居酒屋兆治 (P+D BOOKS)

著者 :
  • 小学館
3.20
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本棚登録 : 31
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (251ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093522151

作品紹介・あらすじ

高倉健主演作原作、居酒屋に集う人間愛憎劇

国立で広さ5坪の縄のれんのモツ焼き屋「兆治」を営む藤野英治。輝くような青春を送り、挫折と再生を経て現在に至っている。かつての恋人で、今は資産家と一緒になった、さよの転落を耳にするが、現在の妻との生活の中で何もできない自分と、振り払えない思いに挟まれていく。
周囲の人間はそんな彼に同情し苛立ち、さざ波のような波紋が周囲に広がる。「煮えきらねえ野郎だな。てめえんとこの煮込みと同じだ」と学校の先輩・河原に挑発されても、頭を下げるだけの英治。
そんな夫を見ながら妻・茂子は、人が人を思うことは誰にも止められないと呟いていた……。
同作品を原作に、高倉健主演の映画「居酒屋兆治」は、舞台を国立から函館に移して、1983年秋に公開された。

感想・レビュー・書評

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  • 高倉健主演映画の原作ということで、読んでいてチラチラと健さんの姿が頭に浮かんだ。十四話からなる居酒屋兆治店主・藤野の物語。読んでいる間の雰囲気は、昭和三十年代くらいかと思っていたら、この作品が刊行されたのは1986年ということで、もう少し新しい年代なのかもしれない。『第十二話・遠花火』 以降が、読んでいて切なかった。

  • 寡黙で朴訥として居酒屋の店主。
    愛想の良い女将さん、
    集まってくる顔馴染み。

    居酒屋として憧れのスタイルが
    ここにある。

    口にはしない悲しいことも、
    飲み干してしまう大人の知恵と
    優しさ。
    笑い飛ばして、やり過ごす哀しみ。

    優しい灯りの下で
    美味しいモツと日本酒を
    いただいたような読後感。

  • 微妙な読後感。なんかほんわかさせておきながら、ゾッとさせるような、悲しませるような小説。意味ありげで、理不尽なかんじ。

  • ▼電子立ち読みあります▼
    http://shogakukan.tameshiyo.me/9784093522151

    高倉健主演作原作、居酒屋に集う人間愛憎劇。  

    国立で広さ5坪の縄のれんのモツ焼き屋「兆治」を営む藤野英治。輝くような青春を送り、挫折と再生を経て現在に至っている。かつての恋人で、今は資産家と一緒になった、さよの転落を耳にするが、現在の妻との生活の中で何もできない自分と、振り払えない思いに挟まれていく。  

    周囲の人間はそんな彼に同情し苛立ち、さざ波のような波紋が周囲に広がる。

    「煮えきらねえ野郎だな。てめえんとこの煮込みと同じだ」と学校の先輩・河原に挑発されても、頭を下げるだけの英治。  

    そんな夫を見ながら妻・茂子は、人が人を思うことは誰にも止められないと呟いていた……。  

    同作品を原作に、高倉健主演の映画「居酒屋兆治」は、舞台を国立から函館に移して、1983年秋に公開された。

  • 小さなコミュニティの中で壁に当たって弾かれて、それでもコミュニティのなかで人は生きている

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著者プロフィール

1926年東京生まれ。小説家、随筆家。『江分利満氏の優雅な生活』で直木賞受賞。おもな著作に31年間連載したコラムをまとめた「男性自身」シリーズ、『血族』『居酒屋兆治』など。1995年没。

「2014年 『ぐつぐつ、お鍋 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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