宇宙食になったサバ缶

  • 小学館
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092272583

作品紹介・あらすじ

宇宙食をつくった高校生たちの探究リレー

「ジューシーなお魚。しょうゆもしっかり染みていておいしいです!」
2020年11月、野口聡一宇宙飛行士が宇宙からYouTubeで食レポを配信したのは、高校生たちが開発した宇宙食のサバ缶だった。
本書は、JAXA認証宇宙日本食「サバ醤油味付け缶詰」をつくった福井県立若狭高校の生徒たちの、山あり谷ありの14年の軌跡を取材したノンフィクション児童書。

それは、地元の名産「サバの缶詰」を宇宙食に、という生徒の一言から始まった。
でも、宇宙で食べたくなる味って?
行ったことのない宇宙での「正解」は、先生だって知らない。
そんな宇宙食開発で大切なことは、宇宙飛行士の体と心によりそうことだった・・・・・・。

どうにもならない困難にたびたび直面しつつも、「探究」のワクワクを原動力に、疑問に思ったことを調べてみる、仮説を立ててやってみる、結果を観察し記録する。先輩から後輩へと「探究」のバトンが受け継がれ、ついに夢をかなえた実話です。


そのほか、JAXA認証宇宙日本食のメニュー一覧や、宇宙での食事や健康にまつわる5つのコラムも収録。まるごと一冊、宇宙食の本です。

【編集担当からのおすすめ情報】
本書には、好きなことを探究するワクワク感がつまっています。
それは学びの原点であり、小学生から大人まで年齢を問わず共感できる楽しみでもある、ということが伝わる一冊です。

小学4年生以上向けの児童書ではありますが、教育分野や探究学習にご興味のある大人の方にもオススメです。

感想・レビュー・書評

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  • 小学高学年への本を探して。

    宇宙食として採用された日本食のなかに、高校生が作ったメニューがあります。それが福井県立若狭高校の作った「サバ醤油味付け缶詰」です。この本は「地元若狭のサバを宇宙に」という生徒の言葉から宇宙食開発が始まり、認定されて宇宙で食べられるまでの14年奮闘記です。

    重力のない宇宙での食事ってどんな状態?宇宙飛行士たちが食べたい味はどんなもの?(濃いほうが好まれるそう)
    宇宙食なんて作ったこと無いので先生も正解がわからない、その上高校の統合や研究時間の確保などの企業ではない苦労もたくさん。
    それでもJAXAの人や宇宙飛行士さんにアドバイスをもらって、意見を出し合い、代々先輩から後輩へと受け継いでいく。

    ジャクサ認証宇宙食の日本食一覧、宇宙での食事にまつわるコラム、イラストや写真も使われて、宇宙開発や宇宙飛行士の健康のことなども分かります。
    自分一人ではできないことを代々受け継ぎ成し遂げたという一大プロジェクトの一員としてやることをやるというのも良いです。
    宇宙のこと、食を知る事もできるし、将来を考える中高生にもおすすめです。

  • 先輩から後輩へと研究結果が受け継がれていき、14年もの年月を経て、宇宙食となったサバ缶のお話

    高校生の力って凄いなと
    また先生が教えるのでなく支えていく立場に回っているのが子どものためとなっていた

    高校生/福井

  • 若狭高校の高校生たちが取り組んだ宇宙食のサバ缶への挑戦、14年間のリレー

    ○宇宙日本食と、宇宙食について
    その基準
    ○宇宙サバ缶の工程
    ○高校生たちの、サバ缶と地元食材への愛情
    ○小学生たちが自分の夢や目標に向かって歩いていく勇気がもらえそう
    ○先生たちが先頭にたつのではなく、あくまでも生徒たちが研究を受け継ぎ探求していく。
    戸惑いと楽しさ

  • 宇宙飛行士の野口さんが宇宙で食べていたサバ缶は、高校生がつくったものだった! 認証宇宙日本食・サバ缶をつくった福井県の若狭高校の挑戦をまとめた本。
    (YA担当/なこ)

  • 高校生が開発したサバ缶。小さな水産学校から宇宙へサバ缶を届ける夢はバトンを渡されつづけ、宇宙に飛ぶまで14年もかかった。それでも高校生自ら学ぶ意欲を持ち、周りが協力したという環境が素晴らしい。サバ缶作りは高校生たちの未来の糧になっただろう。

  • わたしも大好きなサバ。
    宇宙へサバ缶を届けることを目標に、次の代へバトンを渡しながらたどり着く物語。胸が熱くなり、わくわくとともに、お腹が空いてくるお話でした。

    きっかけは生徒の一言から始まったけど、それを広げて繋げていき、実際に宇宙食になるまでの過程がよく分かる。生徒や海想いの熱い小坂先生と、JAXAで実際に話を聞いてくれて力を貸してくれた岸さん、「宇宙日本食」の開発エキスパートの中沢さんに出会えたことも大きい。

    中沢さんが高校を訪れて講演と調査をした日に、「缶詰は宇宙日本食には認められない」と伝えられた。
    その理由は、食べたあと、缶がかさばりゴミになるから。
    それを聞いた時、小坂先生は終わったな…と諦めそうになるが、生徒は違う。「何か手立てはありますか?」と次の課題を解決しようと考える。その姿勢をわたしも見習いたいと思った。

    地元の漁師たちを悩ませる、巨大クラゲのエチゼンクラゲの大量発生の話も面白かった!
    「あのクラゲ、食べられるん?」その一言から、食品加工して商品化になり大ヒットとは…
    大型クラゲも煮詰めると液体になるらしい。簡単な加工で液体にし、それを工場で乾燥させ粉末化させることに生徒たちが成功。それからクラゲ入りクッキーへと商品化になるのも見事。どんな味がするんだろう。食べてみたいね!

    コラム3の宇宙で食べ物を育てるという話。映画の「オデッセイ」を思い出した。そんなシーンあったよね。

    宇宙日本食の開発の歩みも面白い。
    日本食といえば、これ!ってメニューがいくつもある。日本が恋しくなる味ばかり。

  • 図書館本。長女の「面白い」認定の本。福井県の高校生が「鯖街道を国際宇宙ステーションまでのばせ!」をキャッチフレーズに14年越しで鯖醤油味付け缶詰の宇宙食を完成させる。高校生のパッションとそれを少し離れて見守る取り巻く教師陣がアツい。そして、こういうアツいストーリーにそのまま魅せられる長女が私は好き。

  • 【9/12 宇宙の日 にちなんで紹介】
     日本人宇宙飛行士をサポートするために開発された宇宙日本食。その中に、高校生の作ったメニューがある。福井県の特産品のサバを使ったサバ缶だ。先輩から後輩へうけつがれた14年ごしの挑戦。

  • 高校生が作ったサバ缶が宇宙へ行くまでのノンフィクション。
    代々、研究を受け継いで、夢を叶えた高校生もすごいが、それを支えた先生、地域などの大人たちもすごい。
    児童向けなので仕方がないが、14年もの成果が描かれているにしては駆け足で、ちょっと物足りなかった。
    もう1冊、出版されている『さばの缶づめ、宇宙へいく』も読んでみたい。

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著者プロフィール

1977年生まれ。京都大学東南アジア研究所研究員。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。
専門:民族植物学。

「2008年 『ラオス農山村地域研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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