焔の中 (P+D BOOKS)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 12
レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (174ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093522106

作品紹介・あらすじ

青春=戦時下だった吉行の半自伝的小説

昭和19年8月――、僕に召集令状が届いた。その後の入営は意外な顛末を迎えるが、戦時下という抑圧された時代、生と死が表裏一体となった不安を内包し、鬱屈した日々を重ねていく。まさしく「焔の中」の青春であった。
狂おしいほどの閉塞感の中にあっても、10代から20代の青年らしい友人との、他愛のない会話、性への欲望、反面、母への慕情など巧緻な筆致で描かれる。また、戦争とは一線を引いたかのような、主人公の透徹した眼差しと、確固たる自尊心は一貫しており、吉行自身のメンタリティが垣間見える、意欲作である。

感想・レビュー・書評

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    http://shogakukan.tameshiyo.me/9784093522106

    青春=戦時下だった吉行の半自伝的小説。  

    昭和19年8月――、僕に召集令状が届いた。その後の入営は意外な顛末を迎えるが、戦時下という抑圧された時代、生と死が表裏一体となった不安を内包し、鬱屈した日々を重ねていく。まさしく「焔の中」の青春であった。  

    狂おしいほどの閉塞感の中にあっても、10代から20代の青年らしい友人との、他愛のない会話、性への欲望、反面、母への慕情など巧緻な筆致で描かれる。また、戦争とは一線を引いたかのような、主人公の透徹した眼差しと、確固たる自尊心は一貫しており、吉行自身のメンタリティが垣間見える、意欲作である。

  • P+D BOOKSの狙いは、埋もれてしまった過去の作品の掘り起こしなのだと思うけれど、だとしたらこれはまさに素晴らしい逸品だと思います。やっぱり自分はどうしようもなく青春小説が好きなのだなあと痛感。思春期特有の懊悩、それに加えて、実際に作者が体験した戦争についても書かれていて、その時代の空気や情勢など、自分はほとんど知識がなかったのでまさに追体験するという感じで、とても良い読書体験だった。著者の他の作品にも手を伸ばそうと思うと同時に、このレーベルは信頼できそうだなと思いました。これからも買おう。

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プロフィール

1924年、岡山市生まれ。新興芸術派の作家吉行エイスケと美容家あぐりの長男。妹に女優の和子と詩人で芥川賞作家の理恵がいる。2歳の時、東京に転居。1944年、岡山連隊に入営するが気管支喘息のため4日で帰郷。1947年、東京大学英文科中退後、大衆誌『モダン日本』の記者となる。大学在学中より『葦』『世代』『新思潮』などに短篇を発表、1952年から3回芥川賞候補になり、1954年に「驟雨」で芥川賞を受賞。安岡章太郎、遠藤周作、庄野潤三、小島信夫、阿川弘之らと共に「第三の新人」と呼ばれた。1994年、肝臓癌のため死去。
 主な著書に『原色の街』『砂の上の植物群』『星と月は天の穴』(芸術選奨文部大臣賞)『暗室』(谷崎潤一郎賞)『鞄の中身』(読売文学賞)『夕暮まで』(野間文芸賞)などがある。

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