小さな可能性 (児童単行本)

制作 : 野坂 悦子 
  • 小学館
3.53
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本棚登録 : 38
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (168ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784092905375

作品紹介・あらすじ

キークのパパは、お医者さん。たくさんの人を助けるために戦争をしているところへ向かった。心配で心配でしかたないキークは、パパが、無事に帰ってくる可能性を、できるだけ大きくしたい。そんなキークの不安な気持ちが一人歩きし始めた。可能性って大きくしたり、小さくしたりできるの?オランダ発児童文学の名作、金の石筆賞受賞作品。金のフクロウ児童文学賞、金のフクロウ子ども読者賞、同時受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 不安を描いた作品

  • オランダの少女キーク(9才くらい)の父親は医者。NPOの活動で、戦場の医者として、時々、世界の危険な国へと旅だってしまう。キークと母親は、オランダの家で父親の帰りを待つ。
    感受性豊かなキークは、父親が流れ弾に当たって死んでしまう夢を見る。父親の死の可能性を低くするために、どうしたらいい?

    ペットが死んだ子はいるけど、父親が
    死んでしまった子は少ない。
    ペットも父親も死んだ子はさらに少ないはず。父親が死ぬ確率を低くするために、ペットが死んでしまうというのはどうだろう?

    不安に押しつぶされそうになりながら、キークは、そんなことを考えてしまう。そして、ペットショップで、死にそうなネズミを手に入れる・・・


    主人公の繊細な心の動き、母親やおばあちゃんとの関係、友達や学校でのことが、細やかに描かれている。

  • 主人公キークの願いは「パパに生きていてほしい」、ひたすらにそれだけである。
    そのために少女の思考は、「パパが生きている可能性」を大きくするために、飼っている犬やネズミの死を望むというショッキングな方向へと傾いていく。
    そんなキークの思考と行動を周りの大人(ペットショップの店員や母親たち)がきちんと止めてくれる。
    特に飼い犬のモナを歩道橋から落とそうとするキークを救う通りすがりの男性は、彼女を叱り、ちゃんと間違いを指摘し、そしてキークの不安を聞いてくれる。
    ああ、いい大人だなぁとしみじみ思う。
    子どもの間違った行動を、大人が「きちんと」止める。それはとても大事なことではないだろうか。特に幼い子どもにとっては。
    それがきちんと描かれているところがいいなぁと思った。
    ただ、最後のほうの場面で、学校の授業で先生がキークに自分の父親のことを話すように促していたけど、自分がキークの立場だったら……と考えたら、ちょっと嫌だな、と思ってしまった。
    その後の放課後の出来事として、「うんざりした気持ちになったモナ」が、黒い犬の鼻先にガブリとかみついて、くさいおならをしたのが、そんな積み重ねられたわずらわしさを吹き飛ばすようで小気味よかった。

  • キークとお母さんが、お父さんがいなくなって不安を抱く話。言葉が綺麗で胸がきゅうとなる場面がいくつかあった。好い話だったな。

  • 背筋がすっと冷えるようなキークの純粋さ。子どもが読むのと大人が読むのでは、受け取り方が違うかもしれない。ぞっとするんじゃなくて、すっと。しました。少しこわい。けど、パパが帰ってきてよかった。

  •  キークのパパは医者。戦地で仕事をしていたパパが行方不明になる。ママと可能性の話をしたキーク。パパに無事に帰ってきてもらいたいキークは、飼っているネズミと犬とパパが全部死んでしまう可能性は、小さいはずだと考える。

  • 選書会で、子どもたちが選んだ本。

  • 朗読劇に使ったら良さそう。何となく。
    著者は児童図書館の司書さんやったそうです。

  • 不安が極まると思ってることと行動が別々になるというセリフに大きくうなづく。子供も大人も同じだけどちょっと違うところが丁寧に描かれている。

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