- Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092897434
作品紹介・あらすじ
坪田譲治文学賞作家が描く感動の駅伝物語
毎年一月、広島で開催される都道府県対抗男子駅伝を舞台に描く、感動の駅伝物語。
故郷を代表し、周囲の応援と期待を背負い、中学生、高校生、大学生・社会人と、世代の違う福岡県チームの七人が、たすきをつないで走る。
選手それぞれが、悩み、葛藤しながらも走り続ける理由とは?
そして、最後に待っていたドラマとは?
【編集担当からのおすすめ情報】
『伝説のエンドーくん』では、中学生の教師たちを主人公にした新たな視点でYA小説を描き、話題を呼んだまはら三桃氏。
今回選んだテーマは、“全国都道府県対抗男子駅伝”。
世代の違う選手たちがひとつのチームとして、故郷のたすきをつないで戦います。
ランナーひとりひとりのドラマが、たすきのように、次々とつながれて、最後の意外な結末へ……。
読めばますます駅伝を愛したくなる、そんな新しい駅伝物語の誕生です!
感想・レビュー・書評
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まはら三桃さんによる,都道府県駅伝の小説。
一月に広島で開催される都道府県対抗男子駅伝。
県を代表して,中学生から社会人までの幅広い年齢の選手が,故郷の県のために襷をつなぐ。
それぞれの選手,コーチ,監督が,それぞれの思いを抱いて走る。
駅伝,めっちゃいいですよ。
物語としては,誰が主人公というわけでもなく,それぞれの視点で,それぞれの思いを走りに昇華させる。それは駅伝を走った選手だけに限らず,補欠,コーチ,監督,それぞれの思いを持って,一本の襷をつなぐ。
この中の誰もが主人公であり,群像劇だなというのは感じました。
福岡県代表のチーム,中学生の山野海人,佐々木和,斎藤湊,高校生の沢田瞬太,谷山林太郎,川原大貴,大学生の水島颯,実業団の吉武弘一。そして監督の熊沢速一,コーチ澄川佑太,小野仁。
場面ごとに,それぞれの人物の思いがつながっていくんだと感じました。
そして,物語全体を「白」がつないでいます。
やっぱり,ほとんど恋愛要素のない男子の群像劇って好きかも。
登場人物の一部にちょっとだけ恋愛要素あります。でもほぼ走っています。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
都道府県対抗駅伝のランナーひとりずつの視点の物語。白は襷の色。
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群像を描くのに駅伝は最適だと思う。
中学生から大人までが関わる都道府県対抗駅伝、様々な視点が入ることで、学生の話とは違う、より広い世界の物語になっている。
同じ時、同じ場所、同じ競技を目指していても、人はそれぞれの状況を、悩みを、考えを持っている。
一丸となって、なんてことはないのだと思い知らされる。
一方で、それでも走るということで、どこか繋がっている人たち。それは心躍ることだ。
白、駅伝ではこんな悲しいものはない。
繋がらなかった襷、でも、それでも繋ぐものがあるという話。
吉竹の話が、いぶし銀で好き。
川原くんのエピソードもいい。 -
都道府県駅伝のお話。
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面白かった。タイトルもいい。
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この作者のYA向けの本いろいろあります。ちょっとかわった視点のお話を書かれる方だなという印象。そこがおもしろいです。
(一般担当/1号2号) -
前半で期待を抱かせたけど、中盤で失速。
特にレース開始からレース中盤くらいまでは「なななんじゃこりゃ?」と驚くような出来。ほんとうに同一著者が書いとるんかいなと思うほど、物語前半との質の差がでかい。
レース中盤からはまた盛り返してきて、また質の高い物語になって一安心ではあった。つくづく中盤が惜しい。 -
読み出したらスタートからゴールまで止まらない、疾走感がある話だった。
男子全国都道府県駅伝に出場する福岡チームは「白」をテーマに走り抜く。最後まで襷は繋がるのか?白って結局何なんだ?そういえばレースの結果は??意外な結末ではあったものの、気持ち良く読了できた。
各章にそれぞれの選手やコーチ陣の視点からの「白」が書かれており、飽きが来ない。今回の課題図書の中では1番読みやすいと思う。 -
1月に広島で開催される「都道府県対抗男子駅伝」の話。
駅伝って凄く好きで、いろんな駅伝があるなかで都道府県対抗を選んだってところが良い。
地域色が濃くなるし郷土愛が出る。
中学生から社会人までがチームになるから、その内容もいいです。