- Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
- / ISBN・EAN: 9784092905665
作品紹介・あらすじ
フィギュアスケートの大会で起きた突然の事故で急死したイーガンの心臓が、重い心臓病で苦しむアメリアに移植された。アメリアは、自分のものではない記憶を感じ、自分のものではない感覚に襲われる。交わるはずのない二人の少女の運命が交差する。心優しいハートウォーミングストーリー。
感想・レビュー・書評
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フィギュアスケートの大会の事故で亡くなった女の子の心臓を移植された重い心臓病の女の子。もとの心臓の持ち主と新しい心臓の持ち主の視点で語られる。やはり、心臓には持ち主の心が宿るのだろうか。
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死後の世界と現実とを行き来することで、交わるはずのない二人の女の子の現実と感情が交差する。
設定はファンタジーっぽいけれど、内容はハードでリアル。
フィギュアスケート選手の日常や気持ち、そして心臓移植を受ける人の痛みや気持ちが、生々しく感じられる。
特に移植前後のアメリアの状況と感情の描写はは、かなり辛い。
母と娘の複雑な関係性は、永遠のテーマなのだなあ。 -
フィギュアスケートの大会で起きた突然の事故で急死したイーガンの心臓が、重い心臓病で苦しむアメリアに移植された。アメリアは、自分のものではない記憶を感じ、自分のものではない感覚に襲われる。交わるはずのない二人の少女の運命が交差する。心優しいハートウォーミングストーリー。(e-honより)
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心臓の提供を受ける少女と、提供者である(つまり亡くなってしまった)少女の交互の語りで物語が進む。
つらいなあと思うのだけど、読んでいてそれほど悲痛な思いにならないのがふしぎ……だと思っていたら、作者の動機が心臓提供者の側にあったことを知って、なんだか納得した。
母子の物語でもあるのだろうけど、イーガンの母はどうしても好きになれないんだよな。だからといって、首を突っ込まない母親がいいというわけではないのよ。でもあそこまで干渉したらそりゃあ関係がうまくいかないのはあたりまえだろと思ってしまうのだった。 -
読んで良かった。イーガンとアメリア。器官と人柄、霊魂。
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図書館で借りて読んだ。
とても読みやすかったのだけど、時間がかかってしまった。
共感が持てる部分もあり、できない部分もあり…。
臓器移植について、軽い気持ちでしか考えたことはなかったけれど、
もしかしたらこの話しのようなこともありうるのかもしれない、と思う。
もし、明日思いがけないことで死んでしまったら…、
きっと私も伝えたくて仕方がない思いがあるだろうな。
後悔はしたくない、やはり1日を大切に生きなくてはいけないな。 -
フィギュアスケートの世界選手権をめざす少女イーガンは、大会中の事故で急死する。彼女の心臓は、重い心臓病で苦しむアメリアに移植された。移植後、自分のものではない記憶や感覚に襲われるアメリア。本来は交わるはずのない、二人の少女が交互に語る物語が交差するとき、二人は・・・。
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ハートビートなどと聞くと勝手にロマンティックなイメージを抱いてしまいましたが、日本語で心音というほうが内容にしっくりきます。事故死してしまったイーガンと、彼女の心臓を移植してもらうことになったアメリア。本来なら出会うはずのない2人が「心臓」を通じて交錯していきます。このあたりはファンタジックですが、ティーンエイジャーの女子ならではの母親への苛立ちの様子などはリアルに描かれています。
宗教観の違いというか、死後の世界の描き方が特に最後のシーンのあたり、日本人の感覚とはやはり違うなあと感じ、興味深かったです。
ドナーが亡くなる事で死を免れたレシピエントとドナーの遺族が会うことの複雑さも考えさせられます。難しいなあ。 -
心臓移植を待つアメリアに、一本の電話が入った。
ドナーが見つかったのだ。
母親は喜ぶけれど、アメリアの気持ちは複雑だった。
それは、必ず悲しい思いをしている家族がいることを知っているから。
手術は成功し、順調に回復するアメリアだが、何か違和感があった。
自分が変わってしまったように感じたのだ。
母親に対する口のききかたが変わったり、軽い冗談を言うようになったり。
これはこの心臓のせいなの?
アメリアはドナーのことが知りたくなった。
もう一人の主人公、ドナーとなったイーガンの気持ちとアメリアの気持ちが
交互に語られています。
母親と気持ちが行き違ったまま死んでしまったイーガンと
イーガンの思いを彼女の家族に伝えようとするアメリア。
心臓移植という重いテーマだけれども、心があたたまる物語です。