聞くために襲いかかってくる。 (Amazon紹介より)

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著者プロフィール

北海道旭川市出身。1964年生まれ。88年、『連絡船奇譚』(少年サンデー増刊号)でデビュー。少年サンデーに連載された『うしおととら』で91年に第37回小学館漫画賞、77年に第28回星雲賞コミック部門賞受賞。ダイナミックかつスピーディー、個性的ながらエンターテインメントに徹したその作風で、幅広い読者を魅了し続けている。他の代表作に『からくりサーカス』(少年サンデー)がある。

「2007年 『黒博物館 スプリンガルド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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